2009-07-24

投資家7割 中国「買い」 1000人調査 6割「日本の将来を悲観」

:::引用:::

 世界の投資家の3分の2以上が中国とインド市場の先行きに明るい展望を描く一方で、6割以上が日本の将来に悲観的であることが、ブルームバーグ・ニュースの第1回世界金融投資家・アナリスト四半期調査で明らかになった。昨秋のリーマン・ショックで混乱した金融市場が安定に向かうなか、積極的な投資スタンスの投資家は3分の1にとどまり、投資家心理の回復にはなお時間がかかることも浮き彫りになった。

 ≪46%慎重姿勢なお≫

 調査結果によると、主要国、地域別の投資環境に対する評価は新興経済国と日米欧の先進国とで明暗を分けた。

 新興市場を「最も利益が見込める地域」と回答した割合は40%を占め、先行きを楽観する市場としてそれぞれ回答者の70%が中国を、3分の2がインドを挙げた。これに対し、先行きを悲観している国の上位は東欧が71%、西欧が67%、日本が62%、米国が55%の順だった。

 「最も大きなリスクにさらされる市場」としては44%が欧州、20%が米国を挙げ、米国と欧州の景気回復を疑問視していることが裏付けられた。

 野村ホールディングスのオプショントレーダー、オムリ・ビアー氏は中国経済について「政府によって管理、運営、支援されており、先行きに展望を持てる」と説明した。

 調査を担当した米調査会社セルザー(アイオワ州)のJ・アン・セルザー社長は、「投資家は、米国の現在の投資環境について上振れ傾向よりは下振れ傾向にあるとみている。最善の投資機会は米国以外の国にあるようだ」と述べた。

 一方、世界経済の現状を踏まえた上での投資スタンスについて、金融危機前の通常時の状態に戻りつつあると回答した割合は18%、収益機会が拡大しているため、リスクをいとわずに投資に向かうと回答した割合は35%だった。これに対し、引き続き慎重に臨んでいるとした割合は46%だった。

 米ロサンゼルスで1400万ドル(約13億956万円)を運用するヘッジファンド、ベンチューラ・キャピタル・マネジメントの経営者、ウジ・ジマーマン氏は、同地区の住宅差し押さえ件数や失業率などを根拠に米国経済の将来に悲観的な見方を崩していない。「カリフォルニア州は破綻(はたん)寸前だ。経済状況は今後も引き続き悪化するだろう」と話した。

 ≪市況商品に妙味≫

 大半の投資家は世界的な経済危機の影響を振り払いつつあり、その多くが中国とインドを中心に収益確保の機会を探っている姿をうかがわせた。

 また、来年にかけ、最も大きなリターンが見込める投資商品として、株式が全体の約3分の1、市況商品(コモディティー)28%の支持を集め、回復への信頼感の高まりを反映した結果となっている。

 回答者の一人、英バンテージ・キャピタル・マーケッツ(ロンドン)の債券ブローカー、アンソニー・ギブズ氏は、「世界市場は拡大しており、中国人の所得水準はどんどん上がっている。世界の人口は減少どころか増え続けている」と指摘。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国の成長と輸入需要の伸びを理由に、商品相場に対し強気の見方を示した。(Robert Schmidt)

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 ■調査の概要

 世界の投資家・アナリストを対象に今月14~17日に実施。ブルームバーグのサービスを利用している投資家らの中から無作為に1076人を選び聞き取りで調査した。許容誤差はプラスマイナス3%。
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