新介護地獄
介護保険制度がスタートしてから7年余り。家族が犠牲になるかつての“介護地獄”は軽減されてきたが、介護現場では、低賃金で重労働を強いられる介護職員の離職が大きな問題になっている。
超高齢社会に入り、このままでは介護人材が決定的に不足し、保険あってもサービスなしの“新介護地獄”が起きかねない。介護の質を向上させるとともに、介護職員の待遇改善を急ぐべきだろう。
介護労働安定センターの2006年度調査によると、1年間に約5人に1人の介護職員が辞めた。パートの多いヘルパーより、介護施設で働く介護職員の離職率が高い。
これは福祉関係の専門学校などを卒業し、やりがいを感じて施設に就職したものの、予想以上にきつい労働実態と、労働に見合わない待遇に希望を失う若者が多いためだといわれる。
実際に、最も多い退職理由は賃金への不満。施設介護職員の平均月給は約19万円。フルタイムのヘルパーと同水準だが、全産業の平均約33万円とは大きな開きがある。
介護施設が職員を募集したが、応募者はゼロ。コンビニの時給の方が高かったためで、慌てて時給を上げて必要人員を確保した、なんて例もあるという。
なぜ労働に見合う待遇ができないのか。介護事業者の多くが「今の介護報酬では賃金を上げられない」と悲鳴を上げる。背景には国の社会保障費抑制策があり、国は今後も財政再建を最優先し、年金、医療、介護などの社会保険給付の自然増を抑える方針は変えないという。
世界トップレベルの長寿国になった今、高齢者対策は避けて通れない。予算を抑えるだけが策なのだろうか。
●●コメント●●
介護の人材不足は深刻。
0 件のコメント:
コメントを投稿