米Gartnerが米国時間2008年12月16日に発表した世界半導体市場に関する予測分析によると,同市場の減収傾向は2009年も続く見込み という。同社は2009年における同市場の売上高を,前年比16.3%の2192億ドルと予測している。また,2008年は前年比4.4%減の2619億 ドルになるとする見通しを先週発表している。
同社は11月半ばの時点で,世界半導体市場の売上高見通しを,2008年に前年比0.2%増,2009年に同2.2%減としていた。しかし,世界 的金融危機は想像以上に2008年第4四半期の同市場に打撃を与えた。そのため,当期は前年同期比24.4%減収する見込みで,2001年第2四半期の 20%減を超える記録的な落ち込みとなる。
同社リサーチ担当バイス・プレジデントのBryan Lewis氏は,「多くの企業幹部が2001年のドットコム・バブル崩壊と比較するかもしれないが,今回の低迷は多くの点で異なる。それは,技術業界にと どまらず広範囲にわたっていること。また,2001年は不調に転じる前の成長が莫大だったが,現在は在庫管理が行き届いていることなどだ」と説明する。
そのため,2001年より早い回復が見込めると,同社は期待している。2010年の世界半導体市場の売上高は前年比14.6%増の2512億ドル,2011年に同9.4%増の2749億ドルと予測している。
なお,Gartnerリサーチ担当バイス・プレジデントのAndrew Norwood氏は,DRAMが2009年の市場で予測不能な役回りをすると指摘する。「DRAM分野は18カ月間低迷しており,損失額は約120億ドル にのぼる。そのためDRAMサプライヤは,規模を大幅に縮小するか,より力のないサプライヤは合併あるいは撤退を余儀なくされる。いずれにしろ,DRAM 価格は2009年後半に安定する見通しで,これが2009年の落ち込みを和らげることになる。一方,広範な政府の支援だけがDRAMサプライヤの整理統合 を防ぐことができるが,それは単に現在の不況を長引かせるだけになるかもしれない」(同氏)
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