「技術情報の提供を通じて,開発,導入,運用を行うITエンジニアを支援する」。マイクロソフト執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長の大場章弘氏(写真)は2008年11月5日,Microsoft Developer Forum 2008で講演し,日本におけるIT技術者支援のためにマイクロソフトが取り組んでいる内容を紹介した。
日本のIT技術者からの要望で最も多いのは「日本語の技術情報」(大場氏)だという。マイクロソフトは現在,英語で書かれた技術文書の日本語化を進めて いる。2008年3月から8月までの6カ月間で1万ページの文書を和訳した。2009年6月までに,さらに1万ページを日本語化する予定だ。
日本語での情報提供を強化する一環として,開発者向け情報サイト「MSDN」と,運用管理者向け情報サイト「TechNet」 を,ポータル・サイトとして利用できるようにリニューアルした。情報を探しやすくするためにタブで区分。新着情報はホーム・タブに,技術情報はライブラ リ・タブにまとめた。検索エンジンにはLive Searchを採用し,検索性能を強化した。また,新たに「MSDNソーシャル ブックマーク」機能を追加。ユーザーは,有益なWebリソースを保存でき るほか,他のユーザーがブックマークしているサイトを参照して情報を得ることができる。マイクロソフトの社員や技術者もお薦めのサイトを紹介しているとい う。
「気軽な相談窓口を求める声も多い」(大場氏)。その要望に応じて2008年1月にオープンした「NSDNフォーラム」および「TechNetフォーラム」は,IT技術者向けのオンライン掲示板だ。IT技術者が書き込んだ製品や技術に関する質問に対して,マイクロソフトの技術者が回答する。利用者は順調に増加しており,質問の投稿数はオープン当初と比べて2倍になったという。
また新しい取り組みとして,欲しい情報がサイト内のどこにあるのかをオンライン・チャットで質問できる「人力検索サービス」が紹介された。情報が見つからない場合にチャットで質問すると,その情報の在り処をマイクロソフトの担当者からリアルタイムで教えてもらえる。
IT技術者を支援するための今後の取り組みとしては,「コミュニティ支援を強化していく」(大場氏)という。現在,MSDNやTechNet内に IT技術者や研究者,マイクロソフト社員が参加するコミュニティを設けている。これらのコミュニティの機能を拡充することで,「IT技術者と双方向に情報 発信できる仕組みを作っていきたい」(大場氏)。
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