2008-09-30

<一人っ子>親が高齢化、5年後には介護問題の最前線に―上海市

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2008年9月27日、計画生育政策(一人っ子政策)が最も早く開始された上海では、子供を1人しか持たない父母世代が2013年頃から老年(60歳以 上)の仲間入りをし、2018年頃に増加のピークを向えるため、扶養や介護のための人員不足問題が深刻化すると予想されている。新華社通信(電子版)が伝 えた。

上海市は全国に先駆けて一人っ子政策が実施された地域で、現在、全市の総家庭数の61.06%に当たる305万戸が一人っ子家庭だという。この比率は全国平均よりも39ポイント以上高く、「一人っ子家庭」の割合が突出している。

政策が開始された年代から計算すると、子供を1人しか持たない父母世代が老年の仲間入りをするのは5年後の2013年頃からで、その時に老年とな る人口の80%以上を占めると推定されている。10年後の2018年には父母世代が老年入りするピークを迎え、毎年20万-30万人の「新老年」が誕生す る。これにより、上海市では全国で最も早く一人っ子たちによる扶養と介護の問題に直面することになり、家庭内での介護のための人員不足が深刻化すると予想 されている。

このため上海市では現在、各地区の計画生育政策の中心を、老人へのサービスや障害児を持つ家庭および子供を亡くした家庭への補助、経済的に困難な 一人っ子家庭への援助などへ転換するとともに、看護・介護保険制度の確立や資金問題の解決策を模索するなど、社会保障システムの整備に力を入れているとい う。(翻訳・編集/HA)
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[人材派遣セクター]フルキャストは引き続き売り殺到状態、社名変更控えたグッドウィルに連想買いも

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フルキャスト(4848)が再度の業務停止命令を嫌気して売り殺到状態が続くなか、グッドウィル・グループ(4723)が逆行高。
目先筋の連想買いが向かった格好か。
グッドウィルは日雇派遣を廃業し、総合人材派遣サービスを指向。
明日には「ラディア・ホールディングス」への社名変更を控えている。
(A)
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外国人先生は「派遣」の仕事に 英語指導助手 国から民間へ

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 小中高校で英語授業を補助する外国語指導助手(ALT)を、人材派遣会社など民間に頼る教育委員会が広がっている。名古屋市は国が仲介する外国人 青年招致事業「JETプログラム」を通じた採用を打ち切り、今月から人材派遣会社に一本化した。採用の手間が省けることや給与の安さが理由だが、質の確保 など問題点を指摘する声も上がる。

 95人のALTがいる名古屋市は2003年から民間委託を導入。今年の1学期が終わった7月末、JET出身7人の契約期限に合わせてJETを通じた採用を打ち切った。岐阜市もALTを4人から22人に増やした昨年9月、人材派遣会社と契約を結んだ。

 民間に傾く理由は、雇用管理や住居探しなど生活の面倒を見る必要がない▽賃金がJETより月数万円安い▽トラブルがあれば交代要員をいつでも出してくれる-など。岐阜市教委の担当者は「雑務は派遣会社に任せ、現場の教育に力を注ぎたい」と話す。

 文部科学省によると、ALTのうち、JET出身者は年々減る一方、JET以外は2004年から3000人以上増えた。だが、ALTの人数が増加するにつれ、質の低下を懸念する意見もある。

 名古屋市と派遣契約を結ぶ人材派遣会社は「(語学学校大手の)NOVAの破たんで日本の評判が下がり、ALTが中国や韓国に流れている。質と人数 の確保を両立するのは難しい」と漏らす。今年7月には、岐阜県山県市に派遣されたALTが入管難民法違反(不法残留)で逮捕される事件も起きた。

 名古屋市は指導力を向上する研修計画などを提案させるプロポーザル方式を導入し、「値段が安ければいいというわけではなく、質の確保を図っている」と話す。岐阜市も同じ方式で、条件に「できる限り教育の経験や知識を有する」との項目を加えている。

 しかし、採用基準は各自治体に任され、誰が来るかは業者任せなのが実情。文科省国際教育課の担当者は「JETを活用してほしいのが基本。質の確保はもちろんだが、現時点では採用の基準づくりは考えていない」としている。

 【外国語指導助手(ALT)】 話せる英語を身に付けようと国が1987年から始め、財団法人・自治体国際化協会が運営するJETプログラムを通 じて各地に外国人が派遣されてきた。昨年度は全国で1万2483人。JET以外に、自治体が地域に住む外国人を直接採用したり、人材派遣会社からの派遣、 語学学校に委託するケースがある。


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U・Iターン:大歓迎 県庁南別館に「職業紹介所」開設 /富山

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◇電子メールや電話でも情報

 県は29日、県庁南別館の労働雇用課内に、県外で暮らす富山出身の大学生や社会人、富山での就職を希望する県外出身者向けの「県U・Iターン無料 職業紹介所」を開設した。斉藤俊明・県商工労働部長は「少子高齢化で優秀な人材の確保は急務。人材流出の防止につながってほしい」とあいさつ。職員が看板 を掲示した。

 県によると、県内の高校卒業者約1万人のうち、就職組・進学組計約3000人が他県で就職する。県は05年ごろから、首都圏で就職セミナーを実施。県出身者や富山への移住を望む都市部の人たち向けに、U・Iターン就職の支援に取り組んでいる。

 紹介所の職員は4人。登録者に対し、電話や電子メールで就職イベントの案内や求人情報を定期的に提供する。帰省中の学生らの就職相談も受け付けるほか、他県出身の「Iターン」希望者の就職相談にも応じる。

 利用は平日の午前9時~午後5時。相談は事前予約が必要。問い合わせは同紹介所(076・444・8897)。【茶谷亮】

毎日新聞 2008年9月30日 地方版


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知的生産人材の採用コンサルティング(株)D・F・S 海外研究人材の人材紹介サービスを開始

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大学院生および院卒社会人を中心とした採用コンサルティングサービスを展開する「(株)D・F・S」(東京都渋谷区、林信長 代表取締役: http://www.d-f-s.biz  )は、Bio-Info-Design ,Inc社(アメリカ メリーランド州 村磯 鼎 代表取締役)と業務提携を行い、アメリカ西海岸・東海岸の主要大学に留学している大学院生・研究者を中 心とした海外研究人材および海外技術系人材の人材紹介サービスを開始しました。


■背景
 これまで、学部卒業者(帰国子女)を主対象とした日本企業による文系バイリンガル人材の採用は活性化している一方で、理系の海外研究者(博士号取得者)や海外にて就業中の技術系人材の採用が円滑に行われていない状況がうまれていました。
 その理由としまして、現状の日本企業による海外人材採用活動が主に22~26歳程度の文系学生に焦点を当てている結果、日本企業に就職を希望する研究者 や技術系人材(27~40歳)がこれら文系バイリンガル人材と同じ採用市場に参加することに対して、年齢や能力的な側面から非効率を感じているという状況 があげられます。
大学院生・研究者を中心に採用支援を行ってきたDFSでは、このような背景とこれらの海外研究・技術人材からの要望を踏まえ、ライフサイエンス系を中心と した海外研究人材と企業とのマッチングイベントの提供実績と海外研究者のネットワーク構築にノウハウのあるBio-Info-Design ,Inc社と提携し、就職を望む工学・理学・医学といった幅広い分野の海外研究・技術人材を対象とした人材を日本企業に紹介するサービスを開始いたしま す。


■海外研究人材/技術人材の人材紹介サービスの特徴
<紹介人材層>
大学院卒以上の理系人材を中心に紹介
物理系研究者(材料、物性、各種コンピュータシミュレーション、etc)
化学系研究者(有機合成、化学工学、高分子、化工シミュレーション、etc)
情報系研究者(人工知能、自然言語処理、データマイニング、各種解析、etc)
ライフサイエンス分野(NIHをはじめとする各機関研究者や臨床開発医)
企業での就労経験のある技術者

<海外理系研究人材および技術人材の特徴>
・ 国際水準の最先端の研究開発推進能力
・高いプロジェクトマネージメント能力:海外研究機関では研究プロセスのマネージメントが非常に重視されることから、海外研究・技術人材の中にはプロジェクトマネージメントなどの実務的観点が備わっている人材が多く存在します。
・協調性:海外の研究ではチームワークによる作業が重視されます。海外研究・技術人材の中には協調性がある人材が多く存在します。

<海外研究・技術人材を採用することによるメリット、期待>
・実験の取り進め方法や積極的にディスカッションに参加する姿勢などが他の研究者に非常によい影響を与えている(:大手製薬メーカー人事部)
・英語文献から最新の技術情報を読み出すことに慣れているため、技術の流れがはやいIT業界において最先端の情報をつねに社内にもたらしてくれている。(:開発系ITベンチャー)
・事業展開上、海外企業との共同研究やアライアンスが欠かせないことから、幅広くグローバルに活躍してくれることが期待できる(:大手メーカー)
・海外で研究を行うということは最先端分野で研究を行うという意欲を持つということの現われでもあり、その能力だけでなく意欲にも非常に期待する。(:大手メーカー)
・研究開発の即戦力人材として期待(:ライフサイエンス系ベンチャー)

<人材紹介方法>
基本的に帰国時期にあわせて面談を設定する方法ですが、希望企業には遠隔テレビシステムを使用して遠隔面談を行うサービスも提供します。
また、Bio-Info-Design ,Inc社開催のイベント(CPP2008 @ Boston11/1~2にかけて開催: http://www.bid-cpp.com/ )の参加者のうち、(株)D・F・Sの企業紹介サービスを希望する参加者に対して求人を紹介することも可能です。他には、会場での企業パンフレットの設置/配布などのサービスも行います。


【本件に関するお問い合わせ先】

info@d-f-s.biz または 0120-628-022まで

《関連URL》
http://d-f-s.biz/
http://www.acaric.jp/
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外国人労働者15人、クボタ提訴「一方的に雇用期限」

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大手機械メーカー・クボタ(本社・大阪市)の契約社員の外国人労働者15人が30日、「偽装請負で働かされた上、一方的に雇用期限を定められたのは不当」として、契約期間の定めのない従業員としての地位確認を求め、大阪地裁に集団提訴した。

 訴状によると、原告団は同社の大阪市内の工場で請負会社の従業員として働いていた日系ブラジル人や中国人らで、2007年4月に2年間の期限付きでクボタに直接雇用された。

 請負会社在籍時からクボタの指示・命令が日常的で、就労実態は偽装請負になっており、クボタとの間に暗黙の雇用契約が成立すると主張している。

 クボタ広報室の話「訴状を見たうえで、法廷の場で当社の考えを主張する」

2008年9月30日 読売新聞)

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外国人の日本旅行、平均支出は24万円 JNTO調べ

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 日本政府観光局(JNTO)がまとめた訪日外国人の消費動向調査によると、1回の日本旅行での消費額は1人あたり平均約24万2000円だった。航空運賃など訪日前に支払った費用を除く「滞在中の消費額」は11万8000円だった。

 調査したうちの主な15カ国・地域で「滞在中の消費額」が最も多かったのは、インドからの旅行者で約17万5000円だった。フランス(約15万 7000円)、米国(約15万円)が続いた。最も少なかったのは韓国で約6万8000円だった。比較的近くから来る人は、滞在日数が短めになる傾向があ り、こうした差が付いたようだ。「土産代」では中国と香港からの旅行者が平均8万円台で、3位の台湾に約2万円の差を付けた。

 調査は2007年12月9―20日に面接方式で実施。成田空港や関西国際空港など国内の主要8空港で、出国直前の4659人から回答を得た。(11:59)


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NTT西、マイスター制度を本格展開-人材不足に対応

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 NTT西日本は50代以上の社員を専門家として認定する「マイスター制度」を、グループ子会社の50―60歳の社員全員に導入する。対象はNTTネオメ イト、NTT西日本―ホームテクノ6社、NTT西日本―東海などの地域会社8社で、人数は約3万人となる。以前から指導者向けに同制度を運用しているが、 認定者は100人余りにとどまっていた。今回の本格導入により、高度な技術や経験を持つ人材の活用を進めるともに、今後の人材不足に対応する。
 08年度後半に50―60歳の全員が、それぞれどの分野の専門家になりたいかを決め、独自のキャリアプランを策定。一定の基準を超えた社員を専門家と認定し、60歳以降も再雇用する。NTT西日本では対象者をグループ全社に広げることで、再雇用の判断基準を明確にする。
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クボタ:偽装請負の外国人労働者が雇用形態変更で提訴

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大手機械メーカー「クボタ」(大阪市)が工場で長期間にわたって偽装請負状態で働いてきたとされる外国人労働者を、偽装請負問題対策で期間制限のあ る契約社員に雇用形態を変更したのは違法として、外国人労働者ら15人が30日午前、期限後も社員としての地位確認を求める訴訟を大阪地裁に起こした。 06年ごろに偽装請負状態にあることを指摘されたメーカーの多くがクボタと同様の雇用形態を採用しており、法的に最長3年の期限がある来年に雇用期限が 迫っていることから、裁判の結果は他メーカーの対応にも大きな影響を与えそうだ。

 訴状によると、原告は大阪市大正区にあるクボタの恩加島事業センター(工場)内で働くブラジル人やペルー人、中国人の契約社員ら15人。最も長い 原告は92年から、請負会社2社の社員として同工場内でエンジン製造などに従事。しかし、労働者を直接指示する偽装請負の状態にあることを労働局に指摘さ れたことを受け、クボタは07年4月、同社の工場で働く非正規労働者約650人を契約社員として直接雇用した。

 だが、雇用期間を半年ごとの更新で最長2年に制限。09年4月以降の身分について明らかにしていない。労働基準法は、期間のある雇用契約について3年以内に限っている。

 提訴した労働者らは、偽装請負が長期に及んでいたことから、「実態はクボタによる直接雇用が成立している」と主張。そのうえで、「クボタが一方的に契約社員にしたのは、不合理な労働条件の変更で無効」として、期限後も期間の定めがない社員として雇用するよう求めている。

 クボタは試験による正社員への昇格を図っているというが、登用の実態は明らかにしていない。クボタ広報室は「当社はそもそも偽装請負とは考えてい ない。労働局と見解の相違があった。訴訟については訴状を見たうえで法廷の場で当社の考えを主張する」としている。【日野行介、樋口岳大】


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中国調達:中国は日本の誇る「現場力」を学び取れるか

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誰も知らない中国調達の現実(31)-岩城真 

  日本製品を「安かろう、悪かろう」の代名詞から、低廉かつ高品質へと塗り替え、高騰する人件費と円高を乗り越えた改善体質を作り上げたのは現場力です。その現場力を担ってきた多くは、俗に「現場上がり」と呼ばれる団塊世代の技術者たちです。

   日本の改善体質の根源である現場力は、ブルーカラーとホワイトカラーとが一体となることで生まれます。技術の管理者であるホワイトが、技能者(ブルーカ ラー)の作業に対し尊敬の念を持っていなくてはなりません。「現場上がり」と呼ばれる管理者は、実際の現場作業を知っています、そして自身の原点である現 場作業に誇りを持っているはずです。また、現場経験のない技術者も自身とは異なる能力を持つ作業者に対し、敬意を持っていたはずです。

   一方、ブルーカラーは指示を待ち、指示されたことだけしかやらない、ロボットではなかったはずです。現状に疑問を持ち、自分で考え、提案し、改善してい く体質が現場にあったはずです。そのような土壌があったからこそ、「現場上がり」と呼ばれる優秀な管理者を輩出することができたのです。

  ホワイトカラーとブルーカラーが一体となり、理論と実際が融合することで、日本の技術は進化してきたのです。

   中国の多くの工場には、団塊世代の日本の技術者たちが多く活躍しています。今、中国は日本がかつて経験したように、人件費の高騰、人民元高に直面してい ます。「世界の工場・中国」の看板を掲げ続けるためには、この逆風を乗り越えなくてはなりません。そのためのヒントを彼らは持っています。もちろんかつて の日本と今の中国は、同じではありません。そのことは、中国にいる日本の技術者が一番痛切に感じていることだと思います。

