2008-07-29

WELLCOM 人材派遣業界に“新風” モデルやCA経験者を秘書に

:::引用:::
■転身願望にこたえる

 モデルやキャビンアテンダント(CA)経験者に英会話や簿記を学ばせて、企業に派遣するユニークな人材サービスが登場し、注目されている。秘書や受付を 企業に派遣しているWELLCOM(東京都新宿区)が始めた。人材派遣業界は、企業の新卒採用の増加やグッドウィルが内部不正で廃業に追い込まれるなど競 争が激化しており、華やかさと実務能力を兼ね備えた「個性派ハケン」で生き残りを図る作戦だ。(昌林龍一)

 ≪「美職検定」を考案≫

 転身を目指すモデルやCAは、WELLCOMが開催する秘書検定2級や日商簿記3級などの資格を取得するための講習会を受講する。公的検定以外 にも登録3カ月後に同社が考案した「Bishoku(美職)検定」(1、2、3級)と呼ぶテストを受けて、企業の求める能力水準に合わせて派遣される。

 モデルやCAにとっても新たな雇用の場につながるとあって今年3月20日から登録募集を開始し7月までに約400人が登録した。このうち7割が「美職検定」を突破、7月現在で40社に50人が派遣されている。

 「営業事務経験者として派遣したところ華やかなイメージが幸いして派遣先の営業部の売り上げが良くなった」(WELLCOM広報担当)と派遣先にも好評だ。

 ユニークな派遣システムを開発したきっかけを同社クリエィティブプランニング部長の蓑手(みのて)晶子さん(28)は、「同窓会で会ったモデル の友人に『今の若いモデルは脚が長く、20代半ばを過ぎれば新たな選択肢も考えなければならない』と相談された。モデルなどが企業に転職するために実務を 学ぶ場の需要があると思った」と話す。

 一見華やかな職業のように見えるモデルやCAも競争は厳しい。一般的に容姿が良いモデルやCAには、“永久就職(結婚)”という道がありそうだ が、消費社会研究家の三浦展(あつし)氏(49)は、「景気悪化で、結婚しても専業主婦でいられるとは限らないことをモデルたちは気づいている。企業勤め の経験のない彼女たちが就職するには資格を取る必要がある。CAも昔より給与水準が下がっている割にはハードな仕事。一般企業への転職を考える人も増えて いる」と指摘する。

 ≪求められる華やかさ≫

 派遣元も派遣先も容姿を採用の条件にするのはタブーだ。だが「同じ能力ならば受付などの場合は容姿が良い方が企業のイメージアップにつなが る」(外資系企業の派遣採用担当者)というのが企業の本音。派遣を受ける企業側にとっては、モデルやCA経験者であれば華やかで接客も慣れているという安 心感もある。

 「現代はプレゼンテーション社会。イメージがものをいう。企業側も、なるべく華やかな派遣社員を採用したいだろう」と三浦氏は分析する。モデル やCAで高まる転身願望と、華やかな派遣社員を採用したい企業側のニーズが合致したことがユニークな人材派遣サービスを生んだといえそうだ。
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