2009-01-23

中国 GDP減速で利下げも 08年10~12月期 7年ぶり低成長

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中国国家統計局が22日発表した2008年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は前年同期比6.8%増と、7年ぶりの低い伸びにとどまった。世界的 なリセッション(景気後退)が輸出の足かせとなっており、景気てこ入れのため政府に一段の財政出動と利下げを求める声が強まりそうだ。

 ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト12人を対象に実施した調査の予想中央値も同6.8%増だった。08年7~9月は同9%増だった。中国からの部 品や原材料に対する需要が急減したことでアジア太平洋地域に影響が及んでおり、台湾や韓国、オーストラリアの経済はリセッション入りに近づいている。

 温家宝首相は今週、雇用の見通しが「極めて厳しい」なか、減速する景気を好転させて社会安定を維持するため、政府は緊急に取り組む必要があるとの見解を表明していた。

 豪マッコーリー証券(香港)のエコノミスト、ポール・カービー氏は「驚くほど急激な減速だ。まだすべての苦痛が表れたわけではない」と指摘。中国人民銀行(中央銀行)が年央までに1年物貸出金利を最大0.81%引き下げ、4.5%にする可能性があるとみる。

 08年通期の実質GDPは前年比9.0%増にとどまった。07年は13%増加し、中国はドイツを抜いて世界3番目の経済大国に躍り出ていた。08年の都市部の固定資産投資は前年比26.1%増。昨年1~11月期は同26.8%増だった。

 昨年12月の鉱工業生産は前年同月比5.7%増と、過去約10年の最低に近い水準だった。同月のCPI(消費者物価指数)は同1.2%上昇と、過去2年余りで最も低い伸びに落ち着き、利下げ余地が広がった。PPI(生産者物価指数)は同1.1%の低下だった。

 国家統計局の馬建堂局長は、「国際的な金融危機の深刻化と広がりが見られており、国内経済に悪影響を及ぼし続けている」との認識を示した。

 米ヘッジファンドのバレストラ・キャピタルのライアン・アトキンソン氏は、09年の中国経済成長率が2%と、少なくとも30年ぶりの低水準に落ち込む可 能性があるとみている。同氏は「余剰生産能力が非常に高い水準にあり、中国が生産しようとしている製品を世界が吸収できる可能性はない」と指摘する。

 これに対し、国家統計局は22日、昨年12月の中国経済には「前向きな」変化が見られたとし、09年の目標である8%成長は達成可能との見解を示した。 12月のマネーサプライと銀行融資は急増した。馬局長は同日、投資家の信頼感は改善し、インフレの影響を除いた小売り売上高の伸びは加速したと語った。

 英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の香港在勤エコノミスト、ベン・シンフェンドーファー氏は、12月の鉱工業生産の伸びがエコノミ スト予想や11月の5.4%を上回ったことは「一筋の光明」と述べた。馬局長は「夜明け前の薄明かりかもしれない」との見方を示し た。(KevinHamlin、LiYanping)
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