2007-12-07

介護労働の現状は?…低賃金、人手不足 適切な改善策を

:::引用:::
低賃金、人手不足など、介護労働の現場が深刻な問題を抱えています。働きがいのある職場を作らないと、超高齢社会を乗り切れなくなる恐れがあります。

 介護福祉士やホームヘルパーなど、介護保険事業で働いている介護職は、112万人(2005年)います。介護保険制度が始まった00年から倍増しましたが、今後10年間でさらに40万~60万人必要になると見込まれています。

 しかし、介護関連の常用労働者(パートタイムを除く)の有効求人倍率は1・22倍(06年)と、全職種平均(0・92倍)より高く、人手不足感が高まっています。また、1年以内の離職率は、介護分野が20・2%と、全労働者平均(17・5%)より高くなっています。

 問題の一つが低賃金です。介護職の月給の平均は手当を含めて20・8万円。特別養護老人ホームは平均23・4万円、訪問介護は同18・5万円と職種で差はありますが、全産業平均(33万円)に比べて低くなっています。

 多くの介護事業者は、「介護報酬が低く、給料を上げられない」と言います。介護報酬を上げることは、保険料の値上がりにつながるため、行政も慎重な態度です。

 低賃金だけではありません。介護労働安定センターの調査では、介護職の4人に1人が、「体力的負担が大きい」「業務に対する社会的評価が低い」と 感じています。こうした問題は制度発足当初から指摘されてきましたが、失業率が5%前後と比較的高かったこともあり、人材難は表面化せず、問題の解決も先 送りされてきました。

 国は今年、福祉人材の確保指針を14年ぶりに改定しました。経営者に対し、能力に見合った給与体系の構築や事業収入の従業員への適正な配分などを求めています。

 また、研修を充実させ、キャリア形成の見通しが立てやすい職務体系を作ることも必要だとしています。約20万人いる働いていない介護福祉士の職場復帰を促すことも課題に挙げられました。

 09年春には介護報酬の改定が予定されています。担い手を増やすためにはどの程度の報酬が必要で、どこまで保険料負担を求められるのか。慎重に見極める必要があります。


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