  中国の技術者は高度な理論をよく理解していると思います。理論は普遍です、変わることはありません。しかし実際の「モノ」は、様々な外部環境により変わります。その変化を知るには現場に行き、現物を見てなくてはわかりません。そのことで、問題解決が実現できるのです。

   初歩的な在庫管理においても、納品書と出庫伝票を見るだけでは実際の「モノ」は管理できません。現場に行き、実際の「モノ」を自分で数えて在庫管理が実 現するのです。こんな初歩的なことでさえ、徹底・定着させることは容易ではありません。日本で育てばあたりまえに身につく感覚が、身についていないので す。それは個人の資質の問題でありません。しかし、だからといってあきらめてはいけません。愚直なまでにあたりまえのことがあたりまえに実現できるよう に、指導するのです。

  しかし日本の手法をコピーしたり、リバイバルしたりするだけでは、日本を越えることはもちろん、現在のポジションを維持することもできません。大切なのは自ら動き、考える改善体質を中国ナイズさせることです。

   私は中国の技術者にたえずお願いします。データをオープンにしてください。オープンにすることで、より多くの目で検証できます。そして現在を否定される ことを、恐れないでください。人が生まれたときから老化が始まるように、新しい工法、手法も発案された時から陳腐化が始まります。恥じるとすれば、陳腐化 を放置したまま、現実を箱の中に仕舞い込んでいることです。

  団塊世代の技術者と仕事をする若い技術者に私は話します。彼らいっしょに仕事をし、直接指導を受けられることを、ラッキーだと思ってください。もう10年もすれば、そんな機会はなくなってしまいます。もちろん私もラッキーだと思っています。(執筆者:岩城真)

  中国企業、 特に旧国営系であったりすると、工程で不具合が発生した時、クレーム品として返却された製品を分解する時、あるいは試運転調整時に、ズボンのポケットに手 を突っ込み遠巻き眺めている技術者(管理者)たちの姿をよく目にします。これを見ると、私はどうしても「ブルーカラー(製造現場)とホワイトカラー(設 計、技術)の溝」を感じてしまいます。

  もちろん日本でもこの溝の広がりは確実に進行しているように感じていますが、ある意味中国の製造工場の方が先行しているように感じます。

  現在の中国は、日本以上に学歴が重要視される社会です。製造業では大卒=ホワイトカラーと、高卒以下=ブルーカラーの図式があります。

   私の担当するあるサプライヤーが、2人の大卒を採用しました。1-2年もすれば、管理者として工場運営の一翼を担ってもらう人材です(中国では「将来の 幹部」などといった、悠長なことは言いません。求めるのは即戦力です。優秀であればあるほど独立し一国一城の主となるか、よりよい給与と待遇を求め転職し ます)。 総経理(社長)の考えで、1年は旋盤工として実習させようとしました。残念ながら、1カ月ちょっとで2人ともドロップアウトです。

   こんな例もあります。日系の工場で、大卒を採用しました。工場ですからホワイトカラーといっても、総経理以下、普段は作業服を着ています。しかしその新 入社員は、当初頑なに作業服の着用を拒みました。彼の言い分は「作業員として採用されたのではない。汚れるような仕事はしない」。結局、「作業服ではな い。制服だ。着用できないならクビだ」。そう言って、着用させたそうです。

  作業服を着用する意味は、二つあります。一つ目は、現場に 入ったときの衛生上(業種により着衣を汚さないためと、汚れを持ち込まないためがある)と安全上(例えばネクタイをして旋盤の前に立ったら危険である)の 点によるもの。二つ目は、組織としての一体感を維持するためです。日本の工場では、総務、経理といった職種の人でも作業服を着用しています。ブルー、ホワ イトの一体感を重視しているのです。

  いずれの例も、中国のホワイトカラーの歪んだプライドを垣間見た気がしました。設計者は図面を描 くとき、どのように加工して作るのかをある程度考えながら図面を描かなくてはならないと思います。しかし現実の製造現場を知らなければ、正しく想定するこ とは出来ません。それどころか、どのように作るかを考えるという発想さえ生まれないでしょう。それは設計者に限ったことではありません。生産技術はもちろ んのこと、品質管理、工程管理な、どすべての技術者(ホワイトカラー)が現場に立ち、作業者(ブルーカラー)と同じ目線(手を油で汚しながらも実際の製品 に触れる)になったときにしか見えてこないものがあります。

  ブルーとホワイトの乖離は、出来るはずのない図面、基準、標準が作られ、 図面や基準と異なる「偽」の製品を生産する工場を生みます。中国の工場で、時間をかけて管理者と議論して決めたことが現場では実施されず、定着しないとい うことが良くあります。その原因を作業者にだけ求めても、解決の糸口はつかめません。実際の製造現場を作業者の目線で見ることなく作られたものは、実際の 「餅」ではなく、「餅の絵」だったのかもしれません。

  中国は日本の何十年か後から猛烈な勢いで追い上げて来ています。それは、良いこ と(技術や社会システムの発展など)も悪いこと(公害など) もです。しかし、日本と同時に進行していること、先行していることさえもあるのです。もちろん、良いことも悪いこともです。

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麻生首相所信表明演説要旨

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【就任に当たって】
 日本は、強くあらねばならない。明るくなければならない。わたしは、日本と日本人の底力に、一点の疑問も抱いたことがない。 変化を乗り切って大きく脱皮する日本人の力を信じて疑わない。そしてわたしは、決して逃げない。自民党と公明党の連立政権の基盤に立ち、責任と実行力ある 政治を行うことを国民の皆様にお誓いする。
 【国会運営】
 先の国会で、民主党は、政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする 姿勢に終始した。民主党の標語の「国民の生活を守る」本旨を達するため、合意形成のルールを打ち立てるべきだ。民主党に、その用意はあるか。それとも国会 での意思決定を否定し、自らの信条をすら裏切ろうとするのか。国民は瞳を凝らしている。所信において、あえて喫緊の課題についてのみ主張を述べる。その上 で、民主党との議論に臨むものだ。
 【着実な経済成長】
 日本経済の立て直しに三段階で臨む。第一段階は景気対策。今年度内に定額減税を 実施する。2008年度補正予算案の成立こそ焦眉(しょうび)の急だ。民主党は検討の上、のめない点があるなら代表質問で示してほしい。独自の案を提示さ れるも、もちろん結構。ただし、財源を明示していただく。
 第二段階は財政再建。国・地方の基礎的財政収支を2011年度までに黒字にする目標は、達成すべく努力する。しかし、経済成長なくして財政再建はない。麻生内閣の目的は、日本経済の持続的で安定した繁栄にこそある。
 第三段階として、改革による成長を追い求める。「新経済成長戦略」を強力に推し進める。日本経済は全治3年。3年で日本は脱皮できる、せねばならぬと信じる。
 【暮らしの安心】
 「消えた年金」「消された年金」は、手間と暇を惜しまず、確かめ続けていくしか方法はない。不祥事を行った職員に対しては、厳正なる処分を行う。年金等の社会保障の財源をどう安定させるか、道筋を明確化すべく検討を急ぐ。
 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)が、説明不足もあり、国民をいたずらに混乱させた事実を虚心に認め、強く反省する。しかし、制度をなくしても解決しない。高齢者に納得していただけるよう、1年をめどに、必要な見直しを検討する。
 救急医療のたらい回し、産科や小児科の医師不足、妊娠や出産費用の不安、介護の人手不足、保育所の不足を、1日も早く解消するよう努める。困っている若者の自立を支援する新法を検討する。最低賃金の引き上げと労働者派遣制度の見直しも進める。
  事故米流通を見逃した行政に対する国民の憤りは当然至極と言わねばならない。幾重にも反省を誓う。再発を絶対に許さないため全力を挙げる。消費者庁には、 商品に重大な事故が起きた場合、販売を禁止する権限を持たせる。消費者庁創設に賛同いただけるのか否か、民主党に問う。
 【簡素にして温かい政府】
 無駄を省き、政府規模を縮小するのは当然だが、政府の効率化は国民の期待に応える政府とするためだ。官僚は、わたしの内閣にとって敵ではない。わたしが先頭に立ち、彼らを率いる。
 【地域の再生】
 地域の活力を呼び覚ますことを目指す。国の出先機関の多くを地方自治体に移し、最終的には地域主権型道州制を目指す。50%の食料自給率を目指し、この過程で、農業を直ちに保護の対象ととらえる発想は捨てる。攻めの農業へ、農政を転換する。
 【持続可能な環境】
 成長と両立する低炭素社会を世界に先駆けて実現する。環境・エネルギー技術には新たな需要と雇用を生む力があることを踏まえ、これを育てる。世界で先頭をゆく環境・省エネ国家として、国際的なルールづくりを主導する。
 【誇りと活力ある外交・国際貢献】
 日米同盟の強化を第一に、中国・韓国やロシアをはじめアジア・太平洋の諸国と共に地域の安定と繁栄を築く。北朝鮮の拉致、核、ミサイル問題を包括的に解決する。すべての拉致被害者の一刻も早い帰国の実現を図る。
 日本外交の軸足を日米同盟から国連に移すといった発言が、民主党の幹部から聞こえてくる。日米同盟と国連を、どう優先劣後させようとしているか。民主党には明確にする責任がある。
 テロとの闘いは、まだ到底出口が見えていない。国際社会の一員たる日本が、海上自衛隊によるインド洋での補給支援活動から手を引く選択はあり得ない。
 【おわりに】
 本院に求めるのは与野党の政策協議だ。時間を徒費することは、国民に対する責任の不履行を意味する。今、景気後退の上に米国発の金融不安が起きている。補正予算案を速やかに成立させることが政治の責任だ。民主党に国会運営への協力を強く要請する。
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"重要思考"でSEからコンサルタントへ - K.I.T.虎ノ門大学院 三谷宏治氏

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SEは、コンサルティングスキルを磨け

「システムエンジニアは、ITという専門性を持ちながら、会社の全業務に広く関わるという特異な存在。これは、あらゆる業務に精通したオールマイ ティな存在になる可能性を秘めている反面、下手をすれば、ユーザー部門に言われたことを翻訳して開発者に伝えるだけの伝言役に近い存在になるリスクも併せ 持っているということ」


そう語るのは、金沢工業大学のビジネススクールであるK.I.T.虎ノ門大学院で主任教授を務める三谷宏治氏だ。三谷氏は、1987年から1996 年までボストンコンサルティンググループ、1996年から2006年まではアクセンチュアで、経営戦略コンサルタントとして国内外数十社のプロジェクトに 携わってきた人物だ。さらに、2003年から2006年までは、アクセンチュア戦略グループの統括エグゼクティブ・パートナーを務めるなど、トップクラス のビジネス・コンサルタントとして知られている。

三谷氏が指摘するように、システムエンジニアのキャリアパスは明確になっているとは言いがたい。日々進化する技術を追いかけながら、広く深い業務知 識をも習得していかなければならないという状況では、自然と受け身の対応をとってしまいがちだ。しかし、三谷氏は、「そうしたなかでこそシステムエンジニ アは、キャリアチェンジを常に意識すべきであり、特にコンサルティングスキルを磨いていくことが大切だ」と説く。

「コンサルタントの語源は、共に座る者といった意味となる。つまり、企業にとってコンサルタントとは、企業のよりよき意思決定をアドバイスし、その 実行を支援する者と言える。すべての業務を俯瞰できる立場にあるシステムエンジニアや情報システム部門の人々には、そういったスキルが求められているし、 かつ、持ちうる貴重な存在であると言える」


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観光庁:あす発足 初代長官に本保氏

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金子一義国土交通相は30日、国交省の外局として10月1日に発足する観光庁の初代長官に、同省の本 保芳明総合観光政策審議官(59)が就任すると発表した。本保氏は観光行政の「顔」として、10年までに訪日外国人旅行者を1000万人に増やす政府目標 の達成などを目指す。本保氏は現職で観光行政の実務を取り仕切ってきたうえ、日本郵政公社理事時代に経営感覚も身につけていることから、適任と判断され た。ただ、官僚の起用は、野党の批判を招く可能性もある。【太田圭介】

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 本保芳明氏(ほんぽ・よしあき)東京工大大学院修了、74年旧運輸省入省。日本郵政公社理事などを経て07年7月から国土交通省総合観光政策審議官。新潟県出身。

毎日新聞 2008年9月30日 東京夕刊

 国土交通省の外局として観光庁が1日発足する。01年の中央省庁再編の後、「庁」が新設されるのは初めて。観光立国の実現に向け関係省庁の総合調整を担い、10年までに訪日外国人旅行者を1000万人にする目標の達成などを目指す。

 観光庁は、国交省内の関連部署を再編し定員を79人から103人に増やして新設される。海外からの観光客を増やすため、競争力のある観光地を整備するとともに、海外に向けて日本観光の魅力を発信する。

 訪日外国人旅行者は、官民挙げた「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の効果で毎年10%前後の伸びを示している。07年は前年比13.8%増の835万人と、1000万人の目標達成は視野に入っている。

 このため、観光庁は「2020年までに2000万人」という新たな目標も設定する見通しだ。実現した場合、外国人旅行者の消費額は4.3兆円、直 接的な雇用効果は39万人と、いずれも06年の約3倍に増えると試算されている。ただ、大幅に増える外国人旅行者の受け入れ態勢は十分か、中国など新興国 からの旅行者に厳しいビザ制度の緩和は可能か--などといった課題も指摘されている。【位川一郎】


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取材ノート:アジア大旅行時代、日本の海外旅行市場が生き残るためには

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9月18日に開催されたJATA国際観光会議で、各業界から迎えられた講演者がこの数年著しい成長を遂げているアジア旅行市場の現状と今後の予想、日本市 場の展望について語った。中国をはじめとする諸国の成長の現実を捉え、成熟した日本市場を活性化し、新たな旅行需要の創出への糸口を見出すことができるか ――。
                                                                            
▽デスティネーションとソースマーケットの2面性をもつアジア諸国

  太平洋アジア観光協会(PATA)ジョン・コルドフスキ氏は世界観光機関(UNWTO)のデータを用いて、およびアジア各国の現状を伝えた。UNWTOが 発表した2008年の海外旅行者数の成長率予測によると、世界平均が前年比3%増から4%増(2007年は6.1%増)であるのに対し、アジア太平洋地域 は8%増から10%増(2007年は10.2%増)で、全世界的に成長が減速傾向にあるなかで、アジア太平洋地域はほぼ前年並みの増加が見込まれている。 また、アジア諸国はデスティネーションであると同時にソースマーケットであることを指摘し、PATAでは2010年までの3年間、アジアのインバウンドは 毎年8%増加し、3億5000万人に達すると予測している。

 特に実数では中国、シンガポール、マレーシアの伸びが顕著で、上位10位以 内には韓国やタイ、香港も入る。一方で日本人旅行者数の割合は縮小しており、コドルフスキ氏は、交渉力の低下をキーワードに挙げた。アジア諸国の市場が成 長するなかで、「デスティネーション側は、減少した日本人旅行者を増加させるよりも、中国などから旅行者を獲得することに注力する」とし、「日本人が望ま れていないわけではなく、他に成長の早い市場があるからだということ、そしてデスティネーションとして単一のマーケットが破綻するのを防がなければならな いことを理解しなくてはならない」と伝えた。

 さらに、コルドフスキ氏は今後、航空会社のM&Aが進むと予想。現在は利益をあげなくとも政府の援助がある安心感から非効率な運営をする航空会社があり、そうした企業は淘汰されていくだろうと述べた。


