2008-12-03

秋葉原:外国人観光客が殺到 「オタク文化」人気で 5年で300万人増

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 日本を訪れる外国人観光客が増えている。浅草など伝統的な観光地に加え、アニメやコミックといった「オタク文化」を目的としたツアーがはやり、 100万円単位の高額消費をするアジアの富裕層が増えるなど様変わり。ユーロ高・円安の影響で欧州からの旅行者も多いという。【中川紗矢子】

 ◇ユーロ高欧州からアキバツアー/中国のニューリッチ、銀座で「散財」

 メイド喫茶のウエートレスたちがチラシを配る東京・秋葉原の繁華街に、外国人が多く訪れる人気スポット「アソビットキャラシティ」がある。1~5階すべてが、コミックやアニメグッズ、フィギュア(人形)など1万超のアイテムで埋め尽くされている。

 同店によると、客の3割は外国人で、欧米人が多い。インターネットで情報収集しては買いに来るらしく、4万~5万円分を購入していく人もいる。スペイン人の20代男性2人組は「アニメやコミックが好き。キャプテン翼やドラゴンボールのグッズを買いました」と喜んだ。

 JTBグローバルマーケティング&トラベルは今年3~4月の6日間、アニメ好きを対象にしたツアーを企画。米、ギリシャ、仏、スペイン、メキシコから20~40代の計36人が参加した。

 JTB広報室によると、外国人には浅草などの日本的な場所が好まれるが、20~40代の層には新しい日本の魅力を知る人が増え、コスプレ衣装やメイド喫茶といった秋葉原文化が人気を集めている。「ユーロ高・円安の影響で欧州からの旅行者が増えている」とも話す。

一方で目立つのは、消費力のあるアジア富裕層だ。人気の買い物スポット・銀座には、アジア系外国人観光客が目立ち、三越広報によると、中国のキャッ シュカード「銀聯(ぎんれん)カード」の07年度の銀座店での売上額は前年度比約10倍で、今年度も近い伸びを示している。旅行者は中国の景気が良くなっ た06~07年ごろから増えてきた。

 台湾などのアジア諸国で有名なJR御徒町駅近くの総合ディスカウントショップ「多慶屋」には、連日多くの観光バスが横付けされる。食品や家電、ブ ランド品などアジア観光客が好む多様な商品を網羅しているのが魅力。北京の徐勝強さん(31)は「国内の景気が良くて所得が増えている。お金を使うために 日本に来た。デジカメとゲーム機を買った」と話した。

 同店によると、中国人観光客は数百万円の腕時計を複数買っていくなど単価も高く、免税実績の8割5分が中国人による。「中国語のネーティブスピーカー14人(うち2人は韓国語もできる)で対応している」(スタッフ)

 日本政府観光局によると、外国人観光客は、03年に政府が「ビジット・ジャパン・キャンペーン」を始めてからの5年間で計300万人増加し、07年は835万人。今年6月までの上半期で、前年同期比10%増の433万7000人が来日した。

 松本大学の佐藤博康教授(観光ホスピタリティー)は「外国の高評価で日本の若者のサブカルチャーが見直されている。観光客増加は、外貨獲得のお得な形でもある」と歓迎する。


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