2008-12-12

職、家どうすれば… 「派遣切り」外国人、暗い年の瀬

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非正規社員が雇用を打ち切られる問題が県内でも表面化する中、ブラジルをはじめとする外国人の派遣労働者が次々と失業している。異国の地でものづくりの下地を支えてきた働き手たちは、職も家も希望も失いかけている。

 「あと少しで夢がかなうのに」。越前市に住む日系ブラジル3世、カキヅカ・フランクさん(33)は今月1日、市内の機械製造会社での仕事を失った。

 ブラジル・サンパウロ州で暮らす両親に家を建ててあげようと、5年前に来日。毎月10万円ずつを仕送りし、こつこつと貯金を重ねてきた。

 同じ会社で働く同郷の恋人(24)もでき、目標の家は一回り大きくなっていた。

 派遣元の会社からは契約期間が過ぎたとの説明に加え、「もうこの街に仕事はない」と告げられた。夏以降に帰国した同郷の友人は50人を数えるが「今帰ってもお金が足りない。何とか日本で仕事を探す」と話す。

 大規模な製造工場の多い越前市では、1990年の入管難民法改正後、日系ブラジル人の定住世帯が増え続けた。

 だが、市の調査で、今年1月に2120人いたブラジル人在住者は、今月1日現在で1720人に激減。幹線道沿いに点在していた生活用品店も多くが閉店に追い込まれている。

 市国際交流協会の中須賀美幸さんは「派遣会社の寮から退出を迫られている人も多い。行き場を失った人たちが増え続けると、治安悪化につながるおそれもある」と指摘する。

 (谷悠己)


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