2008-09-18

外国人技能実習 「安い労働力」は間違いだ

:::引用:::
途上国から研修生を受け入れ、技術移転による国際協力・国際貢献を果たすことを目的に1993年に始まったのが「外国人研修・技能実習制度」だ。
 製造業などを中心に受け入れ企業が増加し、制度が広く浸透するようになった。だが問題やトラブルも後を絶たない。
 問題の根っこにあるのは「安い労働力」としか見ない企業側の誤った認識だ。端的に言えば、制度を「食い物」にしているということだ。
 これでは国際協力どころか、日本や日本文化へのイメージを傷つけ、不信感を生むだけだ。
 技能習得や日本語学習など知識の習得に1年間を充てる「研修」と、最長2年間の「技能実習」から成る。研修生には生活費として毎月「研修手当」は支給されるものの、就労させてはならないのが原則だ。技能実習生には、当然ながら労働基準法や最低賃金法などが適用される。
 少子高齢化で労働力人口は減少局面に入り、その一方で国内で働く外国人労働者は30万人を超える時代だ。制度の理念をゆがめる背景がここにある。
 財団法人国際研修協力機構のまとめによると、入国管理局が2007年中に「不正行為」と認定した機関は449機関。過去最多だった前年に比べ、約2倍と急増ぶりが目立つ。
 不正行為は、労働関係法規違反のほか、契約内容とは異なる企業で作業に従事させる「名義貸し」や休日に勤務させる「所定時間外作業」などが大半を占める。
 菓子製造の研修をうたいながら単なる梱包作業であったり、トマト栽培のはずが研修もないままイチゴ栽培に就かせたりといった具合だ。
 旅券や通帳などを企業側が強制的に保管するなど、悪質な人権侵害も少なくない。
 せっかくの制度を不正雇用の温床にしてはいけない。研修・実習生の法的保護を含め、制度が適正に運営され、理念に沿うような仕組みづくりが欠かせない。

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