2007-08-27

IT技術者面接のコツ──最高の管理者を採用するにはについて

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IT技術者面接のコツ──最高の管理者を採用するには

IT管理職にとって人材を採用する過程で最大の課題は、最高の技術を持った適切な技術者を適職に配置することだろう。候補となる人材の専門技術分野ばかりに注目する採用担当者も多いが、ヒューマンスキルを考慮することも同じくらい大切だ。

 わたしの経験では、技術者の面接は、候補となる人材の技術力評価とコミュニケーション能力評価という2段階に分けると最もうまくいく。資格それ自体は必ずしも技術力を示す最高の指標になるわけではないが、面接はまず最初にMCSEMCSDといった資格や適切な職務経歴があるかどうかに焦点を当てるといいだろう。

 採用過程におけるヒューマンスキルの方だが、わたしは長年にわたってWindowsシステム、ネットワークおよびデータベース管理者の採用に携わ り、主に2つの教訓を学んだ。コミュニケーション能力に着目すること、および人は常にナンバー1を目指すものだということ忘れてはいけないということだ。

人材採用のポイント:コミュニケーションスキルに着目する

 人格評価に当たっては、相手の動機が何なのかを探ることだ。その人物は組織になじんでくれるのか。一緒に働きたいと思うか。世界一高度な知識を持 つActive Directoryエンジニアや、Vistaのことなら何でも知っているという人材がいたとしても、コミュニケーション能力がなければ、その人物が自社に 溶け込んだり、緊急事態に対処する気になってくれることを期待できるだろうか。コミュニケーション能力とは言葉以上のものだということは念頭に置いておき たい。対人関係能力、常識、文章によるコミュニケーション能力も含まれるのだ。

 では、どうしたら適切なヒューマンスキルを持った人材を見分けられるのか。明確な理論は存在しないが、採用面接で技術者のヒューマンスキル評価の助けになるポイントを以下に挙げる。

状況分析

 実際のITの状況を提示し、自分の技術を使ってその問題をどう解決するかを尋ねる。例えばWindowsシステム管理者の採用面接であれば、新機 能のPowerShellを使って自分の仕事の効率をどう上げるかを尋ねてみるといい。緊急時のコミュニケーション能力を測るには、問題について同僚と連 絡を取るための段階を追ったアクションプランの提示を求める。緊張状態の中でその人物がどんなコミュニケーションを取るかを見極めよう。もし質問に答えら れなかったり、答えが分からないということを認めようとしなければ、それまでだ。

組織への順応

 一緒に仕事をしてうまくいくのは、大抵の場合は困難なときに互いに結束して協力できる人物だ。自社全体のことを理解し、新しく採用する人物が既存 のチーム力学に順応できるかどうかを見極めることが重要だ。チームの全員が親しくなる必要はないが、応募者の人格と仕事のスタイルがチームと合っている か、または補完するものになるかどうかを見極めよう。

人材採用のポイント:人は常にナンバー1を目指す

 何が動機となるかは人それぞれだが、共通して言えるのは、人は常にナンバー1を目指すということだ。たとえ自分が世界一の上司だったとしても、世 界一の会社に勤めていたとしても、人は自分にとって大切なことを達成し満足するための方法を探そうとする。それは金銭かもしれないし、昇進の可能性もあれ ば、新しい技術を学ぶこと、困難なプロジェクトに取り組むことかもしれない。採用面接を終える段階でその人物の動機がはっきりと理解できれば、その人物が ふさわしいかどうかを判断できる段階に来ているということだ。

 応募者の動機を見極める一助として、わたしは以下のような質問を使っている。

応募の動機は何か

 その人物が自社にいてくれる動機は何か。Windowsシステム管理者を採用する場合、この会社で働くことを、自分のキャリアで次の段階に進むた めの挑戦または好機と見ている応募者の方がうまくいく可能性がある。一方、その人物が何を動機としてこの会社に残ってくれるのかがはっきりと見えない場 合、ただ仕事が必要だから応募しているだけで、自社が提供するチャンスに胸躍らせているわけではないことを示しているのかもしれない。

収入アップだけが動機なのか

 その人物が求めているのは収入アップだけなのか。わたしはかつて、採用面接中に、今の会社を辞める理由は自分の思うようなスピードで昇進できない からだと話した人物を採用したことがある。この男は働き始めて3週間で、突然辞めてしまった。後に分かったことだが、元の勤務先が昇進させるからといって 呼び戻したのだ。その人物がなぜ自社に応募してきて、なぜ履歴書をばらまいているのかを理解できれば、長い間その職にとどまるつもりのない人物を見極める 一助になるだろう。

応募者の関心をそそる質問を

 採用の過程で、応募者の関心をそそるような事項を盛り込んだか。わたしがよく使う手は、採用条件通知書の中でインセンティブを確立することだ。例 えば移行のリーダー役となるActive Directory専門職を採用する場合、移行が無事完了した場合の付随条件として5000ドルの一時金を付ける。特定のプロジェクトに携わるのでなけれ ば、一定の評価期間を設定し、その期間が過ぎたら勤務評定を受け、給料が上がる可能性を示しておく(例えば「3カ月後に勤務評定を実施し、この時点で給与 についても検討する」など)。

 保証があるわけではないが、最高の技術と優れたコミュニケーションスキル、適切な動機を持った人物を見つけることは、自分にとっての成功の鍵となるかもしれない。


●●コメント●●
IT人材で必要な資質、それを見極める人事担当者の力

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