木更津市内に宿泊する中国人観光客が飛躍的に伸びている。2004年度は約400人だったが、07年度には約25倍の約1万人に急増した。市が中国 に対し、観光誘致を積極的に展開し、市内のホテルも中国人客の受け入れに力を入れており、官民挙げての取り組みで着実に成果が上がっている。
水越勇雄市長が04年、中国・北京、上海を訪問し、旅行関係者らに対し、木更津観光を売り込むトップセールスを行った。05年からビザ発給の対象となる居住地域が中国全土に拡大されるなどしたため、誘致活動にも弾みがついた。
その後、市の担当者が訪中し、日中の旅行会社の商談会に参加したり、現地の旅行会社に電子メールなどを通じて誘致を働きかけたりしている。当初は 「木更津ってどこ?」と、首をかしげていた現地担当者だが、今では「来月、そちらに数十人の視察団を送りたいのだが」などと、気軽に相談してくるまでに なったという。視察団の受け入れ件数は年間約25件に増加した。
市商工観光課は「胡錦濤・国家主席が1998年の副主席時代、木更津を農業視察したことや、東京湾アクアラインを利用すれば、都内まで約1時間で着けることなどをアピールしている」と話す。
市は11月、中国人向けの観光案内を作成した。市役所で研修していた中国国際青年交流センター(北京市)職員、許■琳さん(25)に協力してもらい、東京都内や市内の観光名所を分かりやすく紹介している。
一方、受け入れ側の市内のホテルも、サービスに工夫を凝らしている。
「東京ベイプラザホテル」(木更津市新田)では、04年に中国系日本人の露崎強社長(46)が就任して以降、中国での営業を重視してきた。
初めて来日する中国人が多いため、ホテル専用のバスで羽田・成田両空港とホテルとの間を送迎。東京・銀座、秋葉原や、横浜市、富士山などのバスツアーも用意している。
さらに、現地の料理人を雇って本場の味を提供したり、中国国内で流れるテレビ番組を見られるようにしたりと、きめ細かなサービスの提供を心掛けて いる。小安洋司支配人(65)は、「中国人宿泊客は宿泊客全体の7割を占めるまでになった。都心での買い物が目当てのお客さんが多く、ここに泊まれば宿泊 費も抑えることができる」と利点を強調する。
市内から車で約30分の羽田空港は、10年10月には4本目の滑走路が供用開始される予定で、上海やソウルなどの国際便の発着が年7000回から6万回に増える見通し。市内の観光関係者は「今後、中国人観光客への期待はさらに高まる」と話している。
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