2007-12-04

中国系留学生に特化した大学受験塾ができるまで

:::引用:::
現在、日本国内には、10万人を超える外国人留学生がいる。そのうち7割は大陸系中国人だといわれており、卒業後、日本企業に就職する中国人留学生も増えている。業界の別を問わず、いまや日本人の身のまわりには中国人社員がごく普通に存在し、机を並べて働く時代になってきた。不定期連載シリーズ【商う外国人】、その第1回目は彼らをテーマとしたい。

 彼らは、なぜ日本の大学入学を希望し、日本の会社で働きたいのか。文化のまったく異なる国で、何に戸惑い、何を得ているのか。

 そうした事情を伺い知るために、格好の人物がいる。都内で中国人留学生のための大学受験塾「王立学院」を経営する高坂明仁氏である。

 王立学院には、約150名(2006年5月現在)の中国人の若者が学ぶ。台湾出身の高坂氏自身も、日本の大学院で学び、日本の会社で働き、そして日本で起業した。

 従来の「外国人労働者」とは、まったくパラダイムが異なる在日チャイニーズの現在。その詳細を「チャイニーズ受験界」の最前線に立つ氏に語ってもらおう。

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 「早稲田大学22名、慶應大学16名、上智大学12名、明治大学33名、中央大学34名……」(王立学院HPより)。ここ数年の王立学院出身の有名大学合格者数ということですが、日本の予備校そのものですね。そもそも、「中国人留学生のための大学受験塾」とは、どのようなものなのですか。




 中国人に限らず、一般に外国人が日本の大学に留学したい場合、年2回実施される日本留学試験(※1)を受けなければなりません。多くの人は就学ビザを取って来日し、日本語学校で日本語をマスターしながら試験に備えるわけです。主にこうした日本語学校の生徒や、両親が日本で働いている中国系の子弟などが、大学入試対策のために受講しています。


※1 日本留学試験
外国人留学生として、日本の大学等に入学を希望する者に、日本語および基礎学力の評価を行うもの。出題科目は志望大学の指定によるが、「日本語」「理科」「総合科目」「数学」の中から選択する。英語に関しては「TOEFL」の点数を提出させる場合が多い。実施は年に2回(6月/11月)。センター試験入試とほぼ同じシステムで、その試験の成績がそれぞれの出願大学で合否の対象となる。2次試験、面接等を行う大学も多い。参照:独立行政法人日本学生支援機構 留学生事業部

 なるほど、日本語学校に通いながらダブルスクールしている人もいるわけですね。留学生の大学入試のための試験対策ということですが、具体的にはどんな授業を行っているのですか。

 うちの大学や大学院のための進学コースは、日本語留学試験に対応した「英文法」「TOEFL英語会話」「日本語文法」「日本語会話」「面接・小論文」、理系大学受験者のための「数学」「物理」などから選べます。また、大学院の研究計画面接のための講座なども用意しています。

 2005年度の生徒数は175名でしたが、すべての科目を受講する進学コースは約60名で全体の35%。志望大学によって受験科目が違いますから、「英文法」「数学」「TOEFL英語会話」などの単科受講生も多い。日本の大学を終了した後、アメリカの大学にさらに留学したいという人たちもいます。

 中国人留学生のブログなどでも、王立学院の合格率の高さが話題になっているそうですが、その理由はどこにあると思いますか。


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