▽新たな休暇制度の導入で更なる成長が予想される中国海外旅行市場

  中国国際旅行社総社(CITS)副総裁の劉桂香氏によると、中国の海外旅行市場はこの数年、毎年平均で約22%の成長を続けている。2007年には中国政 府が認可した渡航先は134ヶ国となり、香港とマカオを含めた海外旅行者数は前年比18.6%増の4095万4000人にのぼった。渡航先としては引き続 き、香港、マカオ、ベトナム、韓国、日本など近距離を中心に人気が高かく、日本への訪問者数は20%増の150万人。また、ヨーロッパやアメリカなども伸 びてきているという。そして、今年から休暇制度が導入され、2週間の休暇取得が法によって定められた。雇用主の都合により取得できない場合は3倍の給与を 支払わなくてはならないとされており、海外旅行市場の拡大も後押しするとみられる。

 2006年の旅行者の構成は女性が54.8%、男性 が45.2%で、年齢層では18歳から30歳までが45.9%、31歳から50歳までが35.1%で、若い世代が積極的に海外旅行をしている。また、一世 帯あたりの1ヶ月あたりの収入は1万元(約15万5000円)以下が44%で最も多く、1万元以上3万元(約46万5000円)未満が38%。海外旅行を する理由は、「見識を深めたい」(27.9%)、「心身のリラックスのため」(22%)など、経済成長が著しい背景が反映されているという。

  旅行形態は周遊型のパッケージ商品の利用が主流で、訪問地の数に比例して見識が広がるという考え方があるようだ。また、移動やビザのコストから一度の旅行 で可能な限り多くの土地を訪問したいという意見が多い。一方で、ロングステイやテーマ性の強いツアー、ラグジュアリー商品の需要も富裕層を中心に注目され はじめている。そのほか、MICE市場も堅調に推移している。

 現在の課題として、旅行会社間の価格競争、渡航先での中国人旅行者の素行、旅行会社に対する法規制の不完全性などが挙げられる。これに対し、政府は旅行関連の法制度の整備などに努めており、少しずつ健全な市場へと変化してきているという。


▽日本市場の仕入環境の変化と今後の展望

  こうした環境において、中国国内の欧米系4ツ星から5ツ星のホテルは送客数に応じて国籍ごとに料金を設定しており、中国市場が最安値とは限らない状況にも 関わらず、中国人の利用占有率は大幅に拡大している。その一方で、日本人海外旅行市場は旅行者数の伸び悩みによる仕入ボリュームの減少、間際販売や直販の 拡大などにより、中国における日本市場のプライオリティは低下し、仕入交渉が難しくなっていくと予想されるという。これは中国にのみいえることではない。 JTB CHINA董事長の吉村久夫氏は今後の仕入戦略について、(1)仕入先の選択と集中(2)実績を残した上での仕入れ交渉(3)オフシーズンへの送 客協力などサプライヤーへのメリット提供(4)日本以外の旅行会社との共同仕入の4つを立て「グローバルマーケットの動向を常に意識し、地域にあった仕入 戦略の構築が大切」と述べた。


▽日中韓の連携で相乗効果をはかり、海外旅行市場の活性化を

  もうひとつの成長市場である韓国は、1995年から2007年までの間、平均で年10%の成長を遂げている。旅行者はシニア層と女性層がメインで、特に個 人旅行の需要が拡大。今年は燃油価格の高騰などの影響で状況は厳しく微減するのではないかとの見方もあるが、2010年までの3年間で13%の成長が予想 されている。2007年の渡航先は中国が477万7000人(35.8%)、日本が260万1000人(19.5%)とこの2国で55.3%を占め近距離 のデスティネーションが好まれていることがわかる。

 ハナツアー代表理事兼社長のクォン・ヒーソク氏は「日本、中国、韓国の3国が連携し て相乗効果をはかることが大切だ」と言及。今後の展望として、オープンスカイ政策によるLCCビジネスの拡大で旅行費用が減少し、燃油価格の高騰により近 距離旅行が増加する。日本と韓国の高齢化で余暇が拡大し、アウトバウンド市場はさらに伸びるとした。


▽コンチネンタル航空の中国、インド、日本における戦略

  来年のスターアライアンスへの加盟を予定するコンチネンタル航空(CO)は95年以降、ヒューストンをハブにネットワークを拡大し、運航する都市は国内外 のバランス重視し、改善に成功した。機材を比較的小型の3種類に限定しコストを削減、様々な路線に柔軟に対応できるようにし、日本をはじめアジアの都市に も数多く就航している。

 中国はビジネスとレジャーの双方でアメリカへの需要が高く、10日間で多くの都市を周遊する30年前の日本の旅 行スタイルと同じ傾向がみられる。太平洋路線はニューヨークにベースとする戦略で、この10年間で中国/ニューヨーク間の市場は2.5倍に拡大した。成 田、北京、上海で比較すると、依然として成田が圧倒的に供給量は多いが、2003年のSARS以降は北京がとくに伸びている。CO日本支社長のチャール ズ・ダンカン氏は「今後もニューヨークをハブにしながら、中国でグアム線を開設したい」と語る。インドでは、05年11月にニューデリーに、07年10月 にムンバイにそれぞれ直行便を就航。毎日1200人をインドからニューヨークに運んでおり、直行便の需要は現在も拡大しているという。

  現在COは、ロタ島へのチャーター便やビジネスクラス商品などターゲットを絞り特化した商品と品質へのこだわりが奏功しているとみている。今後も、ニュー ヨーク、南米、ミクロネシアの3路線に重点をおいて展開する方針だ。またダンカン氏は、2010年の首都圏空港発着枠の拡大の際に、成田の集客力を失わな いためには空港へのアクセス改善が必要と言及した。具体的な例として日本橋から30分で行けるように、とした。さらにLCCについてはマーケットへの参入 により競争力が求められるようになり、全体が活性化すると前向きな姿勢を示し、LCCは機材の老朽化などの要因から相対的にみてそれほどローコストではな くなりつつあるのではないかとの見解を示した。

 中国を中心にアジアの海外旅行市場は今後も拡大する見通しで、その影響を受け、成熟した 日本市場の価値が低下してきている。しかし、これは新たな商機を生み出す機会でもある。この機会を上手く捉え、他国を意識し、競争だけではなく協力の姿勢 で、これまでとは異なるビジネスモデルを構築しなければならない。
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ベトナム・スイスとのEPA大筋合意、09年にも発効へ

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 政府は29日、日本とベトナム、日本とスイスの間でそれぞれ、関税撤廃などを盛り込んだ経済連携協定(EPA)の締結交渉で大筋合意に達したと発表し た。署名や国会承認を経て、来年にも発効する見通しだ。これでEPA締結は計11カ国・地域となり、「骨太方針2008」で掲げた「09年初めまでに12 以上」との目標に道筋ができた格好だ。

 ベトナムとのEPAでは、今後10年間で貿易額の約92%で関税がなくなる。日本からの輸出では、現地で調達困難な自動車・家電用の部品や素材などにつ いて大幅に自由化される。ベトナムからの輸入では、今後エビや冷凍タコなどが無税になる。さらにベトナムから日本への看護師・介護福祉士の将来的な受け入 れも、協議を継続することを確認した。

 欧州諸国とは初となるスイスとのEPAでは、両国とも先進国であることから10年以内に貿易額の約99%で関税を撤廃する。日本やスイスで生産されたこ とを証明する「原産地証明」について、商工会議所などの第三者証明制度に加え、認定輸出者による自己証明制度も導入する。
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訪日中国人向けサービスで提携=第1弾はPHS貸し出し-ウィルコムと百度

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PHS専業のウィルコムと中国インターネット検索サービス最大手の百度(Baidu)は30日、観光や仕事で日本を訪れる中国人を対象とした携帯端末情報 サービスで提携すると発表した。年内にPHSの貸し出しやコールセンター運営を開始。将来はショッピングや食事などの具体的な情報を中国語で容易に得られ るようにする。
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「汚染」嫌気の中国人、乳製品求めべトナムへ

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 中国と国境を接するベトナムの町を、多くの中国人が安全な乳製品を求めて訪れている。中国国内で有害物質メラミンの混入した粉ミルクが問題になって以来、日本や米国の製品を買い求めようとする動きが目立つという。29日付のタン・ニエン紙が伝えた。  中国人が訪れているのは雲南省と接する越北部ラオカイ。ハノイの北西約240キロメートルに位置する同地は国境貿易が盛んで、日米の粉ミルクのほか韓国やオランダなどの製品が売られている。(10:46)
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第3回 学生諸君、「就活としての勉強会」に参加せよ

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先日、「エンジニアの未来サミット」というイベントに、パネリストとして参加した。

 そもそものきっかけは、『「10年は泥のように働け」「無理です」――今年も学生と経営者が討論』という記事だ。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が開催した討論会で西垣浩司理事長の言葉にかみついた形の記事。IT産業で働くとはどのようなことなのか、考えるきっかけになる。

 本連載「初めての勉強会」では、技術者としてどのようにサバイブしていくか、その手段として、「勉強会」をどのように利用し尽くすのかということをテーマの1つとしている。

 上記のようなイベントも、どのように技術者としてキャリアアップしていくか、どのようにサバイブするかという観点からの議論を含むので、あながち無関係というわけでもない。

 今回は、勉強会の参加・開催という本来の連載の趣旨とはちょっと離れて、技術者としてサバイブするためにどのように勉強会を利用し尽くすのかを、「学生の視点」から考えてみることにする。

学生だって勉強会へ行こう

 今回のようなテーマを書く直接的なきっかけは、上記のイベントに参加して、ギークのおじさんたちが勝手なことを話しまくり、学生の言葉を十分聞けなかった、という反省点からきている。

 ここでは、就職活動をしている学生向けに、勉強会をどのように利用するのかを個別具体的に説明する。

  就職活動時は、情報が必要だ。だが、組織と個人という軸で考えた場合、情報の非対称性、すなわち、必要な情報の量や質はどうしても組織の中に蓄積される傾 向にある。個人で入手できる情報には限りがある。まして社会人経験のない学生にとっては、何が必要な情報なのか、どのようにして必要な情報を入手するの か、その方法論すら十分明らかになっているとはいえない。

 自ら積極的に「エンジニアの未来サミット」やIPAの イベントに参加するような学生は、どのような情報が必要か自ら気付き、情報入手の必要性を理解し、実践しているのだから、問題はない。しかし、そうではな い普通の学生には、就職活動時にどんな情報が必要で、どのようにして入手すればよいかは分からないだろう。

 そこで今回は、IT業界へ就職を希望している学生向けに「初めての勉強会」を考えてみた。題して「就活(就職活動)としての勉強会」だ。

就活メソッド

  OB/OG訪問で入社2~3年目の先輩を訪ね、お話を聞くというのが定番の就活メソッドである。企業説明会やWebなどのフォーマルな情報と違って、先輩 から話を直接聞けるというのは大きなメリットだ。しかし、OB/OGといっても、会社から「あまり業務に踏み込んだ話をしないように」「ネガティブな話題 はしないように」などとくぎを刺され、いかにその会社が素晴らしいかを売り込んでこい、といわれている可能性がある。

 サークルの先輩後輩であれば、学生時代から人となりをよく知っているので、「本音と建前だな」というのも分かる。しかし、ほとんど知りもしない先輩であると、その話のリアリティをどう評価するか、難しい部分がある。

 実際問題、入社2~3年の社員が会社全体の仕組みをどのくらい理解しているか、会社の上司がどのような仕事をしているのか、厳密に理解しているだろうか。心もとない部分がある。

 そこで勉強会である。

 勉強会は就活のためにあるのではない。何かを学びたい人が、学びたい項目について、自らの時間とエネルギーを割いて、自主的に集まって勉強する、そんな場である。普通はなかなか会えない人々がいる場である。

学生が勉強会に参加するメリット

 学生にとって、勉強会に参加するメリットとは何か。

  もちろん、勉強会には、対象としているテーマについて学べる、という直接的なメリットがある。しかしそれ以上に重要なことは、その問題についてのエキス パートと知り合いになれることや、さまざまな社会人、例えば経験豊富なベテラン中のベテランにも、社会に出て2~3年の若者にも、もちろん初心者にも、出 会うきっかけが得られることだ。

 OB/OG訪問だけではなかなか出会うことができない、幅広い層の社会人と知り合いになれるのである。このメリットについて学生はもっと意識した方がいいと思う。

  社会に出て働くとはどういうことなのか。会社で仕事をするというのはどういうことなのか。技術はどのように使い、どのような問題があるのか。なぜ勉強会に 参加するのか。なぜ勉強を続けるのか。多様な観点からさまざまなことが学べる。これは就活で得られる経験以上のなにがしかを、学生であるあなたに与えてく れるはずだ。すでに内定を得た人でも、そうでない人でも、勉強会に参加する価値はある。

 そして、勉強会での出会いをきっかけに、ひょっとしたらアルバイトやインターンの口を得るかもしれない。それが縁で就職が決まるかもしれない。

 そのような機会が勉強会には満ちているのである。

主催者・参加者にとって学生が参加するメリット

 勉強会も長いこと続けていくと、だんだんマンネリになる。参加者も固定化してくる。そうすると参加者のモチベーションも下がり気味になる。コミュニティとしての勉強会の平均年齢も少しずつ上がってくる。

 こんなとき、学生が参加すればどうなるか。初心者の参加により、勉強会本来の目的である「当該の話題について勉強をする」という原点に戻れるし、活性化にもつながる。ひょっとしたら、参加者の所属する企業で、必要としている人材が確保できるかもしれない。

 人材確保という観点からいえば、勉強会に参加するような学生であるから、その時点ではるかに積極性があると評価できるし、向上意欲が高いと見ることもできる。目的意識も高いであろう。人となりも勉強会での態度で大体分かるし、マッチングの機会としても悪くない。

 ただし、主催者側は意識して学生をリクルートしないと、なかなか彼らのアンテナに引っ掛からない。なんらかの仕組み作りを考えないといけない。

 勉強会を活性化するためには、適度な新陳代謝が必要である。そのために、意識して初参加の人をリクルートする必要がある。参加のハードルを下げるために、「学生さん大歓迎」というスタンスを取ることは、主催者にとってもメリットがある。


学生のうちに、企業の本音を見ておく

 このように、主催者・参加者・学生、すべてのプレーヤーにとって、「学生が勉強会に参加する」ことのメリットは存在するのである。

  就職して2~3年くらいの若手は、後輩に「学生時代は遊んでおけよ、海外旅行でもしておけよ」なんてアドバイスをする。しかし、勉強会に来ている30歳前 後の社会人、あるいは企業の中堅でバリバリ仕事をこなしている社会人は、学生時代にもっと勉強しておけばよかった、語学もちゃんとやっておけばよかった、 こういう勉強会が学生時代にあれば参加したかった、などという(あくまで、わたしの実感だが)。

 30歳前後の中堅の技術者の 話を信じるとするならば、学生時代に勉強会に積極的に参加して、いろいろな会社の人と知り合いになることは、メリットこそあれデメリットはほとんどないこ となのではないか。これほどローリスクな社会勉強はないのではないかと思う。就活としての勉強会参加メソッドを、ぜひ試してみてほしい。

 さらにいえば、学生であるメリットを十二分に生かし、プログラマとしてアルバイトをするというのも、一歩進んで社会を知ることになる。

  世の中には、いい会社もあればブラックな会社もある。アルバイトのいいところは、その実情を自分の経験として得られることである。アルバイトは就職してか らではできないので、いろいろな会社で、それこそ小さな会社から大きな会社まで、働いてみることは絶対に無駄ではないと思う。

 うわべだけの建前論ではない、企業の本音の姿が垣間見られるだろう。

参加すべき勉強会の見つけ方

 学生にとって、IT系の勉強会をどうやって発見すればいいのだろう。ITといっても、

  1. 基盤系技術(OSやコンパイラ、RDBMSなど)

