景気悪化に伴い雇用不安が広がる中、ベトナム国籍の女子高校生が大学へ進学できるかどうか、瀬戸際に立たされている。母親が十五日にも勤務先の自動 車関連工場から「自宅待機」を言い渡される可能性が高いからだ。十年前に母親と二人で来日し「苦労してきたお母さんを助けたい」という一心で勉強してき た。「大学を出て看護師に」という夢の前に、深刻化する経済不況が立ちはだかる。(高田康夫)
県立姫路別所高校三年、ファ ム・タン・タン・ハンさん(18)。来日時は日本語ができなかったが、小学校教諭がボランティアで開く補習教室に通い、高校へ進学した。経済的事情や言葉 の壁などでハンさんのような在日外国人を取り巻く環境は厳しいが、看護師を目指し週六日、飲食店でアルバイトをしながら勉強。推薦で今春、近大姫路大看護 学部に入学することが決まった。
一緒に暮らす母親(44)は日本語ができず、これまでも職を転々としてきた。昨年からは自動車関連工場で、時給九百-千円のアルバイトを始めた。ハンさんもアルバイトの給料をすべて母親に渡し、なんとか大学の学費を用意できた。
ところが、世界的な金融危機で状況が一変。仕事始めの今月五日、母親が出勤すると「十五日からアルバイト従業員の三分の二を自宅待機にする」と説明を受け た。賃金保障はなく、解雇に等しい措置。母親は雇用保険にも入っておらず、待機を言い渡されれば、暮らしへの直撃は避けられない。
「小児科の看護師になって日本にいるベトナム人の子どもたちを支えたい」とハンさん。そんな娘の夢をかなえようと、母親は今、必死で別の仕事を探している。
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