2008-12-11

フリーSEとして働いていますが,最近立て続けに契約を切られ,将来が不安です。

:::引用:::
スキルアップのため,個人事業主でSEをしていますが,ここ数年,二重派遣などの契約問題で,現場を切られることが増えました。

 現場にアサインされたら,チームリーダーや時にはプロジェクト・マネジャーの補佐役として管理系の仕事を任されるので,スキルが原因ではないことは明らかですが,こう立て続けに契約を切られると自信をなくしてしまいます。

 また,収入面での安定性も得られないため,社員や契約社員への転向も考えています。個人事業主で続けていくには限界があるのでしょうか?何か良い対策方法があれば,アドバイスをお願いします。
(SE/男性・37歳)

自分への自信を失うな。営業が不安なら,営業力のある仲間を集めよ

 今回の金融恐慌が始まる以前から,IT業界では金融業界を中心に人余り状態が目立つようになってきました。あなたのおっしゃるように,派遣法の関係で, 個人事業主が切られるケースも出てきました。派遣法に関しては,法的な問題ですので,どこかの会社からの派遣という契約形態ではなく,個人事業主として直 接契約ができれば解決なのですが,これは相手の会社がそのような契約を認めるかという問題があります。

 この不況で仕事自体が少なくなってきていること,オフショア開発が進んで単価下落の圧力が増していることなど,個人事業主にとっては,厳しい環境がしばらく続くことが予想されます。

 実は私自身,ベリングポイントの代表取締役を退任してからは,ほとんど個人事業主状態から今の会社を立ち上げていった経緯がありますので,お気持ちはよくわかります。ここで,個人事業主の原点に帰って考えてみましょう(図1)。

図1●個人事業主に必要な3要素
図1●個人事業主に必要な3要素

 個人事業主は,仕事を自己責任で行います。だからこそ,経費処理などでサラリーマンにはない特典があるのです。ということは,まず自分自身の市場 価値を常に高くキープする必要があります。しかし市場価値は移ろうものです。過去に価値が高かったからといって将来も高いとは限りません。

 従って,個人事業主は自己責任で,技術進化に合わせて価値の高いスキルを身につけて,自分の市場価値を高める努力が必要です。

 これは「言うは易し」で実際には大変な苦痛を伴います。まず何をターゲットにするか,そして稼げるようになるまでの生活はどうするのか---。私 も散々苦労しました。こうなるともはや「覚悟」の問題になってきます。ここでのサジェスチョンは,「自分が好きで選んだ道」だということを忘れないこと と,「自分に対する自信」を失わないことです。

 また,いくらスキルがあっても仕事を取れなければ事業主ではありません。一般的に技術者には営業力が不足しがちなので,首都圏コンピュータ技術者のような,個人事業主を支援する組織の助力を頼むのも一考でしょう。

 もうひとつ,仲間を集めるという手があります。営業力のある仲間を集めて小さな会社を作るのもよいでしょう。私の場合は,今の会社を作りました。 自分1人の営業力では不安だったから,営業力のありそうな仲間を集めたのです。自己責任の仲間同士が集まって少しずつ頼り合えるようになり,同時に経理な どの事務処理負担も軽減して,今の形になりました。

 IT業界の現場はまだまだ職人の世界ですので,あなたのような腕に覚えのある技術者が個人事業主として活躍するのは,業界の発展のためにも良いことだと思います。あきらめる前に,覚悟を決めて行動してみましょう。

役に立つ資格が何なのかよく分かりません。

 役に立つ資格が何なのかよく分かりません。

 もしかするとTOEICぐらいしか役に立たないのではという疑問も生じます。無駄な資格のために勉強する時間はないので,どれが良いのか記事にしていただければ幸いです。座学だけの資格はあまり役に立たない気がします。

 転職・採用・育成のどれにも当てはまり,業界ごとに役に立つ資格などが分かれば幸せなのですが。
(SE/男性・37歳)

資格を考える前に,自分が将来何をやりたいかをまず考えよ。

 最近,資格に関する悩みをうかがうことが多くなってきました。そのような場合にいつも私は,「資格を考える前に,自分が将来何をやりたいかをまず考えましょう」と答えることにしています。

 実際,採用する側から言わせていただくと,面接の際に最もカギとなるのは資格ではなくて,本人の熱意,適性,実績といったもののほうが遥かに重要です(図2)。

図2●企業側の思い
図2●企業側の思い

 もちろん,面接前の書類選考の段階では,資格は大きなポイントであることは間違いありません。しかし,資格で自分の適性や熱意が伝わるわけではなく,逆に資格があることで採用する側から「偏った見方」をされる場合もあります。

 たまに,資格取得を半ば趣味のようにしている技術者がいて,「自分はこれだけ資格を持っているのに不遇だ」と嘆く声を聞きますが,採用する側は常に現場主義で,資格以外のところに重点を置いているのです。

 「将来何をやりたいか」と聞かれても,すぐには答えられないかもしれません。その場合は,自分がずっと技術者指向でいくのか,管理者としてのキャリアを歩みたいのかが最初の分岐点です(図3)。

図3●資格を考える前に,将来何をやりたいかをまず考える
図3●資格を考える前に,将来何をやりたいかをまず考える

 将来グローバルな仕事をしたいとか,海外の技術者と丁々発止で議論してみたいと思うのであれば,TOEICは大事な資格です。大手企業では,海外出張の 基準にTOEICの点数を採用しているぐらいですから,700点以上を取っていれば転職にも有利でしょう。英語は,管理者でも技術者でも共通に必要なスキ ルなので,あなたのおっしゃるように,これはつぶしの効く資格です。

 将来,管理者志向なのであれば,プロジェクト・マネジャー(PM)を目指して,標準管理技法に基づいたPM資格をとるのがよいでしょう。あなたの年齢から言ったら,このあたりがふさわしいかもしれません。

 PMはどんなに不況でも,またどの企業でも不足していますし,最近はPMBOKなどの標準管理技法を採用するケースが増えています。採用する側からしてみれば,PMPなどのPM資格を持った方で,それなりの実績がある方はとても魅力的です。

 どの分野の技術者がどのくらいの単価で働いているか,その実態を調べてみると,プロジェクト・マネジャーの単価が最も高いのです。最大で300万円/月以上の単価がとれますが,これは業界的には常識です。

 二番目以降は,データベース技術やERPあたりでしょうか。最高で200万円/月以上の単価がとれます。データベースやERPであれば,各ベン ダーの資格がありますので,それらを取得するのがよいでしょう。ただし,ご存知のように料金はそれなりに高いので,個人で受験するにはかなりハードルが高 い資格が多いものです。

 EA(Enterprise Architecture)やSOAといった業務アプリケーション構築の技術者もかなり高い単価なのですが,最新技術を経験した実績が重視されますので, どれだけ資格が有効か,市場的な判断は難しいかもしれません。セキュリティ,ミドルウエア,ネットワークも単価の高い技術です。将来これらの技術で生きて いこうと思うのでしたら,関連する資格取得も有効かもしれません。


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