  2. エンタープライズ系(企業の情報システムなど)

  3. ミッションクリティカル系(勘定系や、電力送電網などの社会基盤系)

  4. Webサービス系(Web 2.0?)

  5. 組み込み系(いろいろ)

など、いろいろある。

 自分が興味を持っている領域についての勉強会を選べば、その業界の専門家が参加している可能性は高い。とはいうものの、Linuxの勉強会に行ったからといって、仕事でLinuxを開発している人と必ず会えるというわけではないが。

 勉強会参加の方法については、本連載の第1回から目を通してほしい。

 あまり難しく考えずに、「IT勉強会カレンダー」 でも眺めながら、自分の興味とスケジュールに合う勉強会を見つけよう。主催者に、学生でも参加が可能かどうか聞いてみよう。通常、学生の参加は上述したと おり、主催者にとっても大歓迎のはずなので、特に問題はないと思う。その際、自分は初心者で専門的な事は分からないかもしれない、などと簡単な自己紹介を 付加しておくといいかもしれない。

勉強会当日

 課題の参考書があるのであれば、購入し、予習をしておく。勉強会によってはポジションペーパーを書くことが要求される場合もあるが、あまり固く考えることはない。主催者に詳細を問い合わせよう。特にそのようなものがない場合は、肩の力を抜いて参加しよう。

  学生の場合、名刺を持っていないことが多いが、プリンタで自作した名刺などを持っていくと自己紹介のきっかけになる。初対面の人と会うので緊張するかもし れないが、何事も経験である。大きめな文字で書いた名札を持参し、首から下げたり、自作の名刺を持っていって、初対面の人と名刺交換をしたりしよう。

 「ごあいさつをさせてください」といいながら、自分の名刺を相手に見えるように渡す。社会人であれば名刺をくれるので、元気よく「××です」と名前をいう。

 自分が学生であることをアピールしよう。話のきっかけになる。

 勉強会の席では可能な限り積極的に質問をする。あまりにもチンプンカンプンであって、どんな質問をしていいのかすら考えつかない、という人もいるだろう。だが、恐れることはない。

 君にも質問はできる。例えば、「わたしはこの分野にまったく詳しくない素人なのですが、お薦めの参考書や入門書があったら教えてください」というのはどうだろう。

 専門家が選んでくれるものは定番の教科書だ。素人が書店の本棚で、どれを読んでいいのか目まいを覚えながら立ちつくす必要はない。専門家に教えてもらうのが一番だ。

 次回までに、薦められた参考書を読んでおく。疑問点、分かったこと、分からなかったことなどを、また専門家に聞いてみよう。話がどんどんふくらむ。

 勉強会では質問するのが鉄則である。最低1回は質問をするように心掛けよう。

懇親会

 勉強会によっては懇親会がつく。アルコール付きの場合、未成年は参加できない。これは仕方ない。主催者に相談してみるのも手だと思うが、ケースバイケースだ。

  歓談の機会があれば積極的に参加しよう。参加者の人となりを知る機会にもなる。いくつかの質問も用意しておくといい。メタな質問として、「なぜこの勉強会 を始めたのか」「勉強会を開催していて良かったこと、悪かったこと」「失敗談、成功談」などもいいだろう。失敗談や苦労話に真実が宿るので、ぜひ聞きたい ところである。

ブログに感想を書く

 本連載でも何度か強調しているが、勉強会は帰宅後、ブログなどにまとめることによって完結する。名刺交換をした人にはお礼メールを書こう。その際に、感想を書いたブログのURLなどを記しておくと、いろいろなフィードバックがくるかもしれない。

  ブログに記すことによって、勉強したことの復習や、理解の整理になる。また、十分理解していないこと、誤解していることなども明らかになる。仮に間違った 理解をしていたとしても、ブログに記すことによって、勉強会の参加者や有識者から突っ込みや指摘が入るかもしれない。いずれにせよ、ブログを書くことは自 分にとってメリットが大きいので、欠かさないようにしたい。

 いろいろな勉強会に参加し、いろいろな人と出会う。勉強できて、人とも出会える。一石二鳥である。学生にとっても、勉強会の参加はとてもメリットのあることである。

まとめ

 就活としての「初めての勉強会」を記してみた。勉強会に積極的に出席することは、IT技術の勉強になるだけではなく、一線で活躍する中堅の技術者と会う機会が得られる。

 漠然と考えていた「就職」というものに対する明確なイメージを、勉強会の参加者は与えてくれる。

 就活としての「初めての勉強会」、ぜひその一歩を踏み出してほしい。

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「話上手」なだけでは、面接には受からない

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「話すのは得意」の落とし穴

 「自分は話すのが得意なので、面接には自信があります」という人がいます。この人は、本当に面接に強い(合格しやすい)のでしょうか?

 人は2歳くらいになると言葉を話し始め、それ以来、何十年にわたって周りの人とのコミュニケーションを続けます。その結果として、コミュニケーションの方法には個人個人の特色が表れます。

 表情豊かに楽しそうに話す人、表情を変えずに淡々と話す人、圧倒されるくらいのマシンガントークの人、伏し目がちにボソボソと話す人、必要以上に虚勢を張って話す人、さまざまな話し方の人とお会いします。

 自然に引きこまれるような話であったり、言葉は少ないが簡潔で分かりやすい話であったり、ダラダラと長いだけでまとまりのない話であったり、話の組み立て方も人それぞれです。

 こういった「話し方」や「話の組み立て」はコミュニケーションを取るうえで重要な要素です。しかし、いくら話し方や話の組み立てがうまくても、それだけでは単なる「話上手」にすぎません。

面接という場で求められるもの

 面接で求められるのは、話の上手さではなく、コミュニケーション能力です。

  面接担当者は「いったい、この応募者はどういう人なのか?」「うちで採用するに値する人物なのか?」「技術スキル、コミュニケーションスキルは十分か?」 を探るため、さまざまな切り口で巧みに質問してきます。それに対していかにうまく答えていくかが、面接の合否を大きく左右します。

 ここでいう「うまく」答える能力が、コミュニケーション能力ということになります。

 スラスラと立て板に水のように話すことが、うまく答えるということなのでしょうか? 違います。面接で求められるコミュニケーション能力とは、相手のいわんとすることを理解して、それに対して自らの意見をしっかりと伝えることのできる意思疎通能力です。

 日常会話でも面接でも、求められるコミュニケーション能力は基本的には同じです。しかしよりシビアに決定が下される面接という場だからこそ、ちょっとしたことが合否を左右してしまいます。

 「自分は話すのが得意だ」と思っている人の多くは、「自分にはしっかりとしたコミュニケーション能力がある」と思っています。が、実際はそうではないことも結構多いのです。

 今回は、話すのが得意だからこそ陥る、面接の失敗事例について書きたいと思います。

自信に満ちあふれ、冗舌な田中さん

  田中さん(仮名)は34歳、大手システムインテグレータで中堅企業向けのERP導入コンサルタントとして活躍していました。バイタリティにあふれる、技術 的にも優れたコンサルタントです。今後はコンサルティングファームで業務コンサルタントになることを希望し、転職活動をしていました。

 顧客への提案活動でプレゼンテーションする機会も多く、人前で話すことには慣れているため、緊張することはなく冗舌に話す人です。ご自身でもコミュニケーション能力に自信を持っていました。

  初めて私が会ったときも、田中さんは自信に満ちあふれた表情で話し、内容にもその雰囲気が表れていました。しかし、冗舌であるが故に多くを語りすぎる傾向 がありました。そのため、こちらの質問に対する回答の論点がずれていることや、話が脱線することが多かったのでした。そこで私は「面談時にこの点だけは注 意が必要ですよ」と助言したのでした。

 田中さんはある企業に応募し、面接に進みましたが、採用は見送りという結果に なってしまいました。理由を企業に確認したところ、「コミュニケーション能力に難あり。よく話をされる方ですが、コミュニケーション能力という点において 疑問を持ちました」ということでした。人事担当者によくよく聞いてみると、田中さんは面接官の質問に対して、的確な回答を簡潔に話すことができなかったと のことでした。

 しかし、面接直後に田中さんに聞いた感想は、「うまくいきました。いいたいことはすべて伝えることができました。会話も弾みまして、面接時間も1時間半はあったので感触は良かったです」ということでした。

 企業と田中さんでは、感じ方がまったく違うな……ということで、私は再度田中さんと会い、今後の軌道修正について話し合いをすることとなりました。

「うまく話せたのに、どうしてですか?」

 あらためて田中さんに見送り理由をお伝えしたところ、「うまく話せたのに、どうしてでしょうかね」と納得できない様子でした。こういうことはよくあります。面接における、双方のすれ違いといいますか……。

辻(筆者) 面接がうまくいかなかった原因は、どこにあったと思いますか?

田中 コミュニケーション力不足という理由は納得いかないですね。面接のときは話が盛り上がりましたし、面接官もしっかりと聞いてくれたのです。それがどうして見送りになるのでしょうか? 確かに、私が少し一方的に話しすぎたところはありましたが……(うんぬん)。

 面接で、質問の意図を理解して回答しましたか?

田中  いろいろと話すことで、自分をアピールしようとしました。その結果、多少脱線することもあったと思いますが、そこが駄目だったのかもしれません。私は自分 のことをよく知ってもらいたかったので、できる限りのことを伝えたいと思って一生懸命に話をしたのですが、それが伝わらなかったのですね。

 質問に対して簡潔に回答ができたと思いますか?

田中 自分を理解してもらおうと考えると、頭の中にあれもこれもと伝えたいことがいろいろ思い浮かびまして、すべてを話しているうちに、私が長々と1人で話すことになっていました。残念です。アピールの仕方が悪かったのかもしれません。

 この会話からして、うまく話がかみ合っていなかったのでした。私の質問に対して的確で簡潔な回答ができないようでは、実際の面接でうまくいくはずもありません。

 田中さんは、私が聞きたいことではなく、自分が伝えたいことを長々と話していました。もちろん、本人にはそんな自覚はありません。「自分がどう考えたか、感じたかを熱心に伝えることで、相手は理解してくれる」と考えていたのです。

 そこで私は、田中さんに以下の3点をアドバイスしました。

  • 「自分の話したいこと」を話すのではなく、「相手の聞きたいこと」を話す


  • 回答する前にひと呼吸置き、頭の中で整理してから話す


  • まずは簡潔に回答して、理由などは後から付け加える

 この3点に納得した田中さんは、次の企業での面接ではうまく受け答えができ、内定を勝ち取ることができました。田中さんにとっては、自分の話した内容がかなり物足りないものに感じられたようですが、企業にとってはそれで十分だったようです。

コミュニケーションは、相手の意図を理解することから

 面接での受け答えにおいて一番重要なことは、「面接官がどういうことを意図した質問なのか」を理解することです。理解して初めて、質問に対する適切な回答をすることができるのです。

 せっかく意図を理解しても、焦ってまとまりのない回答になることがあります。ひと呼吸置いて気持ちを落ち着け、頭の中で整理することで、簡潔な分かりやすい回答になります。

 回答の前置きがダラダラと長くなると、結局何がいいたいのかが分からなくなります。まずは結論をはっきりと述べてから、その結論にいたる理由や考え方を述べるようにしなければなりません。

  今回の田中さんの例は、話すのが得意だと思っている人が陥りやすい、典型的な失敗パターンです。「自分は話すのが得意だ。緊張もしない。立て板に水のよう に話せる。だから面接は大丈夫!」と過信していると、面接官の期待と異なる内容を延々と話し、コミュニケーション能力の低い人物と思われてしまう結果にも なりかねません。

 繰り返しになりますが、コミュニケーション能力とは「相手の考えや気持ちを理解し、それに対して自らの意見を適切に伝えることのできる意思疎通能力」です。

 面接の前に、ご自身のコミュニケーション能力について思い返してみてください。相手の考えを理解しているか? 適切に自分の意見を伝えられるか? 常にこの気持ちを持って、面接に臨むことが大切です。

 自分がしっかりとコミュニケーションを取れているかはなかなか気付かないので、面接前に第三者にチェックしてもらうのもよいと思います。

 コミュニケーションは相手があってこそ成立するものです。独り善がりの話し過ぎには、くれぐれも注意しましょう。


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「話上手」なだけでは、面接には受からない

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「話すのは得意」の落とし穴

 「自分は話すのが得意なので、面接には自信があります」という人がいます。この人は、本当に面接に強い(合格しやすい)のでしょうか?

 人は2歳くらいになると言葉を話し始め、それ以来、何十年にわたって周りの人とのコミュニケーションを続けます。その結果として、コミュニケーションの方法には個人個人の特色が表れます。

 表情豊かに楽しそうに話す人、表情を変えずに淡々と話す人、圧倒されるくらいのマシンガントークの人、伏し目がちにボソボソと話す人、必要以上に虚勢を張って話す人、さまざまな話し方の人とお会いします。

 自然に引きこまれるような話であったり、言葉は少ないが簡潔で分かりやすい話であったり、ダラダラと長いだけでまとまりのない話であったり、話の組み立て方も人それぞれです。

 こういった「話し方」や「話の組み立て」はコミュニケーションを取るうえで重要な要素です。しかし、いくら話し方や話の組み立てがうまくても、それだけでは単なる「話上手」にすぎません。

面接という場で求められるもの

 面接で求められるのは、話の上手さではなく、コミュニケーション能力です。

  面接担当者は「いったい、この応募者はどういう人なのか?」「うちで採用するに値する人物なのか?」「技術スキル、コミュニケーションスキルは十分か?」 を探るため、さまざまな切り口で巧みに質問してきます。それに対していかにうまく答えていくかが、面接の合否を大きく左右します。

 ここでいう「うまく」答える能力が、コミュニケーション能力ということになります。

 スラスラと立て板に水のように話すことが、うまく答えるということなのでしょうか? 違います。面接で求められるコミュニケーション能力とは、相手のいわんとすることを理解して、それに対して自らの意見をしっかりと伝えることのできる意思疎通能力です。

 日常会話でも面接でも、求められるコミュニケーション能力は基本的には同じです。しかしよりシビアに決定が下される面接という場だからこそ、ちょっとしたことが合否を左右してしまいます。

 「自分は話すのが得意だ」と思っている人の多くは、「自分にはしっかりとしたコミュニケーション能力がある」と思っています。が、実際はそうではないことも結構多いのです。

 今回は、話すのが得意だからこそ陥る、面接の失敗事例について書きたいと思います。

自信に満ちあふれ、冗舌な田中さん

  田中さん(仮名)は34歳、大手システムインテグレータで中堅企業向けのERP導入コンサルタントとして活躍していました。バイタリティにあふれる、技術 的にも優れたコンサルタントです。今後はコンサルティングファームで業務コンサルタントになることを希望し、転職活動をしていました。

 顧客への提案活動でプレゼンテーションする機会も多く、人前で話すことには慣れているため、緊張することはなく冗舌に話す人です。ご自身でもコミュニケーション能力に自信を持っていました。

  初めて私が会ったときも、田中さんは自信に満ちあふれた表情で話し、内容にもその雰囲気が表れていました。しかし、冗舌であるが故に多くを語りすぎる傾向 がありました。そのため、こちらの質問に対する回答の論点がずれていることや、話が脱線することが多かったのでした。そこで私は「面談時にこの点だけは注 意が必要ですよ」と助言したのでした。

 田中さんはある企業に応募し、面接に進みましたが、採用は見送りという結果に なってしまいました。理由を企業に確認したところ、「コミュニケーション能力に難あり。よく話をされる方ですが、コミュニケーション能力という点において 疑問を持ちました」ということでした。人事担当者によくよく聞いてみると、田中さんは面接官の質問に対して、的確な回答を簡潔に話すことができなかったと のことでした。

 しかし、面接直後に田中さんに聞いた感想は、「うまくいきました。いいたいことはすべて伝えることができました。会話も弾みまして、面接時間も1時間半はあったので感触は良かったです」ということでした。

 企業と田中さんでは、感じ方がまったく違うな……ということで、私は再度田中さんと会い、今後の軌道修正について話し合いをすることとなりました。

「うまく話せたのに、どうしてですか?」

 あらためて田中さんに見送り理由をお伝えしたところ、「うまく話せたのに、どうしてでしょうかね」と納得できない様子でした。こういうことはよくあります。面接における、双方のすれ違いといいますか……。

辻(筆者) 面接がうまくいかなかった原因は、どこにあったと思いますか?

