2008-09-30

外国人先生は「派遣」の仕事に 英語指導助手 国から民間へ

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 小中高校で英語授業を補助する外国語指導助手(ALT)を、人材派遣会社など民間に頼る教育委員会が広がっている。名古屋市は国が仲介する外国人 青年招致事業「JETプログラム」を通じた採用を打ち切り、今月から人材派遣会社に一本化した。採用の手間が省けることや給与の安さが理由だが、質の確保 など問題点を指摘する声も上がる。

 95人のALTがいる名古屋市は2003年から民間委託を導入。今年の1学期が終わった7月末、JET出身7人の契約期限に合わせてJETを通じた採用を打ち切った。岐阜市もALTを4人から22人に増やした昨年9月、人材派遣会社と契約を結んだ。

 民間に傾く理由は、雇用管理や住居探しなど生活の面倒を見る必要がない▽賃金がJETより月数万円安い▽トラブルがあれば交代要員をいつでも出してくれる-など。岐阜市教委の担当者は「雑務は派遣会社に任せ、現場の教育に力を注ぎたい」と話す。

 文部科学省によると、ALTのうち、JET出身者は年々減る一方、JET以外は2004年から3000人以上増えた。だが、ALTの人数が増加するにつれ、質の低下を懸念する意見もある。

 名古屋市と派遣契約を結ぶ人材派遣会社は「(語学学校大手の)NOVAの破たんで日本の評判が下がり、ALTが中国や韓国に流れている。質と人数 の確保を両立するのは難しい」と漏らす。今年7月には、岐阜県山県市に派遣されたALTが入管難民法違反(不法残留)で逮捕される事件も起きた。

 名古屋市は指導力を向上する研修計画などを提案させるプロポーザル方式を導入し、「値段が安ければいいというわけではなく、質の確保を図っている」と話す。岐阜市も同じ方式で、条件に「できる限り教育の経験や知識を有する」との項目を加えている。

 しかし、採用基準は各自治体に任され、誰が来るかは業者任せなのが実情。文科省国際教育課の担当者は「JETを活用してほしいのが基本。質の確保はもちろんだが、現時点では採用の基準づくりは考えていない」としている。

 【外国語指導助手(ALT)】 話せる英語を身に付けようと国が1987年から始め、財団法人・自治体国際化協会が運営するJETプログラムを通 じて各地に外国人が派遣されてきた。昨年度は全国で1万2483人。JET以外に、自治体が地域に住む外国人を直接採用したり、人材派遣会社からの派遣、 語学学校に委託するケースがある。


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