【北京・大塚卓也】中国人民銀行は15日夜、金融機関の貸出基準金利を1年物で0.27%引き下げ7.20%にすると発表した。16日から実施す る。米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)による世界的な金融市場の混乱が連鎖し、減速傾向にある中国経済の先行き不安が広がるのを防ぐ狙 いとみられる。中国の利下げは02年2月以来、6年7カ月ぶり。
金融機関の預金の一部を中央銀行に再預金させる比率である預金準備率も25日から引き下げ、大手を除く中小金融機関は1%、四川大地震被災地の金融機関は2%とする。預金基準金利は据え置いた。
中国の経済成長率は今年第2四半期(4~6月)で10.1%と2ケタ成長を維持しているものの、減速が続いている。日本に次ぎ第2の輸出相手国である米経済減速の影響で外需の落ち込みが始まっており、製造業が集中する沿海部では企業倒産も増加している。
このため政府は7月、軸足を「景気過熱防止」から「成長の維持と、インフレ防止」に切り替えた。ただ、8月の卸売物価指数は前年同月比10.1% 増とインフレ懸念は収まっていない。利下げはコスト高に苦しむ企業救済と同時に、リーマンの経営破綻による国際金融危機が波及し、低迷する上海などの株式 市場の底割れを防ぐ意味合いが強い。
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