田中 コミュニケーション力不足という理由は納得いかないですね。面接のときは話が盛り上がりましたし、面接官もしっかりと聞いてくれたのです。それがどうして見送りになるのでしょうか? 確かに、私が少し一方的に話しすぎたところはありましたが……(うんぬん)。

 面接で、質問の意図を理解して回答しましたか?

田中  いろいろと話すことで、自分をアピールしようとしました。その結果、多少脱線することもあったと思いますが、そこが駄目だったのかもしれません。私は自分 のことをよく知ってもらいたかったので、できる限りのことを伝えたいと思って一生懸命に話をしたのですが、それが伝わらなかったのですね。

 質問に対して簡潔に回答ができたと思いますか?

田中 自分を理解してもらおうと考えると、頭の中にあれもこれもと伝えたいことがいろいろ思い浮かびまして、すべてを話しているうちに、私が長々と1人で話すことになっていました。残念です。アピールの仕方が悪かったのかもしれません。

 この会話からして、うまく話がかみ合っていなかったのでした。私の質問に対して的確で簡潔な回答ができないようでは、実際の面接でうまくいくはずもありません。

 田中さんは、私が聞きたいことではなく、自分が伝えたいことを長々と話していました。もちろん、本人にはそんな自覚はありません。「自分がどう考えたか、感じたかを熱心に伝えることで、相手は理解してくれる」と考えていたのです。

 そこで私は、田中さんに以下の3点をアドバイスしました。

  • 「自分の話したいこと」を話すのではなく、「相手の聞きたいこと」を話す


  • 回答する前にひと呼吸置き、頭の中で整理してから話す


  • まずは簡潔に回答して、理由などは後から付け加える

 この3点に納得した田中さんは、次の企業での面接ではうまく受け答えができ、内定を勝ち取ることができました。田中さんにとっては、自分の話した内容がかなり物足りないものに感じられたようですが、企業にとってはそれで十分だったようです。

コミュニケーションは、相手の意図を理解することから

 面接での受け答えにおいて一番重要なことは、「面接官がどういうことを意図した質問なのか」を理解することです。理解して初めて、質問に対する適切な回答をすることができるのです。

 せっかく意図を理解しても、焦ってまとまりのない回答になることがあります。ひと呼吸置いて気持ちを落ち着け、頭の中で整理することで、簡潔な分かりやすい回答になります。

 回答の前置きがダラダラと長くなると、結局何がいいたいのかが分からなくなります。まずは結論をはっきりと述べてから、その結論にいたる理由や考え方を述べるようにしなければなりません。

  今回の田中さんの例は、話すのが得意だと思っている人が陥りやすい、典型的な失敗パターンです。「自分は話すのが得意だ。緊張もしない。立て板に水のよう に話せる。だから面接は大丈夫!」と過信していると、面接官の期待と異なる内容を延々と話し、コミュニケーション能力の低い人物と思われてしまう結果にも なりかねません。

 繰り返しになりますが、コミュニケーション能力とは「相手の考えや気持ちを理解し、それに対して自らの意見を適切に伝えることのできる意思疎通能力」です。

 面接の前に、ご自身のコミュニケーション能力について思い返してみてください。相手の考えを理解しているか? 適切に自分の意見を伝えられるか? 常にこの気持ちを持って、面接に臨むことが大切です。

 自分がしっかりとコミュニケーションを取れているかはなかなか気付かないので、面接前に第三者にチェックしてもらうのもよいと思います。

 コミュニケーションは相手があってこそ成立するものです。独り善がりの話し過ぎには、くれぐれも注意しましょう。


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ワークライフバランスは「仕事と私生活の好循環」

:::引用:::
「ワークライフバランス」という言葉から、皆さんは何をイメージするでしょうか。「仕事に費やす時間を3割、私生活に費やす時間を7割」といった時 間配分でしょうか、それとも「ゆとりを持って働く」といったワークスタイルでしょうか。――いずれも、若干誤解があるように思います。

 ワークライフバランスとは、「私生活の充実により仕事がうまく進み」「仕事がうまくいくことによって私生活もうるおう」という、「仕事と私生活の相乗効果を高める考え方と取り組み」全般を指すと考えられます。

 仕事において高い付加価値を提供し、成果をあげるためには、広い視野や知識・スキル・人脈が必要です。それらは仕事以外の場で身に付くことがほとんどです。従って、仕事以外の場を大切にすることで、むしろ短時間で仕事の成果をあげられるようになるのです。

  いま、多くの日本人が過ごしている生活を考えてみてください。私生活を犠牲にして毎日残業、休日でもお構いなしに出勤、家族や友人、パートナーと一緒に過 ごす十分な時間を取れないうえに、自分の時間もほとんどない……。こんな生活が続くことが、本当に仕事で成功する近道なのかどうか、少し手を止めて考えて みてください。

 私生活が充実することで仕事がはかどり、仕事の調子がいいからプライベートも楽しめる。仕事と私生活が互いに刺激し合い、いい影響を与え合う「仕事と私生活の好循環」、それこそがワークライフバランスです。


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スクエニとニフティ “仮想の街”本格稼働 年内利用者15万人目指す

:::引用:::
 ゲームソフト大手のスクウェア・エニックス(東京都渋谷区)と、同社の子会社スマイルラボ(同)、ニフティ(東京都品川区)は29日、ネット上に作った仮想の街でコミュニケーションを楽しむ「Nicotto Town(ニコッとタウン)」の本格サービスを開始したと発表した。

 イラスト調のアバター(分身)を操作して、街を歩いて他の参加者と会話したり、買い物、ゲームなどを楽しめる。年内に10万~15万人の利用者獲得を目指す。

 ネット上の仮想空間に登場するアバターを操作し、コミュニケーションを行うサービスは、富士通が90年に始めた「ハビタット」がさきがけ。インターネット普及とともにさまざまなサービスが登場し、最近は「セカンドライフ」のように3次元CG(コンピューターグラフィックス)で街並みをリアルに再現したサービスが注目を集めている。

 「ニコッとタウン」は使いやすさを考えて仮想空間を2次元で描画しており、インターネット閲覧ソフトで手軽に利用できる。

 ユーザーは拠点となる家を持ち、ゲームで勝ったり、連動したブログを書いて報酬のコインをもらい、新しい洋服や家具を手に入れる。収益のために、有料のコインを提供し、衣服や家具を買えるようにする支払い方式も導入する。

 サービス開始の会見にはタレントの小倉優子さんが特別応援ゲストで登場。小倉さんをモデルにしたアバターで参加し、来場している人たちと会話などを楽しんだ。

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2008-09-29

私の上司は管理能力ゼロ。さっさと転職した方がいい?

:::引用:::

 この連載では、メンタルヘルスをうまくコントロールするための、いろいろなビューチェンジ(発想の転換)の方法を解説してきました。

 内容に関して、読者の皆さんから、たくさんの質問や感想をいただいています。今回は、その中から役に立ちそうなものを厳選して回答したいと思います。実践的なものばかりですので、皆さんのメンタルヘルスの維持に応用できるのではないかと思います。

朝から晩まで仕事をしている上司

Q1
第1回「なぜ、ITエンジニアの頭脳は疲労するのか」に、ITの仕事には精神的なストレスが多くて脳が疲労するとあります。私の上司は、朝から晩まで休むことなく元気良く働いていて、脳の疲労を感じているように見えません。そういう人も存在するのは、どうしてなのでしょうか。

A1.

 確かに、いらっしゃると思います。こういう人を見ていると「時間外業務(残業時間)の多さとメンタルの問題には、あまり関連性がないのかな」と思うこともあります。

@IT自分戦略研究所カンファレンス
上級ITプロフェッショナルのスキルとキャリア 開催
日時:2008年9月27日(土)
11:00~18:00(受付開始 10:30~)
場所:秋葉原UDX 6F RoomA+B
詳しくは開催概要をご覧ください。

 でも私は、あなたの上司が最初からそうだったわけではないと思います。入社したばかりのころ、仕事に慣れないころは、上司もたくさんの精神的なストレスを感じていたでしょう。

 上司は、いままでに多くの経験をする中で、つらくて嫌な気持ちを、自分のモチベーションアップに昇華できる考え方を身に付けたのではないかと思います。

  でも、いつも夜遅くまで仕事する上司は問題ですね。仕事と生活のバランスが取れていないと感じます。こういう人に巻き込まれないように、あなたは自分の仕 事が終わったら、さっと帰宅してください。こういう上司は、部下が先に帰宅しても、ほとんど気にせず仕事していると思いますので、安心して大丈夫だと思い ます。

Q2
第2回「そんなレビューのこと、聞いていません!」に、優秀な人が集まるグループやコミュニティに参加すると、自分が困ったときの回避方法が分かると書いてありました。そういうグループやコミュニティは、どのようにして見つければいいのですか。

A2.

 自分の会社に、勉強会やワークショップ、掲示板やブログなど、自分の興味のあることについて議論している場があれば、それに参加してはいかがでしょうか。もし社外に求めるのでしたら、「@ITイベントカレンダー」などでイベントやコミュニティの情報を集めて参加するのも、ミクシィなどSNSのワーキンググループに入ってみるのもよいと思います。

 注意すべきことが1つあります。参加するだけではいけません。サブリーダーを務めたり、発表をしたり、運営を手伝ったりという、ファシリテーション作業を実行することが大切です。

 優秀な人の行動を眺めているだけではなく、それをマネすると、自分に役立つ考え方が見つかりやすくなります。それが、困ったときのリスクを回避する方法につながっていくと思います。

Q3
第5回「深夜の呼び出し。早く資料を届けないと!」 を読み、緊急事態にすぐに対応しない方が良い結果が出ることもあると知って驚きました。私はいつも会社のメンバーから「せっかちな性格」とか「行動がガサ ツ」とかいわれています。書類を探すときはバタバタしていますし、電話の切り方も粗雑だそうです。歩くときもいつもせかせか歩いているらしいです。こうい う性格を直したいと思うのですが、何か良い方法はないでしょうか。

A3.

 良い方法があります。何かを行動に移さないといけない状態になったら、取り掛かる前に、まず自分の胸に手を置いてみてください。そして「1、2、3」と数えます。その後行動を始めてください。

 それだけで、あなたのことを「せっかちだ」という人は少なくなると思います。ぜひ試してみてください。

Q4
第6回「私だけ不当に評価が低い。どうして?」 の内容を見て、担当するお客さまのメリットだけでなく自分の会社への貢献も考え、バランス良く仕事をすれば、昇進が早くなるように感じました。でも私の上 司は、人を評価する能力がありません。どう考えても、部下を公正に評価できる人だとは思えません。周りの同僚も、皆そういいます。考えていると腹が立って きて、「こんな会社は早く辞めてしまおう」とも思います。こういう場合は、早く退職して別の会社を探した方がいいのでしょうか。

A4.

  上司の管理能力がなくて腹が立つ気持ち、分かります。気を付けないといけないのは、上司の仕事ぶりが良くなくても、周りの人と一緒になってそれを公言しな いことです。悪口ばかりいっていて「文句しかいわない社員だ」というレッテルを張られてしまうと、昇進するのに不利になりますから。

  こういう場合は、上司の能力よりも、正しい評価を「怠っている」、会社で決められた手順を「実行していない」という不順守の事実に焦点を絞り、あなたの次 の行動を決めるようにしてください。あなたの意見を会社の組織全体のクレームとして主張できれば、会社の中で改善策が見えてくることもあるからです。

 時間がかかるかもしれませんが、転職を急がず、じっくり自分の戦略を立てて行動してほしいと思います。

Q5
第7回「社内論文の提出期限は3週間後。どうしよう!」を読んで、私も論文のようなものを書いて頭の中を整理してみたいと思いました。でも私の会社には、論文提出の制度自体がありません。こういうときはどうすればいいでしょうか。

A5.

 自分の仕事を整理する、見直す、相手に理解させるという作業は、論文を書かないとできないわけではありません。お客さまや上司にプログラムの仕様を説明する、進ちょくをレポートする、定例会議で経験を話すなど、いろいろな場面でできると思います。

 大切なのは、自分の頭で整理して発表する場をたくさん持つことです。社内でも社外でも構いません。人と会話できるすべての場面が、自分の頭を整理する瞬間になります。

 エディタや開発ツールに向かうだけでなく、たくさんの人と向かう時間を確保するようにすると、おのずと頭の中は整理されてくるのではないかと思います。

頑張っても手に入らないものは、あきらめるしかないの?

Q6
第7回「社内論文の提出期限は3週間後。どうしよう!の最後のところに、良いパーツ(手法や道具)が見つからなくても、それに固執しないで作業を進めていくと成果は手に入ると書いてありました。でも、将来にわたって決して手に入らないパーツもあるのではないですか。そんなときは、あきらめるしかないのでしょうか。

A6.

 女性と違い、男性が子どもを産むことができないように、いくら頑張っても手に入らないパーツは、たくさんあるような気がします。

  私たちは、歳を取るにつれ体力を失います。ケガや病気で身動きできない状態になるかもしれません。このように、もともと持っていたパーツを失うことは、大 変ショックだと思います。とはいえ、そのパーツを持っているがゆえに見えなかった壁もあるといいます。パーツをなくして初めて、もっと良い方法が見えてく るといいます。

 体が不自由な方も、正確に仕事をしているという事実があります。現在をスタート地点と考えて、これからたくさん工夫をして得たことをパーツ(武器や道具)に変えながら、前進してほしいと思います。

Q7
第8回「私だってもう少し『技術者』でいたかった」 には、過去の悪い習慣を見つけたら、それを断ち切ると良い仕事が手に入るとあります。これには納得できるのですが、私の会社にはコンプライアンス違反がま ん延していて、良くない取引習慣が継続しています。自分の力ではどうやっても改善できない状態です。この泥沼からどうやって脱出すればいいのでしょうか。

A7.

  難しいケースだと思います。コンプライアンス違反が起こっている事実も問題ですが、ご自身が問題だと思っていることを大きな声で会社にいえない事実にも、 目を向けてほしいと感じました。あなたと上司(会社や組織)の状況を分析して、そこであなたがどういう行動を起こせば脱出できるかを考えてみてください。 そこから打開策を作り出してほしいと思います。

Q8
素朴な疑問です。プログラミングのようなテクニカル系のスキルや、コーチングのようなヒューマン系の知識は、第10回「欲しいものを手に入れるには『場所』が重要」に書かれているように「手に入りやすい場所」で探すとすると、どこで手に入れるのが一番簡単なのでしょうか。

A8.

