2009-05-26

日本「環境」前面に援助外交=島サミット、中国に対抗

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南太平洋の16カ国・地域が参加した日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議(太平洋・島サミット)は23日、「太平洋環境共同体」の創設を柱とする首脳宣言を採択して閉幕した。国連安全保障理事会常任理事国入りもにらみ、親日的な島国との関係強化を目指した麻生太郎首相は一定の外交成果を上げた。ただ、この地域への支援には中国も積極的で、日本側は引き続き神経をとがらせることになりそうだ。
 首脳宣言には、島しょ国・地域の環境対策や人材育成を目的として麻生首相が打ち出した、3年間で総額500億円の支援が明記された。「太平洋の島国の人づくりに貢献したいとの気持ちを表すものだ」。麻生首相は閉幕後に行ったニウエのタランギ首相との共同記者会見でこう語り、胸を張った。
 南太平洋地域の島国には歴史的な経緯もあり日系人が多く、外務省は「国際社会で日本の常任理事国入りを支持する層」と説明する。前回2006年の島サミットでは、首脳宣言に常任理事国入り支持が盛り込まれた。
 麻生首相は今回、首脳が来日した13カ国・地域すべてとの間で首脳会談を行い、南太平洋重視の姿勢をアピールした。計5回の島サミットで、全首脳と会談したのは初めて。こうした外交攻勢の背景には、この地域で台頭著しい中国の存在がある。
 前回の島サミット直前、中国はパプアニューギニアなど6カ国を集めた「中国版島サミット」をフィジーで開催。3年間で約420億円相当の援助を表明した。日本はこの年の島サミットで400億円の供与を予定していたが、急きょ50億円の上積みを決定した。
 日本が今回、地球温暖化対策を会議の主要テーマに据えたのは、「環境技術は中国より数段上。中国の箱物建設との違いが出る」(外務省幹部)との狙いがあったからだ。実際、太陽光発電パネルや海水浄化装置を供与する日本の支援は、海水面上昇の危機に直面するこれら島国に歓迎され、タランギ首相は共同会見で「日本政府、国民に感謝する」と強調。麻生首相も「今後とも環境技術を生かした協力を継続したい」と力を込めた。
 しかし、中国も今秋に3回目の「島サミット」を予定する。日本側は、そこで打ち出される支援額に注目しており、この地域での影響力増大を目指す日中の援助合戦は過熱気味だ。(2009/05/23-18:21)
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