2009-01-06

ジャパンクール:アニメやマンガで日本に興味 外国人向けツアーも

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 07年に日本を訪れた外国人は年間834万7000人。神社仏閣など従来の観光施設も人気だが、アニメやマンガに代表される日本のポップカル チャーという新たな「和」の側面に興味を持ち来日する外国人が増えている。京都では06年11月、国内初のマンガ博物館「京都国際マンガミュージアム」が オープン。来館者の約15%が外国人と、世界から注目を集める古都の新観光名所となっている。【細川貴代】

 ◇「もう一つの日本」にも興味

 同館の書架には約5万冊のマンガがぎっしり。階段や床に座ったり、芝生に寝転がってマンガを読みふける外国人の姿も見られる。オーストラリア人夫 婦は、2週間の日本旅行中に来館。夫のジョフリー・マットさんは「英語のマンガを読みたくて来ました。日本にこんな所があるなんて驚き」と、英語版「金田 一少年の事件簿」を購入した。アイルランドのアニメーター、クリードナ・リオンさん(27)は「日本のマンガは物語性に主体を置いていて、描写も細かい。 興味深いですよ」と笑顔を見せた。

 京都市と国内唯一のマンガ学部のある京都精華大が共同運営し、研究機関の機能も兼ね備える。昨年8月には約50カ国から約5万人が来館。海外からの視察・取材も80件以上にのぼり、マンガ文化への視線は熱い。

 同館ではコスプレイベントも不定期に開催され、コスプレーヤーに交じって楽しそうに写真を撮る外国人も見られる。同館広報の中村浩子さんは「マンガ技法を学ぶワークショップ参加や、『日本語のマンガを読みたい』と訪れる外国人が多い」と話す。

 大手旅行代理店もアニメ人気に注目した外国人対象ツアーを手がける。JTBグローバルマーケティング&トラベル(東京都)は昨年10月、秋葉原の アニメグッズ店やメイドカフェなどを訪れるツアーを企画。ジブリ美術館(東京都三鷹市)へのツアーも第2位の人気となるなど、世界に広がるマンガ、アニメ の力強さを裏付ける。

 京都国際マンガミュージアムの表智之研究員は「日本のマンガの特徴は多様性と表現技法の細かさ。仏、米国では限られた層を対象にしたものしかないが、日本ではあらゆる性別・年代に向けた作品がそろっており、それが外国人の興味をひいている」とみる。

 日本を代表するキャラクター、「ハローキティ」も世界中で愛されている。キティは74年に誕生したサンリオ(本社・東京都)のキャラクターで、こ こ10年でファッションモデルなどが火付け役となり、海外でも大人気。世界約70カ国で年間5万種類のキャラクターグッズが販売されている。

 大阪・心斎橋のサンリオギャラリー(大阪市中央区)は訪問客の約4割が外国人観光客で、着物姿のキティなど和風商品も多数そろえる。多くはアジア系外国人で、土産用に「メード・イン・ジャパン」の小物類を求める傾向が強いという。

 アニメやマンガはゲームやフィギュア、キャラクター、ファッションなどに至るまで波及し、「Cool(かっこいい)」と注目を集める。「ジャパン クールと情報革命」の著者の奥野卓司・関西学院大教授(情報人類学)は「マンガに代表される日本のポップカルチャーが生まれた背景には、江戸時代から続く 日本文化の流れがある。日本の文化環境は独特で、これこそ他国にはないジャパンクール(かっこいい日本のもの)の源泉だ」とする。

 ◇「『坊っちゃん』の時代」の漫画家、谷口ジローさんに聞く

 「ドラゴンボール」「NARUTO」など海外で高まるマンガ人気。「『坊っちゃん』の時代」の作者、漫画家の谷口ジローさん(61)は細やかな作風が特徴で、海外にもファンが多い。そのマンガ人気について聞いた。

 自分のマンガが海外で人気の理由を聞かれるけれど、正直なところよくわかりません。外国の人には「物語が普遍的」「日常を描いたところが、これま での日本の翻訳マンガと感じが違う」と言われます。描きたい物語をわかりやすく描いているだけだったので驚いています。自分のマンガの特徴の一つは、背景 と人物の表情をしっかりと描き込むところでしょうか。背景には登場人物の心情も語らせる要素があると思うんですよ。現在の絵柄はいろいろと模索を繰り返す 中で生まれた手法ですが、そういう明確な表現が海外の読者にも理解され、きっちりと読まれることで評価してもらえているような感じがします。

 マンガはどの国の人にもわかりやすく、表現媒体としても優れていると思います。今後もマンガの表現の可能性は大きいんじゃないかな。それは海外から評価を受けて感じたことです。

◇プロフィル

 谷口ジロー(たにぐち・じろー)漫画家。1947年、鳥取県出身。現在、漫画アクション(双葉社)で「センセイの鞄」(原作、川上弘美)を連載 中。約15作品が欧州を中心に海外で翻訳出版されており、「遥かな町へ」「父の暦」がフランスやスペインで国際的な漫画賞を受賞している。


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