 欲しいスキルや知識をもし手に入れたら、いったい何に、誰に、どこで使うのか。これを明確にすると、どこで手に入れたらよいかが分かります。

 あなたのお客さまに対してや、社内のメンバー育成に使いたいなら、上司と交渉したり会社のリソースを探して活用したりして手に入れると、多くの人の利益になります。

  自分の経験を情報として発信したり、誰かの相談に上手に乗って悩みを解決したりしたいと思うなら、ボランティアやコミュニティのメンバーとしてブログを立 ち上げる、相談会を実施してたくさんの人とコミュニケーションするなどして手に入れると、多くの人と気持ちを共有でき、感動につながります。

 ある特定の人のために役に立ちたい。そう思っているなら、ご自身の気持ちを誰にも邪魔されないことが大切だと思うので、自分でコントロールできる独学や自己投資で手に入れてみてはいかがでしょうか。

図1 立方体をいろいろな角度から眺める。これがビューチェンジの手法

Q9
樋口研究室のビューチェンジには、「3つの○○」とか、「××するための3つの方法」など、「3」という数字がよく出ています。これには何か意味があるのでしょうか。

A9.

  はい、意味があります。ビューチェンジは、もの(事実や事象)に対する見方や考え方を変化させるツールです。樋口研究室は、事実や事象を立方体の箱に入れ て眺めるようにしています。立方体は「3つの方向に伸びるベクトル(軸)」で作られています。それを上から眺めたり、横から眺めたり、逆さまにして眺めた りすることで、これまでとは違った方法を探し出します。ですから3という数字が基本になるのです。


 いかがですか。ビューチェンジは、仕事や生活のどんな場面でも使える発想転換の方法です。うまく使えば、上手にメンタルヘルスを維持しながら前進するためのツールになります。皆さんにもこの機会に、ぜひビューチェンジの使い方を身に付けてほしいと思います。

 この連載は、今回でいったん終了します。新たな連載では、樋口研究室に所属するメンバーが、皆さんのメンタルヘルスをうまく維持していく方法をお伝えします。

 樋口研究室で鍛えられたメンバーの具体的なビューチェンジの方法は、皆さんのお役に立てるのではないかと感じています。引き続きよろしくお願いいたします。


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務経歴書の書き方を10の鉄則

:::引用:::

転職活動の最初の「難所」は書類選考だ。職務経歴書が重要なカギを握る。職務経歴書の書き方次第で面接に呼ばれるか呼ばれないかが決まるともいえる。@IT自分戦略研究所の記事群から、「面接に呼ばれる」職務経歴書の書き方を10の鉄則として抽出した。

[鉄則1] 最もアピールしたい経歴を最初に書く

 [鉄則2] 重要なキーワードを目立たせる

 [鉄則3] 職務経歴書は3枚以内に収める

 [鉄則4] 実務経験以外のスキルもアピールする

 [鉄則5] 希望職種に合致した自己PRをする

 [鉄則6] 技術のスペックではなく、業務経験を書く

 [鉄則7] スキルを身に付けた状況を書く

 [鉄則8] 自己PRは志望先企業であなたができることを書く

 [鉄則9] 誰が読んでも分かるように書く

 [鉄則10] 論理的かつ一貫性のあるストーリーにする


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<ゲートウェイ21>留学支援大手が破産 年8000人利用

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全国展開する留学支援会社大手「ゲートウェイ21」(本社・東京都新宿区、福井伴昌社長)が26日に営業を停止したことが分かった。近く東京地裁に破産を申し立てる。既に留学費用を支払った利用者もおり、被害は全国に拡大する可能性がある。

 民間調査会社によると、同社は97年4月設立。留学や海外生活体験の企画や販売を手がけており、全国8カ所に支社がある。同社側によると、年間利用者は約8000人。売上高は03年6月期の15億円から05年6月期は30億円に倍増したが、数カ月前から資金繰りが悪化していたという。

 大阪市北区の大阪支社入り口には張り紙があり、「9月下旬の資金調達がかなわず、商品供給の継続が困難なため、26日限りで営業を停止することになりました。近日中に東京地裁に破産申し立てを行うべく、準備を行っています。決定がなされれば、破産管財人が選ばれ、後日債権者集会を開き、ご説明致します」と記している。

 大阪支社に来ていた会社員の女性(29)は「今朝、ネットで知って見に来た。来春オーストラリアに行く予定で、学校の費用など50万円を払っていて来月完済する予定だった。相談にのってくれた社員は親切だったのに」と困惑していた。

 また、大学3年生の娘が留学予定だった堺市の男性は「200万円を払い込んで来年4月にカナダのバンクーバーに行く予定だった。27日に会社側から電話があり、倒産したと告げられた」と話している。

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厚労省、フルキャストに再び事業停止命令へ 処分中も派遣継続

:::引用:::

労働者派遣法に違反したとして、厚生労働省が事業停止を命令した日雇い派遣大手の「フルキャスト」(東京)が、処分期間中に労働者の派遣業務を続けていたことが29日分かった。同省は近く同社に2度目の事業停止命令を出す方針を固めた。期間は1カ月間の見通しで、事業改善命令も出して報告を求める方針。

 労働者派遣法は建設、警備業などに労働者を派遣することを禁じている。フルキャストが同法に違反して、こうした業務に労働者を派遣したとして、厚労省は昨年3月、事業改善命令を出した。しかし同社は同年5月にも港湾作業に労働者を違法派遣し、同年8月、計316支店が1―2カ月の事業停止の処分を受けた。

 フルキャストはこの事業停止の処分期間中にも労働者派遣を続けていたという。違反件数は数百件に上るとみられ、厚労省は同社側の弁明を聞いたうえで、再度の事業停止と改善命令を出す見通し。 (11:35)

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日雇い派遣禁止、専門職を政令で例外に 厚労省、法改正案骨子

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厚生労働省は28日、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会に労働者派遣法改正案の骨子を提示した。日雇い派遣など30日以内の短期派遣の原則禁止を明記。専門職などで例外として認める職種は今後具体的に定め、政令に書き込む。連結対象のグループ企業内への派遣は、派遣元の派遣スタッフ全体の8割以下にすることも義務付ける。秋の臨時国会に改正案を提出する。

 現在は通訳、アナウンサーなど26業種について、専門性が高いとして短期を含め派遣期間に関する制限を設けていない。同日の会議で厚労省はこのうち清掃、ビルメンテナンス、駐車場管理、テレマーケティングの四業種は短期派遣を認める例外対象からは除外する方針を示した。

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2020年の上海の高齢化問題、60歳以上が34%に

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2020年に上海戸籍をもつ人のうち、60歳以上の高齢者の割合が、34%になることが予想されている。高齢化がこれからもますます進む見込みだ。また上海市人口の特徴として、高齢化と核家族化、少子化が進んでいる点も注目されている。
 現在、上海には全体の世帯数の60%を占める305万世帯で一人っ子であるが、これも中国全土の中で非常に高い比率となっている。
 一方で、上海市は、中国でも人口が最も多い大都市であり、現在外来人口の流入が続き、増え続けている。年間30万人の割合で、流入人口が増加しているの だ。2007年度の上海市の人口は1858万人で、そのうち上海戸籍を持っている人は1378.86万人にすぎない。その多くが、市中心部に住んでいるた め、人口の約50%が全市の面積の10分の一のエリアに密集している計算になっている。
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日本語スピーチ会:外国人市民、7カ国10人が日ごろの思いや日常を紹介 /埼玉

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◇私の国、身近に感じて 五輪の平和ムード続いて

 ◇市民ボランティア運営の日本語プラザ主催--岩槻

 地域に暮らす外国人の日本語学習を支援する市民団体「いわつき国際交流会日本語プラザ」(岩中麗子代表、約25人)が28日、さいたま市内の岩槻 駅東口コミュニティセンターで「外国人市民の日本語によるスピーチ会」を開いた。アットホームな雰囲気の中で数十人の外国人を含む約80人が親睦(しんぼ く)を深めた。【小泉大士】

 プラザで日本語を学ぶ中国、韓国、カメルーンなど7カ国出身の10人が、日ごろの学習の成果を披露するとともに、日常生活の様子などをユニークな 視点で紹介した。プラザは「伝えたいと思うことをそれぞれの日本語レベルで無理なく発表できる場にしよう」と、コンテスト形式にはしなかったという。

 インドネシアからの研修生で、溶接工場で働くオクー・ヌグロホさん(23)は「日本の皆さんに私の国をもっと身近に感じてもらいたい」と話し、祖 国の人口が世界で4番目に多く、日本の2倍であることなどを説明した。日本に住んで13年になるイラン人の会社員、レザー・モガダムさん(42)は、自ら の戦争経験に触れながら「北京五輪をテレビで見て、世界中の人がいつもオリンピックのように暮らしてほしいと感じた」と平和への願いを語り、大きな拍手を 受けた。レザーさんは毎週日本語を習いに来ていて、プラザについて「みんなが家族のような存在」と話していた。

     □

 プラザは、旧岩槻市国際交流協会の日本語教室が前身。05年4月から市民ボランティアが運営している。岩中代表は「生活に必要な日本語学習のお手 伝いをしている。誰でも参加でき、集う人がホッとしたり、元気になる場にしたい」という。スタッフは20~60代。主婦や会社員、定年退職した人など経歴 もさまざま。週1回の日本語教室の他、外国人らと地元の祭りなどにも参加し、相互理解を深めている。ホームページ (www.geocities.jp/i_plaza05)で活動を紹介している。

毎日新聞 2008年9月29日 地方版


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人民元高:中国で韓国料理店店主の夜逃げ相次ぐ

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 急激な人民元高で韓国人観光客が激減し、中国現地の韓国レストランが大打撃を受けている。

 在中同胞が多数居住する上海・浦西地域では最近、韓国宮廷料理を扱う大型レストランが倒産した。レストランの主な顧客だった韓国人観光客が激減したためだ。

 また同地域では、韓国人が経営する有名カルビ・チェーン店の一つが社員の給料を払えないまま廃業した。さらに韓国人の客が半数という上海・浜海ゴルフクラブでも韓国人ゴルフ客が減少し、周辺の韓国レストランの売り上げが激減している。

 韓国レストランが相次いで倒産していることから、同胞らは緊張している様子だ。上海で会ったある同胞は「中小企業や貿易業者が夜逃げするのはよく 目にするが、飲食店が夜逃げすることはこれまでなかった。これはただ事ではない」と話した。飲食店だけでなく、写真館や美容院などほかのサービス業も経営 難を乗り越えることができず、店をたたむケースが増えている。

 最近は元の価値が急騰している。昨年末、1元当たり128ウォンだった為替レートは約33%ウォン安が進み、25日現在169.09ウォンとなっ ている。以前100万ウォン(約9万1000円)で中国に行けたとしたら、今は133万ウォン(約12万1000円)が必要となる。

 元の価値が上昇したことにより、中国を訪問する観光客が激減している。中国国家旅遊局によると、今年1-8月までに中国を訪れた韓国人観光客は289万人で、前年同期比で11%減ったという。

 無理な創業と施設拡張で経営難に陥り、中国当局に廃業申告をせずに夜逃げする飲食店店主が増えているという。中国現地の大韓貿易投資振興公社(KOTRA)関係者は「夜逃げが明らかになり、中国での韓国人に対するイメージが悪くなっている」と話した。


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農家の労力不足/支援の仕組みを作ろう

:::引用:::
農家の労力不足が深刻になっている。JAが中心になって、支援の仕組み(システム)作りが必要だ。収穫など農作業労力の補完から、税務の手助けなどの専門分野まで、支援の必要性は幅広い。こうした仕組み作りが担い手作りにつながり、地域農業振興に役立つ。

  農作業の機械化は進んでいるが、果樹や野菜の収穫作業のように機械化が難しい作業や、共同で機械を使って収穫物の選別や荷造りできない作物も多い。従来は 季節的な労働者を受け入れたり、近所にパートを求めたりしてしのいできたが、そうした従来の手法ではしのげなくなりつつある。経営を続けるためにも、規模 拡大するならなおさら、労力の確保が必要にある。

 農業者の高齢化が進み、近い将来昭和一けた世代が引退すれば、労働力が大幅に少なくなる。農業後継者の確保だけでなく、農業経営を補完する労力の確保も重要だ。

  農業分野だけから確保するのではなく、職業に就かない若者(ニート)や定年者の活用も考えなければならない。今年の農業白書によれば、労働力人口は、 1998年に6793万人だったが、人口減少社会に入り、2007年は6669万人で、30年には6180万人になる試算があるという。つまり、他産業と 労働力の奪い合いが起きつつあるということであり、確保のため、速やかな取り組みが求められている。

 全国各地に、労力確保のさまざまな 先進事例がある。JA全農ちばは、県の委託で農業労働力補完システム確立モデル事業を県下のJAで行っている。農家などの求人情報とパート希望者の情報を 収集し、JAが仲立ちをする事業だ。神奈川県のJA相模原市は市と共同で「援農システム」を運営している。団塊の世代を中心に研修生を募集し、援農にも出 向く。

 こうした取り組みがきっかけになって、援農ボランティアや研修生が特定非営利活動法人(NPO法人)を組織したり、農業者としてIターンしたりする例が出ている。

  支援する作業は、収穫、定植、受粉、剪定(せんてい)などさまざまだが、農作業だけでなく、労力支援の必要な分野はもっと広がる。農家との取引データを活 用したJAによる青色申告支援もその一つだ。申告の事務労力を支援するだけでなく、宮崎県では、行政とJAグループ宮崎が連携し、加えて経営改善策を示し 大きな成果を挙げている。補助事業の申請事務の支援や、新しい技術の開発を支援しているJAもあった。

 競争力がある経営を実現するためには、経営者は経営の勉強や情報収集に時間をより多く割く必要がある。そうなると労力支援システムは、作業を外部委託することから費用はかかるが、単に不足する労力を補うだけでなく、経営の近代化のために欠かせない仕組みになる。

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IT業界にまた日は昇るか---アクセンチュア 程 近智氏

:::引用:::

 日本企業がグローバル競争を勝ち抜くには、ITを使いこなす必要がある。そのためには、日本のIT業界がもっと強くならなければならない。今のままでは、企業の要請に応えることはできないだろう。

 というのも、昨今のIT業界のトレンドを示す、気になるデータがあるからだ。各種調査で、「2000年のITバブルをピークに主要IT企業の就職人気ラ ンキングが低下している」「学生の理工系離れを背景にIT業界を支える理系人間が減少している」「IT業界の将来性に対するイメージがダウンしている」と いうような結果が公表されている。

 理系離れは日本だけでなく、IT先進国である米国でも深刻化している。STEM(科学・技術・エンジニアリング・数学)の人材が不足し、米国の学 生の数学レベルのランキングは世界24位(日本は6位)というデータもある。そこで、米国政府ではSTEMを2012年までに40万人に倍増する計画を立 て、国家予算の7%を基礎科学や物理の教育に割り当てる方針を打ち出している。

キャリアパスを明確にし「ITの見える化」を促進

 IT関連の仕事に対する日本の学生のイメージを調査した興味深いデータがある。情報処理推進機構(IPA)の調査結果によれば、文系・理系・情報 系の全学生(1000人)のうち、ITに関する仕事に興味があるが49.7%、興味がないが50.3%となっている。興味がない理由として、一般的に言わ れる「仕事内容への理解の低さ」に加え、調査結果では「労働時間が長そう」「ストレスが多そう」「一生続けられる仕事と思わない」が上位を占める。

 つまり、労働の過酷さやキャリアパスの見えづらさが、IT関連の仕事への興味の低さにつながっているのではないか。こうしたIT業界のイメージを変え、魅力ある業界にするために何をすべきか、真剣に考える必要がある。

 そこで、企業のIT部門を含め、IT関連企業に提案したいのが「ITの見える化」だ。具体的には、「キャリアパスの見える化」「意思決定の見える化」「成果の見える化」である。

 企業のIT部門を例にキャリアパスを考えてみよう。IT部門は、システム構築や運用・保守のスキルを強化し、システム構築・管理の中心的な役割を 担い、各部門をリードして業務改革を支援する、システム構築技術を生かした外販事業など新規事業を立ち上げる、ITの知見から経営者へ経営戦略を提言する など、意思決定に重要な役割を果たす。こうしたキャリアパスを、IT業界を志す人材に提示する必要があるのではないか。

