2007-08-27

限られた人員を最大限に活用するIT運用のコツ

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限られた人員を最大限に活用するIT運用のコツ
IT技術者が不足している。評論家の予想では、アウトソーシングとオフショアリングによってIT職は北米から吸い出され、IT技術者が余るはずだっ た。しかし実際は、それとは逆のことが起きている。IT関連の人材が不足しているのだ。こうなった一因は、科学と工学への関心が薄れたこと、そして熟練技 術者の需要が増大していることにある。北米ではコンピュータ科学を専攻する若者が不足し、ビル・ゲイツ氏でさえ、Microsoftの成長に必要な人材が 確保できないと嘆いていた。

 2007年のIT予算は2%の微増が予想されるという事実は、ある程度の慰めになるかもしれない。しかし当初予想されていたような6%の増加では なく、それほど多くの人材は雇用できない。しかし、2007年の企業のIT支出見通しとは裏腹に、やるべきことは膨大だ。特にアプリケーション開発にそれ が言える。IT管理者は、予算はもうそれほど増やせないが、仕事は相当増えると思ってほしいと通告されるだろう。同じ、あるいは減った人数で増えた仕事を こなすため、2007年はIT要員の質が一層重要になる。

 しかし、優良企業でさえも、ITの人材面ではあまりうまくやってきたとは言えない。スキルの重要性が増し、人材が減る中で、採るべき3つの原則を紹介する。

ニーズを直視し、困難な決断を下す

 ほとんどの企業では、現在のIT要員を(人数とスキルの観点から)今後の仕事と照らし合わせて見た場合、明るみに出た現実にゾッとするだろう。特 に一部政府機関では、人員の高齢化が進んでいる。旧式だが稼働中のシステムを構築した人たちが引退していくのだ。こうしたシステムの中身を誰が知っている というのか。会社が切り抜けなければならないシステムの切り替えを、誰が主導してくれるのか。

 IT管理者は一歩引いて、人員とスキルの観点から見た自社のニーズと、これからすべきことを正直に評価しなければならない。すべての要求にハイハ イと応え続けたり、すべての部門や業務に行き渡るよう、ITリソースを切り分けるのは簡単だ。だがこのやり方によって少ない人員で会社を動かし続けていて は、入れ替えの必要がある大型システムには決して到達できない。自分に何ができるかについて残酷なほど正直になり、重要なプロジェクトにリソースを移す必 要がある。そして今の人材を入れ替えるだけでなく、未来のための人材採用と配置を行わなければならない。

最良の人材を採用する

 多くの企業は空いたポストを埋めるために人材を採用しているにすぎない。必要スキルの説明(普通は過去のニーズを反映したもの)が作成され、ポス トの穴を埋めるための人材が採用される。しかしリソースが限られていて、達成すべきことができることを上回っているような場合、ITのどの分野であろう と、見つけられる限り最高の人材を採用すべきだ。最高のアスリートを追求する必要がある。非常に優秀な人材の万能スキルに賭けなくてはならない。当面の仕 事のニーズを満たすために視野を狭めすぎると、将来的な価値が限られた人材を採用することになりかねず、狭い範囲でしか配置できなくなるかもしれない。

 単に空いたポストを埋めて凡人を受け入れてきた企業が、最高の人材の採用に切り替えるのは難しい。しかし優秀な人材が多数配置されるようになれば、もっとたくさんの仕事をこなすやり方が見えてくるだろう。

真のキャリアパスを提供する

 わたしがIT組織のコンサルタントを手掛けてきた35年の間ずっと、管理職は従業員のキャリアパス確立に努めていた――時に会社の事業に沿わせる 形で。その目標は、人材の育成とつなぎとめの両方にある。しかし、「平均的な」IT技術者というのがもしいるとしたら、「ディルバート」の漫画に出てくる キャラクターのように、オフィスの片隅にこもり、何年も同じシステムにしがみついている人物ということなるだろう。ここから抜け出すには、会社を辞めるし かない。

 会社側はまず、初級レベルの技術者を採用して育てるのか、それとも熟練技術者の採用に踏み切るのかをはっきりさせる必要がある。わたしは駆け出し の人材を採用して成長を助けるのがとても楽しい。しかしそのためには、興味を持ってもらえるような初級レベルのポストを作る必要があり、人材の育成に心底 気を配る必要がある。中小企業の場合はIT職入れ替えのテクニックも必要だ。そうしないと飽きられてしまうだろう。

 2007年は、仕事量を増やされ、報酬は十分でないという不満を持つ人が多い中でスタートしたかもしれない。2007年はまた、資金も不足する可能性がある。しかしだからといって、それが人材不足につながるとは限らない。少なくともあなたの会社では。


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IT技術者不足、活用の方法

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