2009-11-27

来春の就職 大苦戦

:::引用:::
《高校生4割大学生6割 内定まだ》

 世界的な不況のあおりで、県内でも来年3月に卒業予定の高校・大学生の就職状況が大幅に悪化している。長崎労働局によると、10月末時点で高校生に対する県内の求人は1870人(昨年同月比32・4%減)にとどまった。大学生に対する県内外の求人は5万524人(同9・3%減)だった。内定率は高校生で61・7%(同8・4ポイント減)、大学生で40・9%(同10・0ポイント減)と大きく落ち込んだ。大学生の場合、10月1日現在の全国の内定率は62・5%、九州全体は59・7%だった。

 長崎労働局職業安定課の浜本和之・地方職業指導官は「昨年秋のリーマンショック以降、景気が回復しないことに加え、内定取り消しが問題になったことで、企業は採用に慎重になっているのではないか」とみている。

■東京などの面接 旅費自腹で断念

 長与町の県立大シーボルト校では、4年生の現段階の内定率は約70%と、例年よりも10ポイントほど低いという。中でも、9月に企業から寄せられた求人数は例年の3分の1程度にとどまっている。

 大分県出身の4年の女子学生(21)は、まだ内定が得られていない。春先から就職活動に専念しようと、二つ掛け持ちしていたアルバイトを一つに減らした。ところが、毎週のように福岡に就職セミナーに通ううち、貯金が底をついた。

 交通手段は鉄道よりも安いバスを使い、ネットカフェに宿泊するなどしてきたが、「このまま就活を続けられるのだろうか」と不安を募らせている。一次選考を通った企業もあったが、大阪や東京で開かれる面接に行く費用がなく、あきらめた。「お金があったら、きっと内定もらえてたと思う」

 就職課の古賀優課長は「とにかく求人が少なく、学生はやりたい仕事ばかりを追い求めていられない状況」と話す。職種や勤務地などにこだわらず、幅広い視野を持って仕事を探すようアドバイスしている。

 長崎大学では、4年生の内定率(10月1日現在)が昨年に比べて13・45ポイント減少した。不況の影響で、長崎での説明会を控えたり、選考の際に学生の旅費を出さない企業も増えているという。学生支援課の苑田利弘・就職支援班長は「地方大学にとってはとりわけ厳しい状況になっている」と話している。(安倍龍太郎)
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