2008-05-21

人材派遣各社 社員の福利厚生強化 子育てやストレス解消サービス

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人材派遣業界で、派遣社員向けの福利厚生やサービスを充実させる動きが広がっている。各社とも従来、英会話など研修に力を入れてきたが、企業の正社員採用 の急増を背景に、育児中の女性向け子育て支援プログラムや、ストレス解消のための派遣社員向けのサロン運営などあの手この手で、人材確保に躍起になってい る。

 ■主婦層掘り起こし

 フジスタッフは東京、千葉などで6店を展開する母親と未就学児童が楽しめるカフェ「スキップキッズ」で、「ママのための再就職セミナー」を今月 末から定期開催する。「子供が体調を崩したとき、どうするべきか」といった子育ての悩みや、仕事探しの不安解消を手助けすることで、子育てしながら働きた い主婦の潜在需要を開拓する。

 東京・表参道に面したガラス張りのテラス「倶楽部PASONA表参道」。アロマの香りが漂う“癒やしの空間”は、人材派遣大手のパソナが昨年4月にオープンした派遣社員向けのサロンだ。このところ、休日もにぎわっている。

 レストランやフットマッサージといった福利厚生サービスのほかに、ジュエリーデザイン教室など趣味の講座も開かれる。夜にはカフェバーも登場し、まさに“至れり尽くせり”のサービスが受けられ、「一日がリラックスして過ごせる」と好評だ。

 派遣社員は派遣先の福利厚生サービスが活用できないため、パソナは「手厚いサービスで派遣社員に安心感を与えたい」と狙いを話す。開設以降、平均契約期間は伸び続けており、「契約者の帰属意識が高まっている」と手応えを感じている。

 テンプスタッフも主婦層を掘り起こす。昨年11月、東京・代々木に女性の再就職支援施設「テンプアップ」を開業した。

 「子育て中も働きたいが、保育園が見つからない」女性のために、4階建て施設のうち1、2階に保育園を開設、上層階にパソコン操作を学べるトレーニングルームやビジネスマナー講座、証券外務員など資格取得講座も開催し、「働くことへ一歩踏み出して欲しい」と話す。

 ■差別化展開がカギ

 各社がサービス強化に乗り出しているのは、新卒の正社員採用が増え「派遣社員の中心だった20、30歳代の女性が集まりにくくなっている」(大 手派遣会社)ためだ。流通や外食でもパート社員の正社員化が相次ぎ、派遣社員を絞り込む可能性が指摘され、今後の労働力減少に伴い、派遣業界が淘汰(とう た)の波にさらされるとの危機感もある。

 今後は各社とも仕事の紹介に加え、「いかに差別化に向けたサービスを打ち出せるかがカギ」となりそうだ。
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