現在の厳しい経済情勢の中、中国で2009年に卒業予定の大学生は、かつてない試練に立たされている。
大学生と農民工(出稼ぎ農民)の雇用が今の経済調整の重要課題となっており、関係各部門が連携し、雇用促進に向けた一連の活動を始めている。
鉄道部、商務部、国有資産監督管理委員会など11省庁は共同で、「官製」ネット就職説明会を13回開催し、2008年と2009年の大卒者の雇用を促進する。
「現在の経済情勢の変化で、一部の地域・専攻の大卒者の就職に悪影響が出ている」。教育部の周済部長は2008年12月10日、「全国大学卒業生就職工作会議」でこう述べた。
教育部の統計によると、2008年の全国の大卒者は559万人で、2007年から64万人増。大卒者の数は増える傾向にあり、2009年は前年より52万人多い611万人規模に達する。
2008年の大卒就職率は70%を割る?
「2008年の大卒者の実際の就職率は70%を割っている」と人力資源・社会保障部労働科学研究所の張麗賓研究員は記者に語った。
中国社会科学院が最近発表した2009年度版「経済白書」の予測では、2008年末時点で就職できていない大卒者が100万人おり、2009年には新たに611万人近い大学新卒者が就職時期を迎える。張研究員は、現在の経済情勢を受けて、国が内需拡大と必要投資を確保しているため、鉄鋼業界や鉄道・交通などの部門は他の産業に比べて受け入れ人数に余裕があるものの、要求される専門性も高いと指摘する。
中国人民大学の労働・人事学院副院長の劉爾鐸氏は「おそらく2009年の夏季休暇前後にわが国の経済は底に達し、大卒者の就職も一番の氷河期を迎えるだろう」が、「2010年には就職情勢が好転することも考えられる。雇用と経済発展は一体だ」と話している。
張麗賓研究員は「現在の経済の動きからみて、2009年第1、第2四半期の就職状況は楽観視できない。公共事業への集中投資がどれだけの就業機会を呼び起こせるかがカギとなる」と言う。
張研究員はまた、求人数の減少、起業奨励政策の後押しなどから、ベンチャービジネスを目指す大学生の数が増えると予測する。
多様な政策ミックスで雇用を促進
当面の大卒者の就職問題を解決するため、11省庁が行動を開始した。
2008年11月から2009年6月にかけ、教育部は鉄道部や商務部など10省庁と協力して、13回にわたるネット就職説明会を開催している。
劉爾鐸副院長によると、教育部が各事業部門と連携するのは、新卒者の就職活動をより具体化し、各部門と直接接触する機会を与えることを目的として いる。同時に職能部門のような非事業部門との連携は、学生の戸籍など総合的な問題を処理する際、単一部門であたるよりも解決を容易にすると指摘する。
このほか、教育部は関係省庁と連携して4つの新政策を打ち出し、大卒者の就業を促進する。すなわち、(1)西部および辺境貧困地域の末端機関に一 定年限就業する大卒者には、国が在学中の授業料や奨学金ローンを肩代わりする (2)農村の小中学校の教員ポストをさらに増やす (3)人民解放軍への入隊枠を各種大学にさらに広く拡大する(4)大学院や学士入学の募集定員枠を拡大する――の4項目である。
中国人民大学就業研究所の姚裕群副所長は、これらの新政策は政府が雇用問題を社会発展に結びつけて取り組んでいることを示しており、単純に経済手 段に頼って雇用調整をしているのではないと話す。姚氏はさらに、雇用問題は政府に依存するだけでは解決できず、「学校の運営、市場の雇用、学生の職業選 択、政府の調整」が有機的に結びついてこそ解決が可能だと指摘する。
「私は個人的には大学院生の募集枠拡大という政策を評価しない。募集枠の拡大は現在の就職圧力を数年後に先延ばしすることにほかならない。就職圧 力を根本的に緩和しなければ、将来的に大学院生の就職難を引き起こすだけだ」。劉爾鐸副院長は、募集枠を拡大するにしても、一定の限度があると考えてい る。
さらに続けて「大学生が就職先を考える場合、末端機関にも目を向けるべきだ。大都市だけでなく、中都市での就職も視野に入れるべきだ」とし、「大 学生は就職先を理性的に判断し、いたずらに高望みしてはならない。毎年(都市部における)新規の求人枠は1000万人で、大卒者の数はその半数を占めてい るのだから」と指摘した。
(杜文景=21世紀経済報道、北京発)
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