2008-05-23

外国人看護師 定着へ態勢を整えよ

:::引用:::
今年の夏、インドネシアから看護師と介護士として働く人たちが来日する。二国間協定に基づくもので、外国人の看護師・介護士の本格的な受け入れは初めてのケースである。

 看護や介護の現場は人手不足とともに、労働条件の厳しさも指摘されている。受け入れを歓迎する声の一方、慎重論もある。

 安心して働くことができる環境整備が欠かせない。政府の姿勢だけでなく、施設や病院の対応も大事になる。

 日本とインドネシアは昨年8月に、貿易拡大などを目的に経済連携協定(EPA)に署名した。関税撤廃を柱とする自由貿易協定(FTA)に加えて、サービス、投資、人の移動の拡大など幅広い内容を含んでいる。

 看護師・介護士の受け入れも合意の1つだ。2年間で看護師が400人、介護士が600人の枠となる。両国の仲介機関を通じて、希望者と受け入れ先との組み合わせを決め、7月から8月にかけて来日する予定だ。

 国境を越えて職業が選択できることは、前進と受け止めたい。ただ、看護師・介護士の受け入れについては、十分に論議が尽くされたとは言えない。積み残した課題に丁寧に向き合いたい。

 1つは、日本側のハードルの高さである。半年間、日本語などの研修を受けた後、看護師の場合は、病院で助手として働く。3年以内に日本の国家試験に合格しなければ継続できない。介護士を希望する人は4年以内が条件だ。

 来日する人は、インドネシアで看護師の資格を持つ人たちである。専門家とはいえ、言葉や習慣などが異なる日本で働きながら勉強をして、国家試験に合格するのは容易ではない。

 希望を抱いて日本を訪れた専門家たちに対して、結果的に一定期間、手伝いをさせることになりかねない。定着に向けて、条件を緩和するなどの工夫をしたい。

 施設側の対応もポイントだ。厚生労働省は▽働きながら国家試験に合格できるように研修責任者を配置し、研修計画を作成▽賃金は日本人と同水準を保証-などの指針を示している。

 人手不足や忙しさを理由に、インドネシアの人たちの環境を悪くしてはまずい。職場で十分に話し合い、きちんとした態勢づくりをする必要がある。

 受け入れる以上、働く人たちの人権が保障されなければならない。労働環境全般の改善にもつながる課題である。
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