2007-07-09

人手不足で生産鈍化、円安行き過ぎに懸念の声

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 人手不足で生産鈍化、円安行き過ぎに懸念の声

[東京 6日 ロイター] 日銀支店長会議が6日開催され、記者会見で各地域の支店長からは円安の行きすぎに対して企業から懸念の声が上がっているとの 報告が相次いだ。輸出産業の集中する東海地域について、早川英男名古屋支店長からは、円安はプラス効果が大きいものの、行き過ぎた動きには懸念もあり、安 定した相場を望むとの声が紹介された。

 また、全国的に雇用の引き締まりが目立つ中、東海地域では人手不足から今後は生産拡大に限界があるとの状況も報告された。

 円安について、早川名古屋支店長は「輸出産業が多い東海地域ではどの企業も円安は歓迎だが、うれしいより怖いという声もある。予算は1ドル=115円で立てており、今の水準なら十分なので、とにかく安定してほしいとの声が多い」と報告した。

 鮫島正大日銀大阪支店長(理事)からも、関西地区の企業経営者の中に「かなり円安が進行しており、輸出企業にとっては収益にプラスの貢献になるが、為替の急激な反転については懸念する声も聞かれている」との指摘があった。

 山下朗裕福岡支店長は「輸出企業が多い九州地区にはプラスだが、素材産業などのコストアップにもつながっており、行き過ぎの面もあるようだ。とにかく相場が安定してほしいとの声が多い」とした。

 一方、北海道経済にとって円安はマイナス面が大きい。上野正彦札幌支店長は「輸出産業は少なく、冬場の灯油やガソリン需要が全国比で大きいため、円安は打撃だ」と報告した。

 最近の景気の動きは各地域とも、「生産が回復」(福岡支店長)「設備投資が底堅く推移」(札幌支店長)するなど、企業部門の回復が順調。ただ、これまで 景気判断を「拡大している」としていた東海地区で「緩やかに拡大」と下方修正した背景として、早川名古屋支店長は「人手不足や工業用水の不足で、生産拡大 には限界があると認識している。これまでのような猛スピードの拡大ではなく、今後は持続可能な緩やかな拡大に落ち着いてきているということ」と指摘した。

 大阪支店長は「足もとは少し足踏み気味」との見方を示し、その理由として「1─3月に電子部品デバイス在庫が積み上がり、その後生産調整が行われてい る」ことを挙げた。ただ、先行きについては「生産調整は比較的に順調に進んできているので、今後は電子部品デバイス類の受注あるいは生産も再び増加に転じ るだろうという見方が多くなっている」と楽観的な見通しを示した。

 一方で「非製造業がやや振るわず、家計部門への波及は遅れている」(福岡支店長)面もある。また北海道では、格差問題も目立つ。上野札幌支店は、グロー バルマーケットにつながっているところと地域で完結しているところ、地場企業と他地域での出先企業、企業部門と家計部門といった3つの面での格差に言及し た。

 今後の金融政策運営について、大阪支店長からは引き続き企業収益の動向に配慮を求める声が根強いことを明らかにした。鮫島支店長は、過去の金利引き上げ の影響について「全体として収益は好調で、これまでの金利上昇は、企業経営の中で吸収されている」と説明。その上で、今後の金利動向については、引き続き 「企業収益の動向に配慮して慎重に対応してもらいたい」との声があることを明らかにした。

 一方、名古屋支店長からは「借り入れの少ない企業が多く、先行きの金利への警戒感は小さい」と報告した。朝日COM


●●コメント●●
人手不足感から生産拡大も限界があるというレポート、また円の安定性が保たれないといけないとのこと

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