2008-10-29

一線退いた日本人技術者、韓国中小企業で大活躍

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小型モーターや減速機の製造を手掛けるGGMは今年5月、すでに退職した日本人技術者Aさん(78)を顧問としてスカウトした。西部電気工業を定年 退職したAさんは、わずか5カ月間で製品の寿命を5%伸ばし、生産性を3%引き上げた。会社の関係者は「このままいけば、年間8000万ウォン(約533 万円)程度のコスト削減効果が期待でき、削減幅はさらに拡大するだろう」と(話している。同社は、日本人顧問のノウハウをベースに新製品の開発を手掛けて おり、これをベースに2010年ごろには20億ウォン(約1億3000万円)の売り上げ増加を期待している。

 このところ、日本人技術者をスカウトする中小企業が増えている。韓国よりも技術力に優れた日本の部品・素材分野のノウハウを、製品設計や生産技術の開発、品質管理に生かし、生産性を高めていくためだ。

 油圧機器メーカー「コペック・エンジニアリング」は、1カ月に1億ウォン(約670万円)相当の油圧バルブを日本やドイツから輸入し、今年4月にスカウトした日本人技術者(70)の指導の下で開発に成功。輸入コストの10分の1にも満たないコストで生産している。

 また、自動車部品を生産するY社の場合、日本人技術者(58)の指導によって工程を改善した結果、作業のスピードが2倍近く速まり、原材料の在庫 が33%減った。プラスチック射出成形機メーカー「ウジン・セレックス」のキム・イクファン社長は「日本人技術者のおかげで試行錯誤しなくても済むように なった」と話している。

 中小企業が日本人技術者をスカウトしようとする場合、現職よりも比較的アプローチしやすい退職者がターゲットとなるケースが多い。1947-49 年に生まれた約700万人の戦後のベビーブーム世代、いわゆる「団塊世代」が、昨年から一挙に定年退職しており、多くの優秀な人材が有り余っている。団塊 世代は日本の製造業のいわば根幹を成している。韓国銀行も最近提出した「対日貿易の逆調が固定化している原因と今後の政策課題」と題する報告書で、「技術 競争力の強化に向け団塊世代の技術者をスカウトする必要性がある」と明らかにした。

 造船機械資材メーカー「太陽機電」のパク・ソクベ社長は「これまで輸入に頼ってきた船舶用小型精密バルブを、日本人技術者のおかげで独自開発することができた。追加でほかの分野の技術者のスカウトも検討している」と話している。

 一線を退いた日本人技術者一人を雇用するためのコストは、年俸や住宅、乗用車などを含め、8000万-1億ウォン(約533万-666万円)だという。

 これについて、韓日産業技術協力財団の関係者は、「すでに退職した日本人技術者は“お金”よりも仕事をすることにやり甲斐を感じている傾向がある」という。


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