2009-09-09

日系企業が「上海夏まつり」 中国市場開拓に向け手作り

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 【上海=河崎真澄】アニメだけでなく幅広い日本文化に興味をもってもらおうと、上海在住の日本人ビジネスマンらがこのほど、遊び心たっぷりの「上海夏まつり」を手作りで開いた。中国の若い消費者に照準をあてた「日本ブランド」の浸透作戦の一環で、招待された約300人の若者が盆踊りなど伝統を取り入れた遊びを楽しみながら、日系企業約35社が提供した商品やサービスを吟味した。

 オークラガーデンホテル上海が無償提供した野外庭園で5日に開かれた夏祭りでは、あや取りや福笑い、羽子板など、日本の伝統的な遊びを参加者に紹介する一方、キリンビールやカゴメ、日清食品などが自社製品をアピールした。一番人気はレンタル会社のエイトレントが貸し出した浴衣と帯、ゲタのセット。着替えを終えた後、マンダムが髪を仕上げ、キヤノンが特設パネル前で記念撮影をした。いずれも無料だ。

 浴衣姿や日本ファッションを競うコンテストに参加した何佳美さん(22)は、「中国と異なる日本人の“心づかい”が表れた商品やデザインが好き」と目を輝かせた。海外の流行に敏感なネットユーザーが集まるブログで知られる張潜さん(24)も、「日本のファッション感覚は中国の若者にとって欧米より親しみやすい」と話す。この日は浴衣の着付けセミナーや日本酒の利き酒、盆踊り大会なども開かれた。

 夏まつり開催の背景について、事務局を務めたジェトロ上海センター経済信息部長の志村和俊氏は「日系企業が1社で中国市場の開拓を狙っても成功は容易ではないが、企業同士が横の連携を強めれば『日本ブランド』浸透も難しくないと考えた」と話す。 ブースを出展してビールの早飲み大会も行ったキリン(中国)投資の小部敏夫社長は、「本心では日本のことが好きな中国の若者は少なくないはず。そうした若者が声を上げられる場を提供していくことが大事ではないか」と、「日本ブランド」作戦の継続に意欲をみせていた。関係者は夏まつりを手始めに、中国市場開拓に向けた日系企業の協力関係を広げる考えだ。

 公的機関や団体が主催していない手弁当の「日本まつり」は上海で初めてという。志村氏自身も個人で参加したが、今回のイベントを手始めに、中国市場の消費動向では先端を走る上海の若者をターゲットに、日系企業の販売コラボレーションを手がける方針だ。
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