新たな少子化対策を検討する政府の「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」(議長・町村信孝官房長官)が十八日の会合で決定する最終報告書 案の全容が七日、判明した。仕事と子育てを両立できる社会的基盤構築のためには「効果的な財政投入が必要」と明記。支援策充実に向けた国、地方自治体など の支出の総額は、現行の年間四兆三千三百億円より最大で二兆四千四百億円増の六兆七千七百億円が必要になるとの推計を盛り込んでいる。制度面でも、医療保険、雇用保険、児童福祉、母子保健など制度ごとに給付内容や費用負担の方法が異なる現行の仕組みを見直し、全国的に体系化された「包括的な次世代育成支援」の枠組みを構築する方針を打ち出した。
また二〇〇八年度に先行実施すべき課題として、子どもの一時預かり事業の法的な位置付けの明確化や、家庭で子どもを預かる保育ママなど「家庭的保育」の制度化を挙げた。
追加支援の内訳は、育児休業制度充実など仕事と子育ての両立支援に二兆円、児童手当制度などの個人給付に二千六百億円、地域の子育て支援拠点の整備に千八百億円。
財源確保は「次世代負担で賄うことのない」ようにすべきだと強調。ただ具体策は明示せず、国、自治体、事業主、個人が負担・拠出する新たな枠組みの制度設計を「税制改革の動向を踏まえつつ速やかに進めるべきだ」と述べるにとどまった。
報告書案は、少子化の進行は労働力人口の急速な減少を招き「わが国の経済社会に大きな影響を与える」と危機感を表明。働き方の見直しによる仕事と 生活の調和(ワークライフバランス)の実現も対策の柱に掲げ、近く政府の「官民トップ会議」で決定するワークライフバランス憲章と行動指針に沿った国、自 治体、労使の積極的な取り組みを求めた。
追加支援に伴う負担増に関しては「今負担しなければ、労働力を確保できず、結果的には経済成長の制約という形で、将来より多くのコストを負担することになる」と指摘した。
●●コメント●●
0 件のコメント:
コメントを投稿