労働者派遣法の改正作業は、例外扱いの業種をめぐる最終調整の段階にあるが、パソナグループやテンプスタッフなど人材派遣大手各社はすでに、法改正を控えてユーザー企業を対象にした事業への理解促進活動を始めた。
パソナグループは4月に「派遣コンプライアンス相談室」を設置した。全国でセミナーなどを開催し、各企業を法務担当者が巡回する態勢にした。テンプスタッ フも7月から派遣活用の公開セミナーを隔月に開催している。両社とも派遣法改正の方向性などについて、企業の理解を深める内容にしている。
厚労省が昨年暮れから開催してきた有識者会議の報告書では、派遣会社に登録し、契約期間だけ派遣元と雇用契約を結ぶという一般的な形態の登録型派遣について「禁止は不適当」と結論付けた。厚労省が示した改正案もそれを踏襲している。
ただ、労働者派遣の雇用問題に取り組むNPO法人(特定非営利活動法人)「派遣労働ネットワーク」(派遣ネット)は日雇い派遣の原則禁止だけでなく、「登 録型派遣は平成11年改正以前の専門性の高い26業務に限定すべきだ」と主張している。同ネットは民主党など野党4党に共同で派遣法改正案を国会に提出す るよう働きかけている。
野党案が可決されるかどうかは国会情勢次第だが、日雇い派遣だけでなく、登録型派遣全体に業務制限が導入されると、産業界への影響は大きい。
派遣業者は「法律が改正されたら、その法律にのっとってビジネスを展開するだけ」(増山浩史フジスタッフホールディングス社長)というが、全国で4万社以上に成長してきた人材派遣業が、規制が強化されれば市場が縮小することは間違いない。
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