2009-06-24

体育会部員“復権”なるか!?、京大で就活セミナー盛況

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 かつて就職戦線で「売り手市場」を謳歌(おうか)した大学の体育会部員が近年、一般学生以上に苦戦を強いられている。「体育会」という看板だけで採用された時代は終わる一方、部活動との兼ね合いで就職活動に十分時間を割けない学生も多いからだ。京都教育大の学生による集団準強姦や近畿大ボクシング部員の路上強盗など、体育会の負の側面を印象づける事件も相次ぐ。そんな中、京都大学(京都市左京区)では体育会部員だけを対象とした初の就活セミナーを開催。体育会部員を見舞う「冬の時代」の厳しさをうかがわせた。

 「体育会部員は、就活の情報収集が不十分。京大では、学内で活発に就職セミナーをやっているのに、知らない部員が多い」

 就職サポート会社「毎日コミュニケーションズ」(東京)と京大体育会が主催した3日のセミナー。ぎっしりと埋まった会場に、同社京都支社キャリアサポート課長、田川久美さん(41)の声が響いた。「時間的拘束がある体育会部員こそ、就活の予定を早く立てるべき」。田川さんは長期的な行動計画表を作ることなどをアドバイスした 高度成長期からバブル経済時代にかけ、体育会所属の学生は、就職面でつねに企業側から重用された。4年間厳しい練習に耐えた精神力を無条件で評価する傾向があったのに加え、OBからの「引き」という強固な武器もあった。

 体育会出身で昭和44年に医療メーカーに就職した京都市西京区の不動産業の男性(62)は「当時の企業はバイタリティーのある人材を求めていたので、体育会というだけで採用された」と振り返る。

 しかし、バブル崩壊後の長期不況で情勢は変わり、「体育会」だけで採用する企業は激減。それどころか面接日が試合と重なるなど就活と部活の両立が難しく、やむなく就職浪人するケースも少なくないという。

 セミナーに参加した京大バレーボール部員で、体育会の会計渉外部長も務める松田祐作さん(21)=4年=は、部活や体育会活動と就活の両立は無理だと判断し、来年も大学に残ることを決めた。平日の練習のほか、週末にも試合や特訓がある。「会計渉外部長の仕事も忙しく、就活の情報収集もできなかった。同じ理由で留年する部員は、ほかにも数人います」 一方、今年4月にIT企業への就職が内定した同部4年、井上拓也さん(21)は、3年生だった昨年6月に就活の準備を始め、11月からは練習の合間に約20社の説明会に出席した。井上さんは「体育会部員は、迅速な活動が求められる。就活が忙しい春に試合があるので、それまでにできるだけ準備が必要だし、一般学生よりも早くやった方がいい」と話す。

 京大で開かれた今回のセミナーは当日参加も可能だったが、同社側が用意した資料が足りなくなるほどの盛況ぶり。同社は今後、要望があれば他大学でもセミナーを実施する予定で、田川さんは「体育会部員ならではの就活を考えたい」と話している
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