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金融危機の余波でアイルランドに隣接する英領北アイルランドの国境の街に空前の好景気が訪れた。この1年で英通貨ポンドが対ユーロで約2割も下落し、クリ スマス商戦用に玩具店には破格の「1ポンド=1ユーロ」の看板まで登場。ユーロ圏のアイルランドから買い物客が大挙して押し寄せ、ポンドのユーロ参加論議 にも一石を投じている。(英領北アイルランド・ニューリー 木村正人)
昨年夏、1ポンドは250円を突破したが、今回の金融危機で急落し、8日午前、約140円。昨年1月に1ポンド=1・50ユーロだった対ユーロ相場も先 月、一時1・16ユーロまで下落した。2002年に欧州単一通貨ユーロが流通開始して以来の最低水準。英中央銀行、イングランド銀行が景気対策として4 日、政策金利を3%から2%に引き下げたため、ポンド安がさらに進む可能性もある。
こうした金融危機による記録的なポンド安が、買い物客の大移動を引き起こしている。
アイルランドの首都ダブリンから北アイルランドのニューリーに向かう道路は十数キロの渋滞。ニューリーはポンドもユーロも使える“二重通貨”の街で、量 販店セルフリッジでは駐車場の車の8割近くがアイルランド・ナンバーだった。同店の売り上げは英国内のチェーン店の中でも1、2を争う。
ダブリン在住の主婦(38)は「クリスマスプレゼント用に最新のプレーステーション3を3個も買った。ダブリンで買うより1個当たり17ユーロ(約 1988円)も安い」と笑う。酒類販売コーナーの店員によると、1度にワイン72本を買った客もおり、客同士が箱入り缶ビールを奪い合って殴り合う騒ぎま で起きた。
洋服店を経営するカトリックのキャサリン・ダーナンさん(46)は「30年前、ニューリーは爆発事件が多発する街だった。カトリック過激派アイルランド 共和軍(IRA)が定期的に警察施設を襲っていた」と振り返る。1998年の包括和平合意で治安が回復し、最悪で30%もあった失業率は昨年2%まで減少 した。
しかし、今は国境をはさんで“課税摩擦”が勃発(ぼっぱつ)。英国は景気対策で1日から日本の消費税に当たる付加価値税を15%に引き下げたが、アイルランドは21・5%に引き上げるため買い物客の大移動に拍車がかかるのは必至だ。
アイルランドのレニハン財務相は税収減を心配して「北アイルランドで買い物をするのはエリザベス英女王に税金を納めることだ」と警告したが、英国には歓 迎すべきこと。フィナンシャル・タイムズ紙のマーチン・ウルフ論説委員はコラムで「これこそ変動相場制の素晴らしさ」とポンド維持の利点を指摘した。
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2008-12-08
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