2008-09-17

<ICTパネル討論会>企業のIT部門は、社内コンサルティング部門に自己変革できるか?

:::引用:::

 「IT(情報技術)に関する社内コンサルティングの役割を担おうと思っていますが、業務知識を持ったIT人材が絶対的に不足しています。今のままでは、とてもその役割を担えません」

 こう嘆くCIO(最高情報責任者)は意外と多い。日経情報ストラテジーの調査でも、対象企業の7割以上が「業務に関するコンサルティング・改善提案能力を持つ人材が不足している」と回答している(2008年3月号有力企業357社CIO調査より)。これでは、社内コンサルティング部門への自己変革はままならない状況である。同調査では、半数を超える企業が「技術的なアーキテクチャー設計、セキュリティー関連の能力を持った人材も不足している」という実態も明らかになった。CIO調査は、主に上場している大企業を対象にしており、非上場の中堅・中小企業では、IT人材不足はさらに深刻だとみられる。

 こうしたIT人材不足に対して、国や業界団体などが対策に動き出しているが、まだ解決の糸口が見えていない。しかし、企業の中にはIT部門の役割を明確に位置付けたうえで、必要な人材を育成するところも出てきた。

 その際、IT人材のスキルを規定した「ITスキル標準(ITSS)」を活用して、育成に乗り出している企業がある。2006年6月には、ITSSのユーザー企業版として、情報システムユーザースキル標準(UISS)の初版が策定され、2008年3月にはUISSの「Ver.1.2」が公表されている。このUISSを使って、IT人材のスキルをチェックし、レベルアップを図っている企業の1社がカシオ計算機だ。同社のIT部門は業務開発部という名称だが、執行役員で同部門の部長を務める矢澤篤志氏は、こう話す。

 「我が社が必要としているIT人材は、優秀なシステムエンジニア(SE)である。たとえ業務経験が無くても、SEとして優秀であれば、(社内コンサルティング部門としての)業務開発部門の役割を十分に担える。毎年ITSSやUISSを使ってスキルをチェックし、レベルアップを図っている」

 10月15日から3日間、東京ビッグサイトで開催するIT pro EXPO 2008 Autumnでは、矢澤氏をはじめ、アサヒビール理事で業務システム部長の奥山博氏、大成ロテックの常任監査役である木内里美氏(CIOオブ・ザ・イヤー2003受賞者)をパネリストに招いて、「我が社の情報戦略と必要としているIT人材」と題して討論会を開催する。どんなIT人材を必要としているのか、どんなIT人材が不足しているのか、IT人材をどう育成しているのか、話し合う。講演日時は10月15日16時から、場所は東京ビッグサイトの会議棟1階。

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