2008-11-05

社会保障強化財源、15年度には消費税3・3~3・5%分

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 政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大教授)は4日、給付抑制が続いていた社会保障制度について、「機能強化が必要」として給付拡充を求める最終報告をまとめた。

 機能強化で追加的に必要となる財源額を初めて試算し、基礎年金の財政方式で現行の「社会保険方式」を維持する場合は2015年度に消費税率換算で 3・3~3・5%、「税方式」に切り替えた場合は同年度に6~11%の追加財源がそれぞれ必要になるとしたが、財源確保の具体策は明示しなかった。

 最終報告を受け、麻生首相は4日、具体的な機能強化の工程表を作るため、国民会議座長らによる懇談会を設ける方針を表明した。

 財源額の試算は、〈1〉基礎年金の財源を保険料と税でまかなう社会保険方式〈2〉全額税でまかなう税方式――に分けた上で、年金、医療・介護、少子化の各分野で15年度と25年度に現在より増える費用を積み上げた。

 社会保険方式による15年度の追加費用は基礎年金に2・6兆円、医療・介護に4兆円、少子化対策では1・3兆~2・1兆円とした。消費税率換算で は、09年度に基礎年金の国庫負担割合を2分の1へ引き上げるために必要な1%分を加え、計3・3~3・5%程度に相当する。税方式では、15年度の追加 費用が基礎年金だけで12兆~28兆円となり、全体では消費税率換算で6~11%程度となるとした。

 25年度は社会保険方式で6%程度、税方式で9~13%程度の追加財源が必要としている。

 焦点の一つだった基礎年金の財政方式のあり方については、社会保険方式と税方式の両論を併記した。ただ、税方式導入で解決できるとされる保険料未 納問題が「年金財政に与える影響は限定的」と指摘し、社会保険方式の修正・維持が望ましいとの考えをにじませた。財源確保策については、「改革の道筋を示 し、国民の理解を得ながら具体的な取り組みに着手すべきだ」とするにとどめた。

 各分野の具体的な機能強化策については、年金で、低所得者に対する免除制度の積極活用など未納対策の充実や基礎年金の最低保障機能の強化を求めた。医療・介護では、急性期医療への医師や看護師の集中配置による質の向上と効率化の実現などを提言した。

 少子化対策では病児保育など保育サービス多様化やサービス拡充などの施策を講じるべきだとしている。

2008年11月5日02時18分 読売新聞)

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