2008-12-03

外国人スキー客:豪スキー客取り込め!! 円高・ウォン安…韓国客がダメでも /岩手

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 ◇英語表示、大型レンタル用品用意/安比など、県もガイドマップ作成へ

 金融市場の混乱でウォン安が進み集客が厳しい韓国スキー客に代わり、オーストラリアから旅行客を呼び込もうと、県内スキー場などが取り組みを始め た。安比高原スキー場(八幡平市)では、既に英語の案内表示や大きいサイズのレンタル用スキー用品など受け入れ態勢を準備。口コミで評判が広がった北海道 ニセコ町の成功例に続こうと、スキー場の垣根を越えた活動を行っている。【山口圭一】

 盛岡周辺のスキー場で組織する「いわてウインターリゾート協議会」は今年5月、スキー旅行博が開かれた豪シドニーに行き、現地の旅行業者らにアピールした。先行して受け入れ態勢を整えた安比高原スキー場では、豪州から今季延べ300泊の利用を見込む。

 安比高原や雫石プリンスホテルを中心に県内スキー場は、これまでに韓国スキー愛好家を誘致する営業を展開してきた。県も04年から毎年、韓国の旅 行業者を招くなど、魅力をPR。4~9月を除くシーズン中に県内を訪れた韓国人旅行者は、04年の1241人から07年は8939人に急増した。

 しかし、今季はサブプライムローン問題に端を発した金融不安のあおりを受け、円高・ウォン安に。韓国からの旅行代金は昨年同期に比べ、1・5倍程 度になり、従来通りの利用が見込めなくなった。安比高原スキー場を運営する岩手ホテルアンドリゾート安比営業本部の大畑孝志本部長は「一時、昨年から半減 することも覚悟した。東北全体で落ち込んでいる」と話す。

 また若年層中心の韓国に対し、豪州は家族連れが多く、長ければ20日程度と滞在日数も長い。韓国スキー客が平日1泊2食付き9000円前後のとこ ろ、「オーストラリア人ならば、日本人と同程度の料金(平日1泊2食付き1万2000~1万3000円)が見込める」(大畑本部長)など利点が多い。

 ただ課題も残る。豪州のスキー客は日本文化も楽しもうと、スキー場近くの都市で食べ歩く傾向がある。そのため英語を話す店員の準備など受け入れ態 勢の整備が必要になる。県では、英語のガイドマップを作成する予定で、安比高原は今季から盛岡市中心部との送迎サービスを始めた。

 政府観光局のまとめでは、先行例の一つ、長野の豪州からの宿泊客は、05年の延べ3562人から07年は延べ1万1298人まで増えた。県地域産業課は「ニセコに比べスキー場は広く、長野より雪質が良い。来てもらえば魅力は伝わるはず」と期待を寄せる。

毎日新聞 2008年11月24日 地方版


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