 一方、ITサービス側のキャリアパス検討時のポイントとしては、ITの技術革新にキャッチアップできるよう、早い段階から専門性に特化することが大事だ。また、キャリアパスを尊重した異動・昇進を行い、社員の納得感、仕事へのコミットメントを高める必要もある。

 これらに加え、社会におけるキャリアパスの仕組みが重要になる。専門性を生かして一般企業や大学・研究機関に移った場合、再びIT業界に戻ったと きに企業や大学で培ったノウハウ・経験を生かせるに違いない。こうした人材の流動化により、IT業界のイメージは変わるだろう。

IT業界の活性化に向けて業界全体の取り組みが必要

 「成果の見える化」では、まず、本人が成果を実感できる小規模開発の機会を創出する。ITが業務改革に役立ったなど、IT活用の成果へのコミットを増やすこともポイントとなる。

 成果のみならず、「成功報酬の見える化」も必要だ。例えば、若手に対しては、IT部門の人材として必要な知識があるかだけでなく、成果と関連した 行動をとっているかを評価し、能力を重視する。また、ベテランに対しては、会社の戦略達成のために成果を出しているかを評価するなど、業績重視の報酬の仕 組みが考えられるだろう。

 「意思決定の見える化」では、取り組む案件の「決定プロセスの見える化」と個人の要望を聞き入れることが重要になる。当社の場合、プロジェクト終了後、各人にこれからどんな仕事を手がけたいか要望を聞き、社員の満足度を定期的にチェックしている。

 IT業界の活性化に向け、業界全体で取り組むべき課題は様々ある。ICTを活用した在宅勤務や女性の登用、ワークライフバランスへの絶え間ない対 応をはじめ、ピラミッド型の業界構造の改革、人材流動化の歓迎、顧客とのパートナーシップの再定義などはその一例だ。さらに、グローバル展開とシステムは 不可分であることを企業経営者に啓蒙したりする。企業で働くエンジニアの国籍が多様化する今日、内なるグローバル化も重要になる。

 そして、最大のポイントは、IT業界の一人ひとりが輝いていることだ。自分のキャリアが誇れ、スキルアップを実感できる。また、システムで環境問 題など社会に貢献できる技術を開発する。こうした視点で業界全体が取り組み、魅力あるIT業界へと再び「日が昇る」ことを期待している。


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上海総合指数が大幅上昇、不動産株はストップ高

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9月26日、上海総合指数は0.16%小幅下落し、2293.78ポイントで取引を終えた。今週では上海総合指数は10.54%の大幅上昇となった。
 深セン成分指数は前営業日終値比で2.47%上昇の7559.27ポイントで取引を終了した。
 上海・深セン両市場を合わせた売買料金は959億元(約1兆4920億円)で、前営業日の1201億元(約1兆8685億円)から約20%減少した。
 26日は国慶節前の最後の営業日で、中国国務院により信用取引が許可された。市場は財政政策のさらなる緩和を期待し、証券株と不動産株が大幅急伸した。
 しかし中国国家統計局は「1―8月、全国の規模以上工業企業の利潤は前年同期比より19.4%上昇したが、増え幅は前年より17.6ポイント下落した」と発表、上場企業の第3四半期の業績下落が懸念され、投資家に不安を与えた。
 セクター別deは不動産・証券・対外貿易・機械などの銘柄が大幅に値を上げた。特に不動産株は大幅に上昇し、全面的にストップ高となった。また酒醸造・食品・建築材料・電力などの分野も好調。
 一方で、銀行・石炭・石油などの主力株が軟調で、市場全体の上昇を制限した。航空・ホテル・旅行などの銘柄も比較的低調だった。

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楽しく日本語教室 外国籍児童と保護者一緒に

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 外国籍の児童と保護者が一緒になって、学校生活に必要な日本語などを学ぶ教室が27日、豊田市保見ケ丘2の西保見小学校であった。

 長久手町にある愛知県立大で、外国籍児童の学習支援を学ぶ学生グループ14人と指導する准教授が企画。保護者にも学校とのつながりをもってもらおうと、親子参加型のイベントにした。

 ブラジルやペルー国籍の親子12人が参加。借り物競走では、借りてくる物が記された紙に三角巾(きん)やはちまきなど、外国人にはなじみが少ない日本語もお目見え。保護者は子どものアドバイスを受けながら借りてくる物を探し、楽しみながら日本語を学んでいた。

 保護者向けに、日本語による電話のかけ方や体の不調の伝え方の指導もあった。

 企画した外国語学部4年の桑原知恵さん(22)は「親子一緒だとリラックスできる参加者がいることが分かった。機会があれば今後も続けたい」と話した。

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接客販売プロ不足 人材サービス会社、スタッフ研修強化

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■高級ブランド競争など背景に

 人材サービス会社が相次いで接客販売スタッフの能力向上に力を入れている。百貨店や高級ブランドショップの競争激化を背景に、即戦力となるプロの販売要員が求められているためだ。

 大手人材派遣会社のテンプスタッフが全額出資する人材紹介会社、パーソナル(東京都中央区)は、接客に役立つ新たな講座やセミナーを設け、スタッフ向け研修を拡充する。

 同社の主力事業は、百貨店にテナントとして入居する食品メーカーやアパレルメーカーへの人材紹介。契約社員や正社員として斡旋(あっせん)するうえで、これまでも登録スタッフに接客やクレーム処理といった基礎的な販売業務を習得する研修を無料で行ってきた。これに加えて手話講座を新設したほか、10月15日にはラッピング(包装)セミナーを開催する。引き続き、さまざまな講座・セミナーを開催していく考えだ。

 併せて10月1日付でスタッフ募集のホームページや携帯サイトを全面的にリニューアルし、登録スタッフ数を現行の1・5倍に増やす計画だ。新しいホームページでは、「販売職スタッフの1日」など仕事内容を詳細に紹介するコーナーを開設。また、これまでの「勤務地」「取扱商品」などに加えて「勤務条件」や「ブランド」でも仕事を検索できるようにする。

 桐渓克巳社長は、「百貨店などの小売業は競争が激化するとともにリニューアルオープンが相次いでおり、能力に優れた人材を求めている」と能力向上の重要性を説明する。

 一方、高級ブランド品の販売要員を派遣するアイ・ディ・アクセス(IDA、大阪市中央区)は、高級ブランドメーカーの販売職を対象に、社員研修の受託事業に乗り出す。現在、数社と交渉中だ。

 同社は高級ブランドショップで店長として店舗を切り盛りできる人材を育成する独自の教育プログラムを開発。プログラム修了者を高級ブランド店に派遣している。この教育プログラムを活用して高級ブランドメーカーから社員教育の一括受注を目指す。加福真介社長は「研修を受けた人材は、派遣先の高級ブランド店で1年後に社員として採用されるケースが多い。今回の研修受託は、高級ブランド店スタッフの定着率を向上させる」と期待している。

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知人のツテで人材紹介を受けた場合の注意点

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 会社の成長には優秀な人材の確保が欠かせない。しかし、株式公開を目指す企業にあっては、知名度の低さから人材の採用に苦労しているところが少なくないのが現実だ。

 人材確保のために、人材紹介会社を使ったり、知り合いのツテを頼ったりと、あらゆる手段を講じることになるが、人材の紹介を受けたことに伴って謝礼を支払う場合には、税務上、注意が必要だ。
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派遣人材情報、5社で共有 組合設立し紹介、調整

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宮城県内に事業所を置く人材派遣業5社が、企業側の求めに見合った人材を派遣するための調整機関「県企業人材支援協同組合」を設立した。自動車関連産業など、大型工場の県内進出で予想される雇用の増加に際し、加盟社が協力し合って適切な人材供給を目指す。人材派遣業界が、同業者間で派遣社員を紹介、調整し合う試みは全国でも珍しい。

 組合によると、参加企業は東洋ワーク、テンプスタッフ・カメイ、プレステップ(いずれも仙台市)、オガワ企画(宮城県大衡村)、インターワークス(盛岡市)。10月1日に仙台市内で開く臨時総会で役員選出などを行い、活動を本格化させる。理事長には、東洋ワークの須佐尚康社長(60)が就任する見通し。

 組合は、企業側が求める派遣社員像や条件などを加盟各社に照会。5社は、登録社員らの中から適性を見極めて各社間で調整し、社員側の希望をくみ取った上で派遣する。

 加盟5社の間でも、技術系に強い社員を多く抱えていたり、事務系の職員が多かったりと、それぞれに特性がある。

 組合は新方式について「企業側のニーズに見合った人材を、速やかに紹介できるようになる」と説明。さらに「派遣社員にとっても、希望に沿う職に就いてもらうことでミスマッチを抑え、早期離職を減らせる」とメリットを強調する。

 加盟5社に登録している派遣社員の数は約6000人で、県内の派遣社員の約1割を占めるという。組合は今後、他の同業者にも組合への参加を呼び掛け、活動を拡大していく方針。

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Getコーポ、中国・青島ソフトパークと提携−IT技術者を日本に紹介

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Getコーポレーション(大阪市淀川区、小瀬戸健一社長、06・6390・3488)は、中国の青島ソフトパーク(山東省青島市)と提携し、日本企業向けの中国人IT技術者紹介サービスを10月に始める。2日に東京都千代田区のUDX秋葉原、3日に大阪市中央区のマイドーム大阪でそれぞれ人事セミナーを開く。IT技術や日本語、マナーなどを学び、選考に合格した現地の中国人大学生らを日本企業に紹介し、採用後のサポートも行う。
 IT業務の需要増加に反して、少子化や理系離れなどで日本人の就職希望者は減少。中国人をはじめとする外国人が重要な人材になるとみられている。青島ソフトパークはIT技術のオフショア開発や教育を行う。近くには青島大学など28の大学があり、日本企業へ就職を希望する学生も多い。
(掲載日 2008年09月29日)

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「給与の天引きは違法」ベトナム人実習生が提訴

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 国の外国人研修・技能実習制度で来日したベトナム人の男性(23)が26日、手当や給与の一部を不当に差し引かれたとして、就労先のトヨタ自動車の2次下請けの部品加工会社(愛知)と、受け入れ窓口の事業協同組合(岐阜)、制度を支援する国際研修協力機構(東京)に計約255万円の支払いを求め、名古屋地裁に提訴した。

 訴えによると、男性は平成17年9月に来日。毎月の研修手当や給与からは「管理費」名目の約4000円や、男性が居住していた社員寮の寮費が天引きされた。就労が禁止されている研修期間には残業代として1時間当たり約400円が支払われたが、当時の最低賃金の基準を下回っていた。

 男性は「天引きは法務省の指針や労働基準法に違反する」「最低賃金を下回る金額しか受け取れず、精神的苦痛を受けた」と主張。組合や機構には監督責任があるとしている。

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製造業派遣「正規雇用逃れ」への指導を強化 厚労省

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製造業で派遣労働者を3年の期限を超えて働かせる違法行為を規制するため、厚生労働省は26日にも全国の労働局に一斉通達を出す方針を固めた。派遣終了後にいったん契約社員などにしてから、再び派遣として雇う違法行為が09年に相次ぐ恐れがあるため、指導を強化する。

 大手製造業の工場では、06年に違法な「偽装請負」が社会問題化した結果、請負から派遣への切り替えが進んだ。その派遣労働者らが来年一斉に雇用期限を迎えるため、「09年問題」として企業は対応を迫られている。

 通達では、派遣を3年間受け入れたあとは、正社員や期間工などの直接雇用にするか、請負契約に切り替えるように要請する。

 特に、派遣会社が主導して、同一の派遣労働者を一時的な直接雇用を経て再び派遣に戻した場合は、職業安定法で禁止されている「労働者供給」にあたる可能性が高い、と初めて明記する。

 また、請負に切り替えてもメーカー側が仕事の指示を直接、請負労働者に出すと偽装請負になるため、あらためて注意を促す。

 労働者派遣法では、派遣が正社員を代替しないよう、一部の業務を除いて同じ仕事に派遣を3年以上使うことを禁じている。厚労省は指針で「派遣終了後、新たな派遣を受け入れるまでの期間が3カ月以内の場合、継続的な派遣とみなす」と定めている。

 派遣会社のなかには、この指針を逆手に取り、派遣期間の終了後、派遣先にいったん直接雇用させて、3カ月を超えた後に再び派遣に戻すことで、法の網を逃れようとする動きがある。同省はこうした行為を取り締まる方針だ。

 09年問題をめぐっては、キヤノンが子会社を含めて07年末に約1万2千人いた工場の派遣社員を、年内に半数ずつ期間工と請負に置き換える方針。コマツは08年3月に750人いた工場で働く派遣労働者全員を09年3月までに期間工に切り替える予定だ。

 派遣や請負に詳しい阿部正浩・独協大教授は「派遣は一時的な業務に限るのが原則。3年を超えるような業務は本来は内部労働者で行うべきで、低コストの派遣に安易に頼ってきたことが09年問題を生んだ一因。企業は外部人材を活用する業務の範囲を見直すことが必要だ」と話す。(生田大介)図●●コメント●●

EU:「多言語」推進 「外国語二つ習得を」移民の社会統合促す

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欧州連合(EU、加盟27カ国)の行政府・欧州委員会が域内企業の国際競争力を高め、移民の社会統合を促す観点から、EU市民による二つ以上の外国語の習得を目指す多言語政策を推進している。グローバル化時代を生き抜くすべとして、英語支配に対抗し、23もの公用語を抱えるEUの多様な言語状況を積極的に活用する戦略だ。しかし、移民の流入や言葉の扱いは帰属意識や民族主義と密接に絡むだけに一部加盟国にとっては頭痛の種でもある。【ブリュッセル福島良典】

 ◇域内5億人、175カ国の出身者、公用語23、地域・少数語60

 EUは02年にスペイン・バルセロナで開いた首脳会議で「母語以外にEU域内の二つの外国語を操れるEU市民の育成」を目指す言語教育目標を掲げた。目標達成に向け、これまでにEUレベルでの外国語教育や留学・交流の事業を導入してきた。だが、実際には「EU市民の半数は母語以外の外国語を話せない」(オルバン欧州委員)状況だ。

 EUは08年を異文化理解を促進するための「欧州異文化間対話年」と位置づけ、言語政策の拡充に取り組んできた。文化人と企業家がまとめた報告書に基づき、欧州委員会は今月18日、「多言語=欧州の資産と共通の取り組み」と題する政策文書を発表した。

 欧州委員会の調査によると、輸出に携わるEU域内の中小企業の11%が「言葉の壁」のために収益面での影響を受けている可能性があるという。一方、政策文書は「欧州企業の強みは英語以外の言葉だ」と指摘、ブラジル、中国などの新興国での欧州企業を支援するため、関係者が成功のノウハウを共有する協議体の創設をうたう。

 欧州委員会は多言語政策の推進を移民の統合促進や対外関係の強化につなげたい意向だ。政策文書は「社会に溶け込み、積極的役割を果たすためには言葉の習得は必須だ」として移民に受け入れ国の言語学習を促し、加盟国に対し移民が社会サービスを受けやすい環境作りを求めている。

 だが、欧州では域外からの移民流入を規制する動きが強まっている。EU内相会議は25日、不法移民の取り締まり強化で合意した。オランダなど一部加盟国は域外移民に言語試験や能力証明を義務付けており、人権保護団体から「途上国からの移民流入制限を狙った差別措置」などとの批判を浴びている。

 ◇「人々の懸け橋に」--通訳と翻訳家

 EUの多言語政策を黒衣として下支えしているのは欧州委員会の翻訳・通訳部門のスタッフだ。約1750人の翻訳家と約550人の通訳が書類や会議をさばく。両部門の予算はEU全体の約1%にあたる約11億ユーロ(約1700億円)で、EU市民1人当たり年約2・5ユーロに相当する。

