トヨタ自動車の渡辺捷昭社長は6日、福祉分野などで人間を助ける次世代の「パートナーロボット」について2010年 代の早い時期に実用化を目指す方針を発表した。今後2~3年かけて自社工場や医療機関などで実証実験を実施。その結果をもとに実用化に向けての最終判断す る。トヨタはロボット事業を将来の「中核事業」と位置づけており、既存の自動車技術を生かすほか、将来のクルマ作りにも役立てる。
トヨタは同日、新たに段差や斜面でも安定走行が可能な「モビリティロボット」など2種類の次世代ロボットを発表。同時に、次世代ロボットの実用化に向けた計画を発表した。
計画のなかで、次世代ロボットを家事、介護・医療、近距離移動、製造の4分野で実用化していくとの考えを表明。これに向けて来年から同社の関連施設で実際に使用していく方針だ。
また、来年度中に広瀬工場(愛知県豊田市)内に新しい実験棟を建設して開発拠点を強化、開発スタッフも現在の100人から「2年間で2倍」(渡辺社長)に増員する考えだ。
次世代ロボットの実用化は、少子高齢化の進展を見据えるて利点は多い。将来的にはロボットが介護や家事、移動などで人間を支援し、「介護の苦しさから解放させる」(内山田竹志副社長)ことも可能だという。困難な作業をロボットに担わせることで生産能力の効率化も図れる。
ただ、ロボット事業はまだ市場が形成されていないのが現実。渡辺社長も「2~3年の実用化トライアルを受けてビジネスモデルを検討したい」と事業化については慎重だ。さらに、「信頼性、耐久性、コスト面をどうするか」など課題は多い。
トヨタがロボット市場を開拓していくには解決すべき問題は多く、渡辺社長は「われわれだけではできない部分もある。産官学の連携が必要」と強調した。
■次世代ロボット
人間活動をサポートするロボットの総称。生産現場の自動化を目的に普及した産業用ロボットの発展形で、少子化を背景に不足感が高まる労働力を補完し、身近 な家事から介護・医療にいたる広範な分野での利用が見込まれている。その成長性を見据えて産官学が連携して技術開発を活発化させており、「二足歩行型」 「二輪走行型」「搭乗歩行型」など、人間の繊細な動きや知能を真似たタイプが登場している。
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