世界的な景気低迷を受け、県内では、輸出関連の製造業は「派遣切り」で職を失う人が増えている一方、介護などの非製造業では、慢性的な人手不足が続 いている。雇用を増やしたい業種があっても、職を失った人の希望に合わないという「ミスマッチ」を少しでも解消しようと、県経営者協会は、会員企業の採用 意欲や人員削減計画などについての調査を始めた。
同協会は今月中に会員企業約300社を対象にした調査結果をまとめ、会員企業に情報を公開する。従業員を解雇する予定の企業は、対象となる従業員に対し、採用意欲のある企業を紹介することができる。
すでに回収した一部のアンケートの中には、製造業の中では非正規社員だけでなく、正社員を減らす予定の企業もあるという。一方、福祉施設や飲食業などの非製造業では「人を増やす予定だが、集まらない」という意見が寄せられている。
ただ、自動車関連メーカーなどの製造業で働いていた人が、介護などの全く異なる業界で働くのは容易ではない。昨年12月に自動車部品会社から解雇通告を受けた宇都宮市内の男性(41)は「人と話すのが苦手なので、製造業の職を探したい」と話す。
ハローワーク宇都宮の小森透次長は「製造業で解雇された人は、次も製造業で仕事を探す傾向が強い。介護職員は人手不足とはいえ、適性などもあり容易に紹介できない」と説明する。
介護施設などでは根気よく高齢者の世話をしたり、話し相手になったりすることが求められる。決められた工程で作業をする場合が多い製造業の現場と 違って、突発的な呼び出しも多く、臨機応変の対応が求められる。現状では、介護職員は、育児経験やホームヘルパーなどの資格を持つ女性が多いという傾向が ある。
日光市の福祉施設「ひかりの里」の金子好文施設長は「派遣切りにあった人たちは介護の現場では即戦力にはなりにくい。人材不足の業界とはいえ、簡 単に飛び込めるものではない」と話す。ただ、介護報酬が2009年度から3・0%引き上げる初のプラス改定となったのは好材料だ。金子施設長は「介護の仕 事への関心が高まるきっかけになれば」と期待する。
県経営者協会も「製造業で職を失った人の中で、介護や接客に興味を持っている人材を探し出す努力も必要だろう」と指摘している。
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