 6年前に通訳部門から翻訳部門に移ったギリシャ人のヨハニス・イコノモさんは32カ国語を操る。「ハンガリーのお年寄りが欧州委員会に寄せた陳情の手紙から、ギリシャ国民の暮らしを変えるEU法案まで、翻訳で人々の懸け橋の役割を果たせるのがうれしい」

 多言語の習得を通じて知ったのは「いかに私たちが交じり合っているかという事実」だという。「例えばギリシャ語とポーランド語の『ティーカップ』の発音は似ている。自分の遺伝子にはポーランド人の祖先の記憶が刻まれているのかもしれない」と語る。

 英国に併合された過去を持つアイルランドでは国民の大半が英語を話すが、政府はアイルランド語の教育に力を入れている。政府の要請でアイルランド語がEUの公用語に加わったのは昨年1月。加盟から34年かかった。

 アイルランド人翻訳家のション・オ・リエンさんは「多言語を学ぶことでアイルランド人としてのアイデンティティー(帰属意識)が弱まることはなかったが、欧州人意識が強くなった。自分の中で二つの調和が取れている」と説明する。

 ◇「英語だけでは不十分」--多言語政策担当委員に聞く

 オルバン欧州委員(多言語政策担当)は毎日新聞と会見し、「国際競争力の点からも英語だけでは不十分」と多言語政策の意義を強調した。

 --欧州単一通貨ユーロは成功しています。なぜ言語は統一しないのですか。

 ◆幾多の紛争、戦争を体験した欧州の歴史的経緯からだ。かつての敵同士が平等な立場で交渉に臨むには相手の言葉と文化を尊重する仕組みが必要だった。加盟国民に母語で情報を提供するという民主主義の問題でもある。小国の文化も尊重され、誇りを持つことができる。米国と異なり、私たちは「単一の文化・言語」を推進するつもりはない。

 --英語をEUの共通語にすべきだと考える言語学者もいます。

 ◆国際的な意思疎通のため英語は一層、必要になっているが、企業や国家の競争力の点から見ても、英語だけでは不十分だ。日本、ブラジル、ロシア、中国などの言語の使い手は欧州には少なく、中小企業は言語能力を競争力につなげるノウハウを持っていないことが多い。今回、初めて域外言語の学習を促進する計画を始める。

 EU域内では人の移動は自由だが、言葉が障害になっている。他の加盟国で暮らし、働いている人の割合はわずか2%だ。EUには失業率が高い国も、労働力不足の国もある。労働者が多言語能力を身につければ就労機会が増え、労働力の適正配分にもつながる。

 --移民を社会に統合する効果は。

 ◆EU人口の約4%はアフリカ、中南米などの域外出身者だ。EUが豊かさを維持するには今よりも多数の移民が必要になる。移民が溶け込むには受け入れ国の言葉を話せることが前提条件だ。

 --欧州で地域主義、民族主義が高まっているように見えます。

 ◆EUは地域言語、少数言語を含め言語の多様性を推奨している。だが、人々が言葉を分離主義、民族主義、地域主義の道具に使うのには反対だ。

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 ■ことば

 ◇欧州の言語状況

 EUの東方拡大に伴い公用語の数が増加。域内には23の公用語のほかに約60の地域言語・少数言語を話す人々がいる。さらに、アフリカ、中東などから流入する移民が持ち込む言葉が加わり、多言語状況に拍車をかけている。EU域内には少なくとも175カ国の出身者が暮らしていると推定されている。また、EU加盟国民約5億人のうち約1000万人が他の加盟国で働いている。

毎日新聞 2008年9月27日 東京朝刊

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問題回避にむけたリスク管理

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中国の労務管理(5)

  頻繁に変更する中国の政策を除き、外資企業が最も頭を悩ませるのは労務管理の問題ではないでしょうか。ほとんど人は中国の法律が理解しにくいため、労務管理に影響がでていると答えるかも知れません。

  しかし実際は、企業で法律顧問を従えているのが通常なので多くの情報を入手できています。私からみれば、外国人管理者の方が一般的な中国人管理者よりも労働法規について詳しい傾向にさえあります。

  法規を知っているのに悩まされる。これは、多くの方が経験されていることですが、問題は中国人従業員を理解できていないことにあります。単純に法律に則って処理することは、最悪の結果には至らないまでも、最良の結果ではありません。問題発生時の判断基準として最も重要なのは人への理解です。

  具体的な動機が何処にあるのかを知ること、当該者やそれを取巻く環境から発する価値観、希望、欲、また問題を通じ広がる問題などを知ることにあります。

  しかし、外国人管理者の方々にとっては弱いところです。中国人の格差は激しく、個々の背景に基づく<習性、意識>は大きく異なります。仮に狭い上海を例に挙げても、年齢層、出身などによって考え方に差がでます。例えば、上海在住の外地出身者の仕事に対する意識といえど、外地から上海に来たばかりであれば、仕事の価値観は金銭が優先ですが、上海にも長く、家もありある程度安定した人や、裕福な家庭で育ってきた人であれば、ストレス軽減に重きを置きます。

  中国人にとっては、非常に単純明快なことでも外国人には思わぬ落とし穴となっていることは多々あります。

  人との間に起きた問題を解決する際に、<習性、意識>を見越した判断が必要とされます。本来であれば、問題を未然に防ぐ事が労務管理であるはずですが、残念ながら、多くの企業は問題が発生してから、労務管理の重要性を認知し慌てて、私どもへご相談にいらっしゃいます。

  それでも虫歯と同じく浅いうちであれば痛みを伴わない治療も可能でしょうが、進行した場合にはその激痛たるや皆様もご存知の通りです。できれば、そうならないように健診することが最も賢いことはご理解いただけると思います。

  問題が発生しないもしくは悪化しないためのポイントはいくつもあります。今回は、採用時点で注意することを以下に挙げます。

  1.自社の魅力をまとめる-まずは企業(職場)に人を惹きつける魅力がどこにあるのか、まとめてみましょう。

  2.仕事に必要な能力をまとめる-企業とその業務内容から判断し、この仕事に堪えうるのはどのような条件の人材なのか、希望ではなく必要スキルとしてまとめてみましょう。

  3.従業員間のバランスを認識する-これは年齢だけのものではありません。個人の家庭、教育なども関係します。

  簡単には上記3点ですが、残念ながら心掛けている企業が非常に少ないのが現状です。原因は至って簡単です。人事部がいてもそのような問題意識を持っていない、もしくは浸透されていないということです。

  では、どうすればきちんと活用できるようになるのでしょうか。採用にいたるサービスを提供するのは仲介会社が多いのですが、ノウハウの提供には至っていません。仲介会社の問題ではなく需要と供給の原理に基づいています。採用活動に際し企業が求めているのは、単なるサプライヤーの機能です。

  多くの会社に委託をだし、そこから自分の好みで選ぶ、仲介会社を自社の人員戦略の遂行を担うパートナーシップとはみなしていません。信頼できるアウトソーシングを上手に使う。これもまた、問題回避にむけたリスク管理といえるのではないでしょうか。

筆者:趙峰(IMPAC 上海インパク企業管理諮詢有限公司)
提供:ウェネバービジネス

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外国出身児に日本語支援 小中学校に専門家派遣(秋田)

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日本語を十分に使いこなせない外国出身の小中学生たちにマンツーマンで日本語を教える専門家「日本語指導支援サポーター」。子供たちは、日常会話や日本語の基礎をマスターし、学校生活になじめるようになる。しかし、学力向上や高校進学には課題も残る。(糸井裕哉)

 秋田市中心街の中通小学校。6年生20人ほどが学ぶ教室で、日本語指導支援サポーター藤原暁子さん(61)が、隣りに座る荻原ケイさん(12)に静かに声をかけた。

 「見積もりって言葉、意味わかる?」。「大丈夫だよ」。うなずいたケイさんは、ノートに掛け算の答えを書き進める。

 授業中、藤原さんはケイさんに密着し、「ポカポカ」を、「あたたかい」という言葉に置き換え、擬態語など外国出身者に理解が難しい言葉を教えている。休日に一緒にイベントへ出掛けることもある。

 ケイさんは昨年3月、フィリピンから秋田市に移り住み、小学3年の弟ショウ君(9)とともに中通小でサポーターらの指導を受けている。

 ケイさんは来日当初、日本語がまったくわからなかったが、今では、日常会話に不自由しなくなった。合唱部で部長を務め、楽しく学校生活を過ごしている。

 ケイさんは「厳しい時もあるけど、サポーターが近くにいてくれて心強い」と笑顔で語った。

 松田行正校長(56)は「サポーターが子供の相談相手になり安心感を与え、日本語習得のスピードが上がっている」と評価する。

 秋田、横手、能代など県内13市町は、日本語指導支援サポーター制度を導入し、42人の外国出身の小中学生を指導している。出身国の内訳は中国が約50%、フィリピンが約40%を占め、予算は県と市町が半分ずつ負担している。

 秋田市は7年前から導入し、今年度は8小中学校に10人のサポーターを派遣。サポーターには、日本語教育能力試験の合格者や、日本語教師養成講座の修了者、ボランティア団体での指導経験者など、日本語教育の専門家が登録している。

 派遣校では、あいさつやひらがなの読み書きなどの基礎を学ぶ授業と、専門用語など理解が難しい言葉を教える授業の2段階に分け、日本語の基礎教育を徹底して行う。1年間授業を受けた後は日常会話に不自由しなくなる子供が大半で、トップクラスの成績を修める中学生もいるという。

 しかし、秋田市のあるサポーターは「見た目にはわからなくても圧倒的に語彙(ごい)が少なく、副詞など微妙な概念を理解できない子がほとんど」と言う。サポーターらによると、子供が日常会話に困っていないため、小学校の側が支援は不要と判断し、保護者が指導を望んでも、サポーターの派遣を断るケースもあるという。

 また、県内の高校にはサポーター制度がなく、高校入試も一般生徒と同じ内容のため、全日制高校への進学は難しく、定時制や通信制に進んだり、進学をあきらめたりするケースがあるという。

 藤原さんは「会話能力が高いことは、学力があることと同じではない。生徒が日本語を話せるからといって安心せず、授業内容の理解を深めていく努力を、学校を交えてより深く行っていく必要がある」と訴えている。

(2008年9月29日  読売新聞)
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中国語圏にむけてアキバ情報発信!秋葉原情報総合サイト『アキバOS 中国語版』

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株式会社アースリング(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:山浦宗春)は、株式会社秋葉原総合研究所(東京都千代田区、代表取締役:寺尾幸紘)との提携により、秋葉原総合情報サイト『アキバOS』の中国語(簡体字)版(http://cn.akibaos.com/)を開設いたしました。

『アキバOS 中国語版』ではマンガ、ゲーム、フィギュア情報を中心に、秋葉原をテーマに世界最先端の日本のサブカル・オタク情報を中国語で日々発信いたします。また日本国内のイベントレポートはもちろん、中国国内で行われるイベントのレポートも発信していきます。既に、7月に開催された中国最大のゲームショウ『China
Joy』と提携し、上海のオタク事情を含めて日本人視点からレポートいたしました。
http://cn.akibaos.com/?cat=34

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クアンビン省:「バン温泉保養観光区」が着工

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北中部クアンビン省人民委員会とドンズオン社は23日、同省レトゥイ郡キムトゥイ村で「バン温泉保養観光区」を着工した。第1期工事(2011年まで)の投資額は2530億ドン(約16億3000万円)。

 ドンズオン社によると、同保養観光区にはビラ地区、高級保養地区などを環境に配慮して建設するという。バン温泉の源泉の温度は105度に達する。同省人民委のファン・ラム・フオン主席は、「観光分野は省の経済にとって重要な柱だ。バン温泉保養観光区はフォンニャ・ケバン国立公園などと並んで人気のある観光地になるだろう」と語った。

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三井住友銀とNEC、上海で日系企業向け外貨決済サービス

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 三井住友銀行とNECは2008年9月26日、中国・上海で輸出入業務を行う日系企業を対象とした通関時の外貨決済サービス「EDI外貨決済サービス」を10月から開始すると発表した。外貨決済を正確かつ迅速に処理できるようになるという。

 新サービスは、NECと中国の上海日電快通管理咨詢(NECSCM)が構築した輸出入の税関手続きを効率化する「迅速通関サービス」のシステムと、中国独自の資金決済および通関証明管理に対応した三井住友銀行の「統合貿易財務管理システム」を連携させて実現する。

 新サービスの利用企業は、送金依頼書や付帯書類の自動作成が可能になり、銀行での外貨決済手続きを正確かつ迅速に進められる。通関実績データを通関の翌日に取得できるほか、通関データと送金データをシステム上で連携できるため、社内システムでのデータ処理の迅速化や内部統制の強化につながる。

 これまで、中国で企業が通関時に外貨決済の手続きをする際は、まず通関代理業者から通関書類が届くまでに数週間待たされ、そこから外貨決済にかかわる業務を手作業でこなすためさらに時間がかかっていたという。

 三井住友銀とNECは、まず上海税関を通関する輸出入取引を対象にサービスを始める。その後、江蘇省、浙江省の通関取引にも対象提供を広げる計画だ。

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中国共産党、10月9日から三中全会

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中国共産党は28日、政治局会議を開き、第17期中央委員会第3回全体会議(三中全会)を10月9日から12日まで北京で開くことを決めた。主要議題は「農村改革」で、政治局会議では「十数億人が生活する問題の解決は治国の最重要事項」とし、農村対策を強化する方針を確認した。
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110番・119番:出入国管理法違反容疑で中国人2人逮捕 /熊本

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 11日、熊本市本山1、鉄筋工、趙玉福容疑者(33)を資格外活動容疑▽26日、同所、鉄筋業、邱立君容疑者(32)を不法就労助長容疑で。趙容疑者は法相の許可を受けずに、4月24日ごろから9月10日ごろまで熊本市内の新幹線工事現場で働いて報酬を受け、邱容疑者は就労資格がないのを知りながら働かせていた疑い。趙容疑者は昨年1月、外国人研修生として来日し、千葉県で技能実習生として働いていたが、4月20日ごろに逃げ出し、邱容疑者のもとに来ていた。(熊本南署調べ)
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「究極のNetbook」とはどのようなものか

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本家/.の記事より。ASUS eeePCの成功を受けて、最近日本でもブームのNetbookだが、TrustedReviewsが「究極のNetbook」がどのようなものであるかについて興味深い記事を掲載している。いわく

Netbookという「問題」を解くにはどうしたらよいのだろうか? 私が思うに、ほとんど全てのラップトップ製造業者がすでにこの分野に乗り出してきているにも関わらず、どれも私が考える「究極のNetbook」の姿からは程遠い。これは部分的には、Netbookというものに何が期待されているのかつい最近まではっきりとした共通理解がなかったことに由来しているのだろう。一方で、製造業者がマーケットシェア獲得のために押し合いへし合いするのに忙しくて、細かいところまで考えを回らせる余裕がなかったせいでもある。
このあと記事では、デザインや入力デバイス、スクリーン、CPUやグラフィックスの能力などについて現状を一つ一つ検討している。/.J読者の中には一台のみならず何台も各社のNetbookを買ってしまった剛の者もいそうだが、買って試してみた上でのあなたの「究極のNetbook」像を聞かせていただきたい。

バッテリーで8時間以上稼働し、1280x768の解像度のモニタを備え(タッチパネルならなお良し)、重量は1kg未満で、DOS版モバギのサイズとKBを両立し、802.11gとSDHCカードスロット/USB2.0ポートを内蔵し、H.264の動画を苦もなく再生できる……ってんなら、私にとっての究極に近いが…。いずれの機種も微妙にスイートスポットを外しているので、その「ヤキモキ感」を楽しむのもまた、一興かもしれない。

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