2008-08-18

介護の資格どう変わる?…介護職の質向上へ 資格要件厳しく

:::引用:::
人口の高齢化により増加する介護ニーズや認知症に対応するため、介護人材の質の向上を目的とした資格制度の見直しが進んでいます。昨年は、社会福祉士及び介護福祉士法が改正され、2012年4月以降、資格取得の要件が厳しくなることになりました。

 例えば、介護の国家資格である介護福祉士。現行制度では、〈1〉福祉系高校を卒業して国家試験に合格〈2〉3年以上の実務経験を経て国家試験に合格〈3〉国が指定する養成施設を卒業――のいずれかで取得できます。

 法改正により、12年4月以降は、これまで自動的に資格が与えられた養成施設卒業生にも国家試験が課せられます。3年以上の実務経験者も、国家試験を受ける前に、養成施設で6か月以上の受講が必要になります。

 講習時間も増えることになりました。養成施設では1650時間、福祉系高校では1190時間でしたが、来年4月からは、いずれも1800時間になります。カリキュラムも、より実践的な介護の知識、技術を学ぶ内容になります。

 ホームヘルパーに対する研修も強化されています。06年、ホームヘルパー1級の上位に、介護職員基礎研修が新設されました。ホームヘルパーから介護福祉士を目指す際のステップとするのが狙いです。

 介護保険の訪問介護は、介護福祉士のほか、ホームヘルパーも行うことができます。ところが、従来のホームヘルパー養成研修は、1、2級を合わせても360時間で、介護福祉士の養成課程との間に、大きな開きがあったのです。

 12年をめどに、ホームヘルパー1級を介護職員基礎研修に統合し、いずれは、2級も含めて一元化するのが国の方針です。3級は、来年4月から、介護保険で訪問介護を行うことができなくなり、事実上廃止されます。

 国は、ホームヘルパーから介護福祉士へのステップアップを促し、将来的には、介護福祉士を基本の資格とすることを目指しています。しかし、現状では、介護職員のうち、介護福祉士は、施設で4割、在宅サービスで2割以下にとどまっています。

 介護の人材不足が深刻化する中、「量」だけでなく「質」を確保することも忘れてはなりません。(飯田祐子)

2008年8月14日 読売新聞)

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